深田萌絵　500円 池田信夫ら が流布する「謝長廷駐日台湾代表の発言」にソースが見当たらない件。台北駐日経済文化代表処「蓮舫議員についてコメントしたことは一切ない」

流布している謝長廷 駐日台湾代表の「発言」

（「駐日台湾代表」とされているが正確には「台北駐日経済文化代表処代表」）

「我が国の国民（蓮舫）が日本国の国会議員になるなんておかしい！！これは国際問題だ！蓮舫は正真正銘の台湾人なのに、それを国会議員にした経緯を説明せよ、そして、日台間の条約を変更するのであれば正式に通達するべきだ！」
（「発言」ここまで）
深田萌絵公式ブログ
[逆襲のシャ（謝）　　蓮舫台湾地方呼ばわり台湾人激怒事件]
(http://fukadamoe.blog.fc2.com/blog-entry-3608.html)
（ここから引用）

後述しますが、これは「内政干渉」に該当する内容であり「大使館に相当」するとされる「台北駐日経済文化代表処」の代表が発言するとしたら、相当に不自然なものです。
この情報の拡散経緯・真偽について検証します。

結論から先に言えば「なかった」というのが謝長廷氏が代表を務める「台北駐日経済文化代表処」の見解です。

「台北駐日経済文化代表処」の「問い合わせ」フォームから問い合わせたところ、以下のツイートの画像の通りのご回答をいただきました。

[いただいた返信内容]
メールを拝見しました。
ご指摘のインターネットでの謝長廷駐日代表の発言については、全く根拠のない虚偽の情報であると回答いたします。謝駐日代表が蓮舫議員について、コメントしたことは一切ないことも付け加えさせていただきます。

台北駐日経済文化代表処
[返信内容ここまで]

明確に否定されました。

また「同様の問い合わせたをした二名に対しての返信」が、
「文面は同一」であり「返信は同日で時刻も極めて近い」
「定型化した文章によって回答される公式見解」と考えていいと思われます。

また、そもそも「謝駐日代表が蓮舫議員について、コメントしたこと」自体が、一切ないとされています。

否定情報について、台北駐日経済文化代表処公式サイトに掲載してはいかがでしょうか？と提案した件への回答。

[返信メール引用ここより（太字強調はまとめ人による）]
メールを拝見致しました。
台湾に対するご関心と思いがよく伝わってきます。度々のご提案、誠にありがとうございます。
　只、当代表処としましては、ネットサイトにおいて、台日関係を損うような虚偽或いは不適切な情報が流布していることは甚だ残念ではございますが、その都度に訂正情報を掲載するのは必ずしも妥当とは思えません。なによりも台日国民感情の良さ、そしてその信頼関係の厚さは、嘘の情報に惑わされることはないものと固く信じております。
　今後とも、台日友好関係の促進にご尽力頂けますよう、よろしくお願い致します。

台北駐日経済文化代表処
[引用ここまで]

否定情報を誰にでも見られる形で公開する意向はないようです。

お詫びと訂正。

1:
時系列を「@_500yen 500円氏のツイートが最初」との前提で、編集しておりました。
これは、このまとめの編集時に参照した500円氏のツイッターのアーカイブのタイムスタンプがカリフォルニア時表示であったところを、日本標準時表示であったと誤解するミスから生じたもので、全くの@relark の個人的な責任によるものです。

二次・三次、あるいはそれ以上の「次」流布者である500円氏を一次流布者であるかのごときまとめを発表したことにつきまして、500円氏に深くお詫び申し上げます。

また（現状、他に遡れるソースが見当たらないという意味において）一次流布者の深田萌絵氏を「Twitter以前に遡れない情報の二次的流布」を行ったかのように発表したことについて、深くお詫び申し上げます。

「デマ」「捏造」を批判的にとらえたまとめとして、根幹に関わる部分でこのような初歩的なミスによる誤報に至りましたことを、読者の皆様に深くお詫び申し上げます。

なお

• 「総合的に見て信憑性がない」との認識。
• 「万一、本当である場合」においては「その内容は明らかに日本国内の議員選出という全くの『内政』に対しての台湾からの『干渉』であり、それを喜々として賞賛する事にも問題がある」との認識。

の、二点について、変更はありません。

また、下にこの件に関しての大幅な編集を加える前のアーカイブを付記させてきただきます。

2:
タイトル、また、内容の一部において「謝長廷」氏を「謝長延」氏と誤記しておりました。謝長廷代表に大変失礼な誤記であり、謝長廷氏に深くお詫び申し上げます。また、読者の皆様にも深くお詫び申し上げます。既に訂正済みであり、他の内容に変更はありません。

「ソース」として拡散していく物として、代表的なのはこの三つ。

結論から言えば、この中で一番「古い」のは「深田萌絵公式ブログ」です。他2つを挙げる事は「深田萌絵のソース」になりません。
「KSM WORLD」は「深田萌絵公式ブログ」ソースであることが確定であり
「500円」は、そのどちらかをソースとした可能性が高いです。

深田萌絵 本人公式ブログ

FC2ブログのタイムスタンプは自由に変えられるとのご指摘をいただきました。
ただし「KSM WORLD」が深田萌絵公式ブログをソースとしていることから、時刻がズレるにしても、このまとめで取り上げた3者中での「順番」は不動となります。
また、ブログ記事のタイムスタンプの1分後に、記事リンク付きのツイートを深田萌絵自身がしていることから、ほぼ同じ時刻に記事が投稿されていると考えて差し支えないと考えられます。

KSM WORLD 真実を追究する

という、タイトルのブログと、その「動画」
KSW WORLDなるブログは2つあります
使い分けがどのようにされているかはわかりません。

上に置いた物だけ、上記「深田萌絵公式ブログ」よりの引用であると明記。
もう片方は動画へのリンクのみで、引用であることを明記していません。

500円のツイート

深田萌絵公式ブログ
[逆襲のシャ（謝）　　蓮舫台湾地方呼ばわり台湾人激怒事件]
(http://fukadamoe.blog.fc2.com/blog-entry-3608.html)
（ここより謝代表の発言とされる物を引用）
「我が国の国民（蓮舫）が日本国の国会議員になるなんておかしい！！これは国際問題だ！蓮舫は正真正銘の台湾人なのに、それを国会議員にした経緯を説明せよ、そして、日台間の条約を変更するのであれば正式に通達するべきだ！」
（引用ここまで）

つまり500円と深田萌絵のブログの「発言」との間で違いは「！」が入っているだけです。

ここまで「見つからない深田萌絵以前のソース」を含めた情報の「流れ」をまとめるとこうなります。

• 引用が明言されているので「『KSM WORLD』は『深田萌絵公式ブログ』がソース」
• 「『深田萌絵』以前の共通ソースより『500円』『深田萌絵』が引用」はあり得る。
  （ただし、その「共通ソース」は見つからない）
• 「『深田萌絵』『500円』以前の共通ソース」がある場合でも、それが外国語（たとえば、台湾の報道です）で書かれた物をそれぞれが別個に翻訳した場合、ここまで言い回しが一致することは考え難い為「共通ソース」から書かれたのであれば、それは日本語の情報であると考えられる。
• 記事作成時刻から「『深田萌絵公式ブログ』『KSM WORLD』が『500円』の情報源」はあり得る。

時系列でまとめれば、この順番となります。

深田萌絵の捏造でないならば「何らかのソース」があるはず。
↓
「深田萌絵公式ブログ」の2016年09月13日 17時24分の記事
（タイムスタンプは変更可能だが「KSMWORLD」がこのブログをそをソースとするため、順番は不動。9月13日22時42分よりは前。タイムスタンプが過去に遡ってまで自由に変えられる場合、17時24分より更に前の可能性も否定はできないが、内容的に蓮舫が台湾籍も有する事が発表された9月13日午前より遡る事はない。また、深田萌絵自身が17時25分にTwitterで記事の告知をしていることからして、大きくは異ならないと考えられる）
↓
「深田萌絵公式ブログ」をソースとした
「KSM WORLD」の2016年9月13日22時42分の動画付き記事
↓
「深田萌絵公式ブログ」「KSM WORLD」もしくは「深田萌絵と共通の何らかの日本語の情報」をソースとした
「500円」の2016年9月14日 03時28分 のツイート

このように「深田萌絵が何をソースとしたのか」が不明であり、大変「信ぴょう性が低い」状況にあります。

「発言」内容に関しての疑問。

• 1：国交がない台湾と日本国の間に「条約」があり、それに沿った「通達」がされるという状況の不自然さ。
  「『何条約』の『何条』の『何項』を根拠とするのか？」を問うのは頭の悪い小学生が「『何時』『何分』『何秒』『地球が何回、回った時ィ』」を問うのとは全く別のレベルの話であるというのは当然ではないでしょうか？

• 2：「『A国』の国籍を持つ者『甲』が『B国』の国内法規に従って国会議員となった場合。『A国』が『甲』が『A国の国籍』を持つことを理由に『B国』に対して何らかの干渉を試みるのは『自国政治家の選出ルールを定めたB国』に対しての内政干渉である」
  Aが台湾。Bが日本。甲が蓮舫であることが理解できない人の為に、そう書いておきます。
  逆に考えましょう。「『台湾で』『日本国籍と台湾籍を持った人が』『台湾における合法的な手続きにおいて』『国会議員になった』場合に、日本の外交筋から、そのことを批判する」という状況は「台湾における国会議員の選出という、全くの内政プロセスへの日本の介入」です。
  それを「日本がされた場合」に喜ぶと言うのは、いささか、自国の独立性を軽視しすぎていないでしょうか？
  更に実例を挙げればアルベルト・フジモリ氏がペルーの大統領であった時に、日本政府がペルー政府に対して、フジモリ氏が日本国籍を有する事を理由に、日本にフジモリ氏の退任を迫ることが出来たでしょうか？ハッキリ言えば「不可能」です。
  （当時、フジモリ氏が二重国籍であることは広く知られていなかったので、これも仮定の話になりますが）
  率直に言って「愛国的」なツイートで大変に人気のある500円氏、そのフォロワーの皆さんが、これを喜び、内政干渉に対して一片の怒りも抱かず、多くは賛意で大量のRTがされている事実にこそ、まとめ人は驚愕しております。

実際に台湾系メディアで報じられている「対応」

「中央社フォーカス台湾」は台湾の国営通信社「中央社」の日本語サイトです。

1：
蓮舫が「台湾が国ではない」と発言したという台湾メディアの報道。
2：
「1」を受けて野党議員が台湾政府に「抗議するよう謝長廷代表に訓令を出すべき」と主張。
3：
「2」に対して外交部長（外相）は「謝代表が適切な処置を取る」ので訓令は必要ないと認識を示す。

「台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表」が「流布されているような発言をした」報道が存在しないどころか「なんらかの行動を取った」記述すらないため「謝長廷駐日台湾代表の『発言』のソース」以前の問題です。

記事のタイムスタンプは9月14日11時51分。
9月13日夕方の「深田萌絵」の記事よりもかなり時間が経っており「通達」などという「表に出ていないとおかしい」手法を取っていた場合に、台湾系のメディアが報じていないというのは不自然だと考えられます。

「当事者」サイト2つ