アニメーションにおける「コマ」について

第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門受賞シンポジウムにて、『四畳半神話大系』の湯浅政明監督、『カラフル』の原恵一監督、『マイマイ新子と千年の魔法』の片渕須直監督が、途中アニメーションの作画の話題をして、片渕監督がそれを振りかえってTwitterで書き込んだものを纏めました。 その件に関しては、こちらの纏めを参照下さい [第14回]文化庁メディア芸術祭受賞者シンポジウム「アニメーション部門②」UST中継に対するTwitterでの反応 http://togetter.com/li/100453 続きを読む
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片渕須直 @katabuchi_sunao

作画の2コマとか3コマ打ちの話は、新学期からのアニメーションⅡでやろうかね。

2011-02-15 12:05:11
片渕須直 @katabuchi_sunao

1K打ちって、アメリカでもメインじゃないですよ。バタバタというより、ヌメーと気色悪く動くから、適度にスッキリ感のある2Kが主軸です。RT @Yamagami_Tatuya 僕も知りたいですね。一コマだと、動きとして、速すぎたりバタバタしてる感じがします。

2011-02-15 12:11:10
片渕須直 @katabuchi_sunao

ちなみにもうイッコいうと、マイマイ新子は中枚数が異常に多いところがたくさんあって(というか、僕がそういうシートにあえてしたので)、動画方面からそこはある意味恨まれました。きちーんと中割りしないといけないから。

2011-02-15 12:14:27
MOOK【STUDIO(さらにいくつもの)MOOK】 @STUDIOMOOK

大変そう… RT @katabuchi_sunao: ちなみにもうイッコいうと、マイマイ新子は中枚数が異常に多いところがたくさんあって(というか、僕がそういうシートにあえてしたので)、動画方面からそこはある意味恨まれました。きちーんと中割りしないといけないから。

2011-02-15 12:16:55
片渕須直 @katabuchi_sunao

@Yamagami_Tatuya アメリカのアニメーションは基本は2K打ちで、仮現運動が効きにくくなって来るところだけ1Kで打って最適時相に近づけようともがくんです。ベタに1Kって意味がない。

2011-02-15 12:20:32
片渕須直 @katabuchi_sunao

そもそも、2K打ちっていう時点で、実は、最適時相を外れてしまってるはず。カタカタしちゃってるはずなんです。しかし、人間の目はそういうものの方が多少の安心感をもって見るらしい。これは日本・欧米を問わず。

2011-02-15 12:22:44
bn2 @bn2islander

@katabuchi_sunao どの様にコマを打つかは、ある程度は論理が支配しているものなのでしょうか

2011-02-15 12:25:26
片渕須直 @katabuchi_sunao

ビンテージな16コマ/秒の映画なんか観ると、カタカタしてるでしょ。あれは、最適時相を外れ過ぎちゃってるから。だけど、アニメーションは12コマ/秒くらいがちょうど良いんです。

2011-02-15 12:26:00
片渕須直 @katabuchi_sunao

基本は知覚心理学で裏打ちされた世界ですから。アニメーションに限らず映像は。論理じゃなくて、人間の目と脳がどう認識するかの経験値といっても良い部分です。RT @bn2islander どの様にコマを打つかは、ある程度は論理が支配しているものなのでしょうか

2011-02-15 12:32:01
片渕須直 @katabuchi_sunao

そもそもはそういう話をしようと思って、β運動のなんたらという題名でコラム始めたんだけど、予習する時間があまりにもなさ過ぎちゃって、延々経験談になっちゃっております。

2011-02-15 12:32:18
とり・みき/TORI MIKI @videobird

@katabuchi_sunao 最適時相のお話興味深いです。逆にアニメであのカタカタ感やコマトビ感を再現する方法はあるのでしょうか。

2011-02-15 12:33:35
片渕須直 @katabuchi_sunao

「ナントカ心理学」っていうのは、要するに大脳がブラックボックス過ぎて、中で行われていることを論理化できないから、刺激を受けた大脳が外側にリアクションした実例として集めて、統計的に処理することなんです。

2011-02-15 12:34:53
片渕須直 @katabuchi_sunao

全部4K打ちしたりしても駄目なんですよね。あまりうまく行きません。手塚さんの 『おんぼろフィルム』も、キャラクターの動き以外のところでカタカタ感を出そうとしていたように記憶します。RT @videobird 逆にアニメであのカタカタ感やコマトビ感を再現する方法はあるのでしょうか

2011-02-15 12:37:26
片渕須直 @katabuchi_sunao

@rarihotty こちらでは知覚心理学方面にはほとんど深入りしないと思います。そういうのならば横田正夫先生の映像心理学とかですね。

2011-02-15 14:08:38
ogawab @ogawab

.@videobird @katabuchi_sunao いちばんいいのは1コマ、2コマに目をならしたあと、3コマを見ることかと思います(苦笑)。フランスのアニメーションフェスから帰ってきた先輩が、しばらく日本のTVアニメがカクカクして見えてきつかった、と言っておりました。

2011-02-15 14:29:52
片渕須直 @katabuchi_sunao

でも、2Kだとカタカタ見えない、というわけですよね。実写で同じことしたら確実にカタつくのに。その辺に実写とアニメの違いがあるなあ、というお話です。RT @ogawab フランスのアニメーションフェスから帰ってきた先輩が、しばらく日本のTVアニメがカクカクして見えてきつかった、と言

2011-02-16 13:56:23
片渕須直 @katabuchi_sunao

つづき。アニメーションでも2K撮りが確実にカタつく場合がある。それは、背景を2コマ撮りで動かしたとき。背景は1コマに限る。(背景動画ではなく、Followとかカメラワークでの場合の話)。

2011-02-16 14:58:53
片渕須直 @katabuchi_sunao

とすると、ひょっとしたら、セル絵は輪郭線とベタ塗りで構成されて適度に情報量が少ないのが幸いして、仮現運動の最適時相を大幅にはみ出してるのにカタついて認識されずに済んでるのではないかな。

2011-02-16 15:00:19
片渕須直 @katabuchi_sunao

カタつく、といってもフリッカーとジッターとストロービングがある。・・・・・・らしい。学生の頃自分で調べろといわれていまだに調べてません。すみません、先生。

2011-02-16 15:02:07
片渕須直 @katabuchi_sunao

背景にカメラワークつけて引くとき、かつ、PAN速度にフェアリングをつけて加減速させるとき、引き速度が5mm/K付近になると、とたんにカタついて見える。1コマ撮りでも。この辺も最適時相とかその辺のことと何らかの関連がるような気がします。

2011-02-16 15:09:09
coaty @coaty

こんにちは。素朴な疑問なのですが、作画されているのが「堅い」又は「柔らかい」ものかによってカタツキは変わるのでしょうか。(脳の対象物への認識で差があるのかな) RT @katabuchi_sunao: つづき。アニメーションでも2K撮りが確実にカタつく場合がある。それは、背景を2

2011-02-16 15:09:15
片渕須直 @katabuchi_sunao

「やわらかいもの」というのは、一枚の画の部分部分によってコマごとの移動幅、とび量が異なるので、カタつきが認識されにくい、と直感的には思います。あとは実験してみて、というしか。RT @coaty 作画されているのが「堅い」又は「柔らかい」ものかによってカタツキは変わるのでしょうか。

2011-02-16 15:12:29
coaty @coaty

@katabuchi_sunao お答えいただきましてありがとうございました。(門外漢ですが、興味深く拝見しております)

2011-02-16 15:16:01
片渕須直 @katabuchi_sunao

実は、仮現運動がなんで起こるのかもあまりよろしく理解してません。(人間の脳が自分の目の瞬きをいちいち認識しなくて済ませるためなのではないか、という気もしますけど)なので、最適時相という領域のことも、おぼろげにしか把握できてません。

2011-02-16 15:16:50
片渕須直 @katabuchi_sunao

最近ビックリしたのは、視覚の仮現運動のほかに、触覚でも仮現運動が起こるらしい、ということだったり。皮膚の2点を極小時間をおいてつつくと、刺激が線上に移動して感じるらしい。これはなんのため?

2011-02-16 15:18:35