鈴木心さんのお話~プリンター、現像ソフト編

写真家鈴木心さんによるためになる写真に関するお話
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鈴木心|写真家 @suzukish1n

プリンターについて。僕は大学時代からエプソンPX6000,6500を使っています。その他にもPM4000PXやG5000を使用した事もありますが、大型の出力や写真集のテストを作成したり、そのセレクトのためにコンタクトを大量に出力するのには6000シリーズくらいのパワーが必要です。

2011-02-17 20:48:21
鈴木心|写真家 @suzukish1n

初期は今ほど紙の種類がなく、といっても耐えうるデータも手軽に入らなかったので、ピクトリコかインクジェットのどちらかでした。ちなみにニコンユーナに提出したのはピクトリコの光沢紙A3サイズで、ひとつぼ展に提出したものはフォトマット、エプソンのコンペもフォトマットでした。

2011-02-17 20:49:58
鈴木心|写真家 @suzukish1n

当時顔料インクの発色がとても気に入っていたのですが、フィルムで撮影したものでも一旦PCに入れてしまうと損なわれる独特な快調とインクジェットの発色の噛み合いが気に入らず、インクジェットはフォトマットへ、というのが定石でした。それには特別な訳があります。

2011-02-17 20:51:59
鈴木心|写真家 @suzukish1n

写真を定着させる上で、守りたいのはピントと構図なので、インクの発色や紙の質感は二の次、フォトマットではむしろ彩度が落ちかつシャープネスは立つのでもってこいだったのです。さらに扱いも光沢系に比べて頑丈で素手で触っても摩っても大丈夫です。なのでそのまま張り合わせて製本したりしました

2011-02-17 21:00:15
鈴木心|写真家 @suzukish1n

現在仕事では、データで納品する場合は色見本を添付するのでピクトリコのプルーフ紙か、エプソンの絹目に6500で出力し(もちろん機材のプロファイル調整済みで)使用しています。資料はスーパーファイン、ベタはフォトマットなど、マット系も多用しています。

2011-02-17 21:02:49
鈴木心|写真家 @suzukish1n

最近はキヤノンのプリンターでも顔料インクが出ているはずです。でも、こればかりは、大学のときからかれこれ8年くらい付き合いのあるプリンターですし、前の職場でも沢山のエプソンプリンターを使ってきたのでもはや写真の友と化しています。

2011-02-17 21:04:22
鈴木心|写真家 @suzukish1n

余談ですが、学生時代に耳にした噂、顔料インクの材料は某化粧品会社の製品でそこから流用されインクがつくられているのでは、、という事を聞いた事があります。とにかく、写真は印画紙でも、インクでもない。撮った時点でほとんどを完成させる、ため、出力関係の吟味には疎いかもしれません。

2011-02-17 21:06:43
鈴木心|写真家 @suzukish1n

あ!でも最近、仕事用のブックにコスモスインターナショナルが作っている局紙という和紙の様な質感にもかかわらずフォトブラックインクでプリントできる紙は大量に購入してプレゼン用に使っています。こういう大きなメーカー以外がだしている紙で魅力的かつ高価なものは、、、恐ろしいですね。

2011-02-17 21:08:09
鈴木心|写真家 @suzukish1n

染料、顔料インクに対しての個人的な見識ですが、この印象は8年前のものなので今どうなっているかは定かではありませんが、染料は兎に角にじみと彩度が高いのが気になりました。夕景や山などの自然写真に対しては迫力が増すので有効かもしれません。

2011-02-17 23:59:09
鈴木心|写真家 @suzukish1n

ですが、再現性(この着地点も各々違いますが)を考えると顔料の方が、プリント表面の耐久性やシャープさ、発色が有利で、当時の黒の階調に関しては圧倒的に顔料(というかエプソン)に利がありました。PM4000PXにしても黒の締まりがドシっとしていて顔料ならではの存在感がありました。

2011-02-18 00:01:30
鈴木心|写真家 @suzukish1n

仕事で考えると、プリントの耐久力や再現性はデータの情報を物理的につたえる手段であり、印刷し上がりまで色味の基準になる大切なものなので、顔料しか使われませんでした。もしくはピクトリコという手段もありましたが、僕が会社に入る頃にはPM4000PXが一線で大活躍していました。

2011-02-18 00:03:46
鈴木心|写真家 @suzukish1n

ホームユースだと、あまり気にならないかもしれませんが大量に出力をする現場だとランニングコストは大きな問題です。その点でもタンクが大きく(時には別モデルのインクをさしたり)、しかも印刷時間も短い、そしてタフで大型も出力できる6000以降のモデルは重宝されます。

2011-02-18 00:05:20
鈴木心|写真家 @suzukish1n

僕がいた会社ではLAN接続で間にサーバーをかましてあり、データをCMYKに変換してから出力する方式であったため、実際の4色印刷をインクジェットプリンターでシュミレーションできる様になっていました。それで商品パッケージやスキャンしたプリントなど元に厳密な色調整が行われていました。

2011-02-18 00:07:17
鈴木心|写真家 @suzukish1n

アプリケーションに関してですが、デジタル撮影はフェイズワンかキヤノンしか使用しないので、RAW連結撮影、あるいはカード読み込みもすべてCAPTURE ONEで行います。これも前述の勤めていた会社の方式なのですが、とにかく直感的にどんどん作業できるソフトなので重宝しています。

2011-02-18 00:10:15
鈴木心|写真家 @suzukish1n

他のソフトを使用した事がないのでどの点が秀でているのかは分かりませんが、撮影〜現像までのプロセスをスムーズにこなせるインターフェイスの設計になっています。さらに作業パレットも配置をカスタムできるので利き手や操作順に応じて自分の作業環境を構築できます。

2011-02-18 00:13:14
鈴木心|写真家 @suzukish1n

パレット配置で僕が特にこだわっている点は右利きの場合のインターフェイス。画像を中心にして右側にパラメータ、左にブラウザをいうのは撮影中パラメータは良く使うのでマウスが良く滞在する右側に配置し http://plixi.com/p/78082319

2011-02-18 00:17:48
鈴木心|写真家 @suzukish1n

ショートカットキーでまかなえるブラウズはマウスが離れがちな左側に配置します。キャプチャーソフトでの作業量はかなり多いのでこういった配置にするだけでも大分作業時間を省くことができます。

2011-02-18 00:19:32
鈴木心|写真家 @suzukish1n

僕の場合はそもそも肌の修正や大幅な合成のレタッチは得意ではないので、できる限り撮影した段階で写真を最終形に仕上げてしまいます。なので、captureoneにて出来る限りのトーン、色温度、コントラスト、明度、彩度は完成させて現像します。

2011-02-18 00:22:52
鈴木心|写真家 @suzukish1n

現像も案件や仕様によってプリセットを自前でストックしておき、瞬時に大量に捌けるようにしておきます。とくにQuickProofというプリセットは撮影後のセレクト用に高速現像できるのでかな〜り重宝します! http://plixi.com/p/78083773

2011-02-18 00:24:32
鈴木心|写真家 @suzukish1n

フォトショップでは現像の時点で部分的に修正出来ない部分を明るさやトーンカーブで調整したり、ゴミを取ったり、という細かな作業をフォローしていきます。中でもフィルムレンズ表現にちかずけるために画像の4角を焼き込みします。一応暗室経験者なので手で作業したかな荒さをあえて残します。

2011-02-18 00:27:13
鈴木心|写真家 @suzukish1n

焼き込みはこんな風に。下が焼き込み済みです。おおきなブラシツールでざっくりやればやるほど生っぽくなります。これは撮影、引き延ばしレンズの収差と粗いプリントのシミュレーションです。 http://plixi.com/p/78084854

2011-02-18 00:31:21
鈴木心|写真家 @suzukish1n

僕が会社に居た頃はCSの時期でRAW現像がままならない時代だったのですが以降もCAPTUREONEの現像の方が綺麗という話を聞いた事があります。比較したことはないですがソフトの値段が反映されるのはそういう部分ではないでしょうか。かつてのCaptureONEは大分値段張りましたね。

2011-02-18 00:33:19
鈴木心|写真家 @suzukish1n

最新のC-ONEではパース補正を現像段階でできる。というのは大きいです。しかもたった4点を配置するだけで自動で補正。そしてそのプロファイルを他の画像へ適用できます。無駄かもしれませんが、撮影しているプレビューをiphone pad アプリへ転送できるという機能もあります。

2011-02-18 00:36:54
鈴木心|写真家 @suzukish1n

ハッセルですが、僕はフィルム中判に仕様に関して変なこだわりがあって、のぞいた時に目で見た以上に綺麗に見えるカメラが良いと思っています。いままではその点ペンタ67II一筋でしたが(マキナは別腹)、ウェストレベルのハッセルをのぞいた時には久々にハっとしました。

2011-02-18 00:39:44
鈴木心|写真家 @suzukish1n

というのも迷信かもしれませんが、ハッセルのゆるやかなレンズ描写の所以は可視光以外も通すために実際の風景よりゆるく写る、というのをどこか信じていて、ファインダーでまさにその状態であり、しかもウエストレベルのアングルというのは生まれて初めてだったので新鮮さにも心躍りました。

2011-02-18 00:42:54