青木保『「日本文化論」の変容』読書メモ集

青木保『「日本文化論」の変容――戦後日本の文化とアイデンティティー』(中公文庫、1999)の読書メモをまとめました。
1
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「日本の近代を通して「拝外」と「排外」という二つのサイクルが回転しているが、自文化のみならず異文化に対しても、異国人に対しても、人は平静ではいられない」(青木保『「日本文化論」の変容』)。うまいこというな。

2016-09-14 11:01:34
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

青木保『「日本文化論」の変容』読了。ザ・名著。ベネディクト『菊と刀』から始まる日本文化論の細かな案内にして、日本文化論の系譜に関する立派な史論でもある。否定的特殊性→歴史的相対性→肯定的特殊性の変遷は、戦前の日本主義研究にも役立てそう。200頁超えないコンパクトな記述にも好感。

2016-09-14 11:10:50
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

加藤周一の雑種文化論は、一日本文化論でありながらメタ日本文化論としてもそれなりに、というのは個人的に嬉しかった。又、外人による「日本叩き」で表象される(日本は特殊だからスゴイ系と同じくらい)雑な日本像を介すると、『菊と刀』の文化相対主義的な立場が再評価できる、というのにも肯く。

2016-09-14 11:16:28
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

私は左翼なので、いま流行りの日本スゴイ系TV番組とか、キモッとか思っている訳だが、他方、ガリバー旅行記的な外人から見た日本像がもっと出てくる機会になるのなら、そんなに悪くないのかもな、とも思っている。大事なのはそれが正しいか否かじゃなく、そういう風に見える視点が存在するってこと。

2016-09-14 11:21:22
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

具体的にいうと、日本スゴイ系番組と「ここがヘンだよ、日本人」の中間くらいものがもっとあるといいのかな、と。

2016-09-14 11:26:38
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

ナショナリズムが「日本」や「日本人」を割と雑に表象するのはよく知られていることだが、その対抗のように出てくる(Twitterとかでも外国にお住まいの日本人がよくしてる)「日本叩き」も同様の雑さを抱えてしまう、というのは結構大事な指摘だと思う。

2016-09-14 11:41:35
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

にも拘らず、私は日本の特殊性が全くないとも思わないので、そのへんの論じ方っていうか、バランスっていうか、とても難しいとは思う。とはいえ、やっぱり日本礼賛or日本叩きって選択肢が貧しすぎなのはそうであって、いや、それってどっちもお前ら日本好き過ぎだろ、っていう話。

2016-09-14 11:44:27