SSまとめ

ゆかり🍰🍮 @yukari_mira

毎朝の身支度を整える時間。二人並んで鏡の前に立つ。 「そういえば、あなたはクシ使いませんね」 髪を仕事用に整えていた直江が今更のように言ってきた。 「寝癖、直しますよ」 おまえが手櫛でいつもやってくれるから…。言う前に指が、優しく髪に触れてきた。/９月4日クシの日

ゆかり🍰🍮 @yukari_mira

「キスしてくれたら仕事行きます」「しなかったら家に居るのか？」そうくるとは！本気で悩んでしまいます高耶さん！「したいけど、あなたとも離れたくない…どうしましょうね」「キス…してやるからちゃんと仕事行け」触れるだけの物足りないキス。「続きは帰ってからな」照れるあなたが愛おしい。ss

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小さな呻きとともに、あなたが腕の中に入り込んできた。剥き出しのままの肌が冷えたのか、無意識のうちに温もりを求めてくれる。 「高耶さん…」起こさぬようごく小さな呟きと、頬に触れるだけの口づけ。 涼しくなった朝と腕の中で眠るあなたの体温で、確か今日は白露だったと思い出す。/ss

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「喉痛い」「風邪？季節の変わり目ですからね。喉に優しい飲み物作ってきます」待つこと数分。柚茶が差し出された。「高耶さん、今日はゆっくり休んで。風邪はひき初めが肝心だから」熱を確かめるよう額に掌があてられる。こんなに優しくされると昨晩、散々啼かされたせいだとは言えなくなった/ss

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「一緒に寝具買いに行きませんか？」起き抜け一番、満面の笑みした直江が誘ってきた。男二人で行ってどうする。呆れた返事してやると更に脂下がった貌。「今日は寝具の日だそうですよ。たまには布団でもヤって…たかっ…」恥ずかしい事言う口を封じながらも、ちょっといいとも思ってしまった。/ss

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布団を敷き、その上で交る。「いつもと違う」背中に弾むスプリングを感じないせいか、戸惑ったような貌まで見せてくる。「よくない？」そう、とも違う、とも言わない身体を引き上げ上に乗せる。「よくなるように、自分で動いて…高耶さん」躊躇いは一瞬だけ。すぐに貪婪な情慾を見せつけられた。/ss

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受話器の向こうから聞こえてくる、あなたの吐息。切ない求めが胸を締めつける。「高耶さん…」名を呼ぶほどに忙しなくなっていく息づかいが、私の身体をも熱くしていく。「あなたも…私を呼んで」甘みを含んだ声が理性を試してくる。今すぐにでも抱きしめたいのに。回線上の交わりは甘くも苦い。/ss

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薄明けの空を二人で見上げる。暗さ残した空には小さな星々。それらの間をゆっくり光の点が移動していく。人工衛星だ。「今この瞬間の光と、昔の光をおまえと一緒に見られるなんて」400年前の光もこの中にあるのだろうか。「この先もずっと一緒に見ましょう」感慨深げに言う直江に高耶も頷いた/ss

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眠い目をこすり、ついでに痛む腰もさすりながらリビングに向かう。扉を開けるとトーストの匂い。むしろ臭い？「またやらかしたか」呆れ声で言うと直江が申し訳なさそうに焦げパンを見せてきた。「目玉焼きに気を取られていたらこの有様です」こんがりパンと潰れた目玉焼き。ダメな男が愛おしい/ss

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「左手じゃ上手く出来ねえ」呟きが運悪く直江に聞かれてしまった。「利き手突き指して使えませんからね！」笑顔で言うなり、歯ブラシが取り上げられた。仕方なしに口を開ける。隅々まで丁寧に。これは…自分でヤるよりいいかも。「お風呂も一人ではムリでしょう？」だから嬉しそうに言うな！/ss

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「今日は外に出たくない」求めるように言うあなたを寝室に閉じ込めた。二人ベッドに倒れ込み、唇合わせながら互いの服を脱がせていく。「一日中抱き続けてあげる」剥き出しになった背中に口づけると、期待のせいかいつもより大きく背が跳ねた。どこに触れても敏感に。ねだる肌はいっそう艶かしい/ss

ゆかり🍰🍮 @yukari_mira

雨が降りそうだ。予報では夕方の降水確率50% 面倒だからと傘を持たず大学に行ったあなたが心配だ。迎えに行ってしまおうか。しかしまだ退社するには早すぎる。でも万が一、傘のないあなたを誰かが招き入れ相合傘してしまったら！「義明、外回りしてきていいぞ」見かねた兄からお許しが出た/ss

ゆかり🍰🍮 @yukari_mira

「腰痛い。喉痛い。カラダ全部痛いッ」目覚めるなり不機嫌そのものな高耶に直江はサッと冷たい水を差し出す。「風呂も入りたい」「用意しておきました！」横抱きにし、風呂場に連れて行く。「丁寧に洗え」「ええ、もう隅々まで」「でも、いやらしい真似したら速攻でリコンだからな」「ぎょ、御意！」→

ゆかり🍰🍮 @yukari_mira

甘い身体に誘われるまま午後からずっと耽ってしまった。あなたも欲しがったくせに。思っても今言えば火に油を注ぐようなものだ。「夕飯…」「外に食べに行きましょう」「ばか、贅沢するな。レトルトカレーでいいから」「心込めて温めさせて頂きます！」でも、少しだけ我儘になるあなたが可愛い。/ss

ゆかり🍰🍮 @yukari_mira

腕の中に居るのに、不安でならず目覚める前から口づけで起こしてしまう。貪り合っても満たされない飢餓。ようやく心も身体も繋がれたと言うのに。「眼を開けて高耶さん。怖がらず私を見て。誰があなたを抱いているのか」それでも嫌だと見つめてはくれない。紅くなった左眼さえも美しいと思うのに/ss

なごむ🚲原稿します @nago_mira

@yukari_mira Σd=(・ω-｀o) 高耶さんが完全に直江に身を任せております pic.twitter.com/rUJhU4zgHl

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ゆかり🍰🍮 @yukari_mira

@nago_mira 指1本動かしたくないと、身を任せてくるあなたの世話をする。「ご飯も食べさせてあげる。アーンして」「あー……おい、直江。おまえワザとだろ」「え？ちょっと手元がくるっただけですよ？」そう言って胸元に落としてしまったカレーを舐めとる。左手でやって正解だった/ss

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「ただいま、高耶さん」出迎えてくれたあなたを捕まえてキスをせがむ。仕事頑張ってきたご褒美が欲しいんです。蜜のように甘いあなたの唇は、疲れた心も身体も癒してくれるから。「触れるだけのキスじゃ物足りない？」そんな物欲しげな貌をされると、夕飯より先にあなたを食べたくなってしまう。/ss

ゆかり🍰🍮 @yukari_mira

月に照らされ密かに抱きあう。首筋に、胸元に、熱く降りてくる口づけが肌を慄かせる。「声…聞かせて」求められても声が夜風に乗ってしまいそうで唇を噛み締める。「あなたの声が聞きたい。眼も開けて。こんなに月が綺麗なのだから」「月が綺麗なのは…ずっと昔からだ」愛してるのはずっと昔から/ss

ゆかり🍰🍮 @yukari_mira

ベランダに出て二人夜空を見上げる。今日は十五夜。薄曇りの雲がかかり、それがまた月の美しさを際立てている。「…月が綺麗だな」何となく呟くと、直江がきつく抱きしめてきた。「死んでもいい…なんて返しませんよ。綺麗な月をこの先もずっとあなたと見続けていたい」そうだな、と呟き口づけた/ss

ゆかり🍰🍮 @yukari_mira

「お前の眼鏡姿が見られるとはな。老眼鏡だけど」笑う男の顔にも同じ物。互いに年を取ったものだ。「…あいつの代わりに言ってやるけど、似合ってるぜ」胸に手を当てると返事をされた気がした。「あのひともそう言ってくれてる。見られなくて悔しいとも」「惚気かよ」心の中で、彼にも呆れられた/ss

ゆかり🍰🍮 @yukari_mira

花屋の店先に秋桜が出ていた。『今日は秋桜を贈って恋人に愛を伝える日』そんな売り文句に乗せられるのもどうかと思いつつも買ってしまった。 赤い秋桜。花言葉は愛情だと教えられた。渡せば少しは伝わるだろうか。 あいしてる…たった5文字なのに、普段あいつにちっとも言えない代わりに。/ss

ゆかり🍰🍮 @yukari_mira

「好きです！」帰ってくるなり直江がぎゅっとしてきた。抱きしめはいつもの事だけど、なぜ告白？「あなたを愛している」はいはい。わかってる。「だからこれ…プレゼント。後で穿いて見せてくださいね♡」渡されたのはエロ下着。今日は男から贈って積極的に愛を告白する日らしい。じゃあオレも…/ss

なごむ🚲原稿します @nago_mira

@yukari_mira 直江の服がいつも白シャツになるんですが ゆかり先生直江に何を着せたらいいでしょうか…！ あと傘は高耶さんよりで直江は肩がぬれるとイイ pic.twitter.com/k8IlechSsb

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ゆかり🍰🍮 @yukari_mira

降りしきる雨の中、買い物に行くという彼に傘を差し向けた。「おまえも来るの？」「あなたと相合傘できるチャンスですから」冗談のつもりで言ったのに否定してこない。「行くぞ」腕を引かれ、彼は傘の中に。「誰も気にも留めない」「そうですね」今朝はやけに素直なあなたに、傘の下で口づけた。/ss