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funkastic_8er
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【ON vs 8uppers】 1 光と闇は 表裏一体 正反対のもののようでいて その実それは 常に隣合ったもの ────例えば俺達みたいに 追う者と 追われる者 いつか交わる運命 #ONvs8 pic.twitter.com/d3P6k7VGcD
2016-09-13 22:22:49

2 《東海林!集まれ!》 その声で 俺のテンションが一気に上がる 「っしゃ・・・」 立ち上がって 皆の集まるガンさんのデスクへ 「どんな事件すか?」 腕時計を直しつつ 前のめりで尋ねると 《ん・・・正確に言うと 事件はまだ起こってない》 『は?』 #ONvs8
2016-09-13 22:23:29
3 《今回の任務は護衛だ》 「な・・・そんなもん 警護課の仕事でしょうが!?」 《まぁ・・・通常はな?》 「じゃあなんで・・・」 眉間にシワを寄せていると 俺の後から ひょこっと顔を出した藤堂が 『通常ではない何かが あるという事ですね?』 #ONvs8
2016-09-13 22:23:51
4 「な・・・」 《そーゆうことだ。 護衛自体は大した案件じゃないんだが この所、要人の連続失踪事件が続いていてな・・・ それと関連があるのではと言うことで 警護課との合同任務になったんだ》 「なるほど・・・」 『それは・・・興味深い』 #ONvs8
2016-09-13 22:24:08
5 いつもの調子で食いつく藤堂に 軽く舌打ちしていると ガンさんから対象の資料が配られた 《対象は、都議会議員の八幡氏。 先日自宅に脅迫状が届き警護の依頼が入った》 「へぇ・・・連続で失踪してるのが こいつの所属してる会派の連中だから、事件性があると・・・」 #ONvs8
2016-09-13 22:24:41
6 『対立会派の妨害でしょうか?』 《さぁ・・・まだ詳細は不明だ しかし、関連があるとすれば 早期解決が必須 倉島と清水は周辺の聞き込みを 藤堂は申し訳ないが内勤で情報集約を 東海林は警護課と一緒に 警護にあたってくれ》 『「はい」』 #ONvs8
2016-09-13 22:25:35
7 ガンさんの号令とともに それぞれバラバラに動き出す 俺も警護課との現地集合へと その場を離れようとしたら 『東海林先輩!待ってください!』 藤堂が引き止める声がして 「なんだよ・・・出遅れるじゃねーか」 『まぁまぁ』 そう言いつつ 何かガサゴソ #ONvs8
2016-09-13 22:25:58
8 『これ!持っていってください!』 手渡してきたのは 例の七味 「・・・は?なんで?」 半ば強引に押し付けられたそれを 手のひらで転がしてると 『なんとなく嫌な予感がするので お守りと思って持っててください』 なんて 「そーゆうこと、普通言うか?」 #ONvs8
2016-09-13 22:26:16
9 『普通がどうかは知りませんが とりあえず・・・なんとなく』 至って真面目な顔に 思わず吹き出して 「なんとなくなw」 それを胸ポケットに入れて背を向ける 『気をつけて』 「はいはい」 俺は適当に返事して そのまま駆け出した #ONvs8
2016-09-13 22:27:15
10 向かった先は 対象となる八幡代議士の事務所 「東海林です。宜しくお願いします」 他にならって挨拶してから 警護課の班長がそいつに 警護内容を説明してるのを聞いた 基本対象には警護を2人つけ その他建物出入りに人員を配備する ・・・まぁ、無難なプラン #ONvs8
2016-09-13 22:28:11
11 それでもそいつは 納得のようで むしろ 《いやはや・・・大変申し訳ない 私なんぞの警備を こんなに手厚くしていただいて・・・》 ものすごく腰が低い (ふーん。おエライさんのくせに こんな下手な奴、珍しいな・・・) なんて思っていたら #ONvs8
2016-09-13 22:28:34
12 〈なお、こちらの東海林巡査は 捜査1課の者でありますので 例の失踪事件について 何か思い当たりましたら 情報提供願います〉 あ!俺か!! 「宜しくお願いします」 《八幡です。こちらこそ どうぞ宜しくお願いします》 そんなこんなで 警護は始まった #ONvs8
2016-09-13 22:28:53
13 警護をしているうち 休憩以外はほとんど八幡さんの傍にいるせいか、やけに親しくなった。 《そうですか。東海林君は31歳 若いのにしっかりしていらっしゃる》 「そうですかねぇ 周りからは落ち着きない って言われますけど」 《へぇ、意外ですなぁw》 #ONvs8
2016-09-13 22:29:13
14 なんでも 俺と同い年の娘がいるらしく 《こんなにしっかりしてないですよ》 思い出してる表情は 温厚な父親そのものだった それを見てると 素直に思う 「大丈夫じゃないですかね? 父親があなたのような人なら、娘さんも・・・社会ではまともだと思いますよ」 #ONvs8
2016-09-13 22:29:42
15 《そうだといいんですがね・・・》 なんて話をしていたら 別の警護の奴が来て 〈東海林巡査、これから先生をご自宅まで送ります 我々が確認しながら誘導しますので 身辺をお願いします〉 と告げる 「了解しました」 俺は頬を叩いて 気持ちを切り替えた #ONvs8
2016-09-13 22:30:12
16 慣れないながらも周囲を警戒し 先生を車に乗せる 《狂言だったのかな?》 隣で呟くから 「まだ始まったばっかですよ」 俺はそう答えたんだけど・・・ ───そんな日がしばらく続いたが 何も起こらなくて いよいよ狂言・模倣の 可能性が高くなってきた #ONvs8
2016-09-13 22:31:03
17 「本日いっぱいで 任務はいったん解除です」 俺がそう告げると 八幡さんは済まなそうな顔をした 《いや、ほんとに申し訳ない 時間を取らせて・・・》 「そんな事言わないでください 狙われない方がいい事なんすからw」 《確かに・・・それもそうだw》 #ONvs8
2016-09-13 22:31:37
18 空気が和んで 2人で笑って しばらくしてから 「じゃあ、俺、ここで」 《あぁ、ありがとう》 軽く会釈してから部屋を出る そして、通いなれた階段を下り 夜中待機してた玄関ホールを抜け いよいよその家を出ようとした時・・・ 《東海林くん!》 #ONvs8
2016-09-13 22:31:47
19 その声に慌てて振り返ると 息を切らした八幡さんが・・・ 「どうしました?」 そう聞くと 《あ・・・》 何かを言いかけて でも すぐ口を閉じ俯いた しばらくの沈黙・・・ その後にようやく顔を上げると 《いや、なんでもない!》 って #ONvs8
2016-09-13 22:32:39
20 《今度、仕事抜きで飲もう うまいのご馳走するからw》 「あ、はいw」 《じゃあ》 すると何事も無かったように また部屋に戻っていって 俺は気になりながらも その屋敷を後にした・・・ #ONvs8 pic.twitter.com/ZFOgere9ZI
2016-09-13 22:32:55

21 とはいえ 家に帰る気分にもなれず なんとなく捜一に顔を出した するとそこには 暗い中でパソコンをいじってる 藤堂がいた 「気味の悪ぃな・・・ 電気くらいつけろよ」 声をかけるとビクッと慌てて 『あ!東海林先輩! いたんですか!?』 だってよw #ONvs8
2016-09-13 22:33:53
22 「・・・いちゃ不味いのか?」 『や、そーゆうわけではありませんが・・・』 「ったく・・・」 途中で買ったコーヒーに口を付けつつ 藤堂のPCを眺める そこには八幡さん含め 失踪した人間の プロフィールが並んでいた 「なんかわかったことあんのか?」 #ONvs8
2016-09-13 22:34:19
23 すると藤堂は 大きな目をこれでもかと見開いて 『そうでした! ちょっと気になることが・・・』 そう言うと いつもの汚い絵が書かれた手帳を バラバラと捲って 『あったんですよ!共通点!』 「共通点?」 『はい!失踪中の方々と 八幡氏の共通点です!』 #ONvs8
2016-09-13 22:34:45
24 藤堂はプリントアウトした資料を俺に渡しつつ 『失踪したのは全て、〇〇地区の再開発計画に反対していた議員ばかりで・・・八幡氏もその1人です』 「再開発ねぇ・・・そんだけ?」 『今のところ・・・』 「ふーん・・・」 その程度じゃ 動くには材料が弱いな #ONvs8
2016-09-13 22:35:03
25 そう思いつつパラパラと資料を見ていると 「・・・ん?」 思わず1枚の写真に手を止める 「藤堂・・・これは?」 すると藤堂はひょこっと覗き見しつつ 『あぁ、これは今、再開発エリアの真ん中にある養護施設で・・・買収計画が進んでない所らしいです』 #ONvs8
2016-09-13 22:35:20