安倍晋三首相と「オリンピックの政治利用」問題について　《山崎雅弘》

山崎 雅弘 @mas__yamazaki

スポーツは、国民の日々の不満を政権批判に向かわせずに脇へ逸らすガス抜きや、国家体制への帰属意識を強める思想教化など、政治権力者にとっては利用価値の高いもので、それゆえ旧ソ連などの共産主義国や独裁国はこれを最大限に利用してきた。現政権が、東京五輪に異様な熱意を注ぐ理由もそこにある。

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「今回の東京セレモニーは日本が民度の低い前近代的独裁国家であるかのようなイメージを世界に振りまいていしまったといってもいい」（リテラ）bit.ly/2bklz8C「安倍首相は自民党総裁の任期を延長して、東京五輪まで首相を続けることを狙っている。側近の萩生田氏（組

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（続き）織委理事に送り込まれた安倍首相の側近中の側近、萩生田光一内閣官房副長官）が動いて、安倍首相に閉会式の主役をはらせ、それを既定路線にしようと考えたんじゃないでしょうか（全国紙政治部記者）」「スーパーバイザーの佐々木宏氏（元電通の有名CMディレクター）や椎名林檎もこうした安倍

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（続き）周辺の意向を率先して取り入れていった気配がある。安倍首相の登場以外でも、今回のショーでは、やたら日の丸が出てくる、国威発揚、国家主義的演出が露骨だったが、これはおそらく、政権の空気や国旗・国歌にこだわる森喜朗会長の意向を汲んだ結果だろう」権力基盤強化に五輪を利用している。

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政治権力者から見た東京五輪の効能【１】国が国民に無料で供与する現実逃避の精神的麻薬【２】五輪利権に絡む企業や大手メディアの政権批判封じ【３】五輪開催費という名目で正当化される莫大な公金出費【４】五輪対策という名目でなされる国民の自由と権利を制限する法改正【５】自らの権力基盤の強化

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内閣支持率62％に上昇　本社世論調査（日経）s.nikkei.com/2bKlWwK「安倍晋三首相が閉会式に出席したリオデジャネイロ五輪が盛り上がり、４年後の東京五輪への期待が政権の追い風になった可能性がある」ＮＨＫを中心に大手メディア総動員でリオ五輪のお祭りムードを煽りに

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（続き）煽った上で、閉会式に首相を登場させる演出の効果は絶大だが、その宣伝費は全部税金。「『東京五輪まで安倍首相』59％」（日経）s.nikkei.com/2bT3dQ9　政治権力者による五輪の政治利用は、五輪憲章からも逸脱する行動だが、批判する大手メディアは見当たらない。

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背広の襟には議員バッジを着けていた。一人の政治家がオリンピックを政治利用したという点では史上二度目。一人目がナチスドイツを率いたアドルフ・ヒトラーであった（Hunter）bit.ly/2bxqwOp「しかし一人の政治家が閉会式のパフォーマンスで主役となったケース

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（続き）は五輪史上皆無。国威発揚を狙ったヒトラーが登場したのは開会宣言の時だけ。アスリートを差し置き、閉会式ではしゃぐようなマネはやっていない」「閉会式パフォーマンスが、安倍個人の宣伝であったことは確かだろう。出演したアスリートたちの名前は紹介されなかったが、安倍だけは特別扱い。

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（続き）画面を見れば一目瞭然だ」「肩書や名前を表記した上、ストーリーの主役に仕立てている。まるで自民党の選挙ＣＭ。安倍の宣伝以外の何ものでもあるまい。五輪を政治利用したことは明らかであり、公費を使った分、悪質と言わざるを得ない」 pic.twitter.com/nQzTasbbil

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安倍晋三首相とその周辺が「都市」でなく「国家」の行事として東京五輪に執着する様子を見ると、21世紀にふさわしい五輪を開催することよりも、1940年に開催できなかった東京五輪を80年後の2020年に「成就」したいのかと思う。戦前戦中のやり直しと捉えると、いろいろな言動の辻褄が合う。

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1940年に開催できなかった東京五輪を80年後の2020年に「成就」し、前回勝てなかった中国に「今度こそ勝ちたい」という戦前思考の延長で国の舵取りを行っているなら、五輪を国威発揚の場と認識するのも、外遊のたびに「中国への対抗」を打ち出すのも自然な展開だろう。全く未来志向ではない。

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ヒトラーが姿を現したのは自国の五輪会場だったが、安倍晋三首相は自国と違う「前回大会の閉会式」に現れた。東京での開催は決定済みで、開催都市間の引き継ぎは都知事がやるので首相は必要ない。必要ない行事に現れた理由は、東京五輪と「安倍首相」のイメージを重ねて印象づける政治宣伝でしかない。

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誰のために、何のために五輪を催すのかを考えた時、リオ五輪閉会式に安倍晋三首相が登場したことに強い違和感を禁じ得ない（琉球新報）bit.ly/2bUUGdZ「五輪は政治から独立する。あくまで主役は選手で、国は開催都市を支える側に立つ。五輪憲章は政治的な宣伝活動を禁

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（続き）じており、次回開催国の最高首脳が閉会式に堂々と登場した例はない。安倍氏には、東京五輪を現職首相で迎えたいという思惑があるとささやかれている。スポーツの政治利用の批判は免れない」「当初７千億円とされた開催経費が２兆円を超えるとの見立てもある」「東京五輪が直面する課題は山積」

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リテラの“安倍マリオ”批判に産経が「日本人なら水を差すな」！ NHKは「東京五輪で国威発揚」と戦前回帰丸出し（リテラ）bit.ly/2bCPwXa「オリンピック憲章にはこんな条文がはっきりと書かれている。〈スポーツと選手を政治的または商業的に不適切に利用すること

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（続き）に反対する〉」「事実、これまで閉会式のショーに次期開催国の国家元首や大統領、総理大臣が主役として登場したことなど一度もない。しかも、安倍はたんにショーに出演しただけでなく、明らかに政治目的でそれを仕掛けていた」「NHKは、『国威発揚』を『五輪のメリット』として報じる意味を

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（続き）理解しているのだろうか。これは、1936年、ナチスドイツが総力をかけて臨んだベルリン五輪、そして1940年にナチスドイツの同盟国である大日本帝国が招致を勝ち取った“幻の東京五輪”と、まるっきり同じ発想なのである」「“幻の東京五輪”が、80年の時を経て本当によみがえる」

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この幻の東京五輪は、ベルリン大会の翌年に日本が日中戦争に突入したため、開催権を返上することになるのだが、当時の新聞社説を読むと、戦中日本が五輪をどのように捉えていたかがわかる（リテラ）bit.ly/2bCPwXa「〈光輝ある皇紀二千六百年に大會を招致し、スポーツ

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（続き）を通じてわが國體の精華とわが國民、わが文化の眞價値とを、廣く世界に理解せしめることは、最も有意義な企てとして、國民は等しくその成功を希望したのであつた。〉（1938年7月15日付読売新聞）」「見ての通り、その目的は『わが国民の優秀性』『国体の精華』『わが国民、わが文化の真

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（続き）価値』を世界に発信すること。ここに見えるのは、五輪は政治の道具でしかないというスポーツマンシップの欠如と優生学的思想、政府が挙国一致を強要する全体主義体制」「それから80年後、日本政府とマスコミは、このときの戦前戦中丸出しの価値観で五輪を迎えようとしている」

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おときた駿「そもそも森喜朗氏が五輪組織委員会に就任したのは、2014年1月14日。猪瀬知事が退任されたのが2013年末で、舛添知事が誕生したのは2014年2月です」（HP）huff.to/2bRG3Ym「見事なまでに東京都の政治的リーダーが不在の期間にブラックボッ

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（続き）クスの中でこれほど重要な人事が行われました」「そして、不可解な形でスピード辞任に追い込まれた猪瀬知事こそが、『組織委の人事は東京都とＪＯＣで決める』『森元首相の話はどこから出たか知らないが、全然議題に上がっていない』と、誰よりも強く森喜朗氏の会長就任に反対していたことは、

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（続き）以前にもブログで詳述した通りです」「小池百合子知事は民意が、われわれ都民が選んだリーダーですが、森喜朗会長は民意によって選ばれたトップではありません」「そしてオリンピック・パラリンピックは、国でも組織委員会でもなく、開催都市が中心となって行われる『都市の祭典』です」

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２０２０年東京五輪・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長は２２日、リオデジャネイロで取材に応じ、前夜のリオデジャネイロ五輪閉会式での安倍晋三首相のサプライズ登場は、組織委の森喜朗会長の発案だったことを明らかにした（毎日）bit.ly/2cbSnmz