なかむらけんじさんによるSDレビュー2016のレビュー

なかむらけんじさんによるSDレビュー2016のレビュー
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中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

SDレビュー2016のレビュー。思ったこと素直に。(備忘録)

2016-09-19 16:28:02
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

擁壁と屋根/対行政住宅(DOG)は、丘陵地などにおける擁壁主体で造成された宅地開発に対する新しいアプローチ。宅地のリノベーションとも言うべき可能性が見えた。ただ、それらを「対行政」へのポジティブなアプローチとして押すのはちょっと勿体無い気もした。

2016-09-19 16:33:10
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

対行政というテーマで、非常に可能性のあった敷地(絶妙な法的訴求の回避)とも言えるものは立地における特殊解ではあったものの、実際にやっている取り組みはどこでも変容できそうな普遍性を持っているし、もっと言えば行政都合がなくとも評価されるべき作品だったと感じた。おもしろかった。

2016-09-19 16:36:15
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

裏と「オモテ」と境界(1-1 Architects)は、木造リノベので階を増やすことによって新たな価値を生み出している。そもそも切り妻屋根の瓦葺は、適切な屋根勾配によって住居部分に不不釣合いなほどの容積を持っている。

2016-09-19 16:41:28
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

これまでも屋根裏はロフトや部分的な2階として使われることは多々あるものの、フルに活用しようという点が新しかったようにも思う。水彩画と明快な模型でまとめられた展示ユニークだった。

2016-09-19 16:43:05
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

House N(矢野建築設計事務所)は農家の住宅だが、ラチスによる垂直水平のフレームが美しく見えた。農村地域では、軽量鉄骨などの作業小屋もあったりするし、材料選定という意味でも好感がもてた。もっと他にもラチスのモチーフが展開できそうな気がした。

2016-09-19 16:47:50
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

二層吹抜けのようなプランも軽快に見せていて、たちあらわれ方が気になった。ラチスは使い方や色によって異様にチープに感じることも多く、ディテールが勝負かもしれない。

2016-09-19 16:49:34
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

農家住宅の分筆(kishi, yasuda architects)は、リノベーションして、2世帯で住むということだが、安易な分筆に対する懸念が根底にあり、あまり税法上の扱いなども詳しくないのだけども、これまで宅地として分割されてきた経済的側面を覆して行うべき低密度化への根拠...

2016-09-19 16:59:37
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

というか説得力がやや欠ける気がした。人口減少、固定資産税の話はなんとなく認識しつつも、高密化して部分的に公園やまちにひらかれた空白を作る場合と比較してより良い選択となり得るかだと思う。結局民間のだれかがそも空白を管理しなければならないわけで、ゆるやかに低密度にあるのがよい...

2016-09-19 17:02:41
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

という結論はすごく共感できる。それを連続させ、まち全体に連鎖した姿が見えにくい(現実性に欠けるような気がした)のはちょっと望みすぎだろうか。

2016-09-19 17:04:31
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

おおきな家(針谷將史建築設計事務所)は、ほんとうに大きな家。パッと見たら「あ、森山邸みたいなやつか」と思ったら1世帯想定のようで驚いた。というか、シェアハウスや、過去に畝森さんが入賞されていた案のような、町のひとつの作り方でもよいように見えてきて、作品の評価意外に思考が働いた。

2016-09-19 17:09:00
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

大きな屋根と小さな屋根のある庭 (小川錦織一級建築士事務所)は2つの並んだ分譲地を2世帯住宅として連結させるという計画。分譲宅地1つでは 窮屈な庭や採光条件も、2つでならより豊かにできる。

2016-09-19 17:13:09
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

前述した「農家住宅の分筆」と非常に対比的に見えて、工夫の仕方でうまくやれることがこちらで証明されたような気もした。

2016-09-19 17:18:32
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

僕には「おおきな家(1世帯)」「農家住宅の分筆(異なる(?)2世帯)」「大きな屋根と小さな屋根のある庭(家族2世帯)」が連続してつながって見えて、血縁関係によらずも、土地の所有や共有という概念の可能性が見えたような気がした。

2016-09-19 17:22:12
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

だぶるすきんの家(佐藤 信)は、新しい窓の模索とも言える。住宅において採光とプライベートなエリアの視線をさえぎることの葛藤が永遠のテーマであるのだけども、新しい可能性が提示されたような気がした。

2016-09-19 17:26:42
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

ただ、結果的に見えるまちへの顔作りとして、妙な違和感を生まないかということと、ダブルスキンの幅の適正さについては議論が必要だと思う。特に後者は、旧来日本の伝統的な「縁」を縮小化したようなもので、アクティビティ/バッファを削ぎ落とした経済主義的なアプローチと受け止められなくもない。

2016-09-19 17:29:38
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

筋交いが結構入っていてアウトフレーム的で中が多少なり開放的だろうと思えるのだけど、思いの外中のプランが開放的に見えないというこちらの勝手な期待に反する感じ。むしろより積極的に水平力を負担しながら、人が活動できる場としてアプローチするほうが可能性あるかも思うのは、欲張りだろうか。

2016-09-19 17:33:55
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

大地の家(畑友洋建築設計事務所)は、果敢に21世紀型ドミノシステムを提案している。いろんな歴史の参照も見受けられ、「これは壮大な卒業設計だ」と感じてしまったほど。

2016-09-19 17:38:50
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

ただ思うのは、コルビュジェのドミノが環境性や開放性、自律性を放棄していたかといえばそうは思わない。形が違うだけで、それはもはや旧来のドミノとそこまで変わらないと言えるのかもしれない。ドミノにはインターナショナルスタイルの普及や分かりやすい教科書的概念があって...

2016-09-19 17:41:23
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

その分かりやすさこそが重要だとも思うのだけど、この案は高度化/複雑化しつつドミノ的に単純化を試みている点がおもしろい。説得力もあるし、みていてもっと読みたくなるが、小難しくもある。現れた建築のオルタナティブ(高層案)にはやや海外建築家的な既視感もあるが、とにかく密度が評価できる。

2016-09-19 17:47:30
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

瀬戸内の海の駅舎(ビルディングランドスケープ+SLOWMEDIA)はとてもスケール感のよいスロープ回廊型の建築。スロープ勾配と呼応する屋根や全体のデザインが素直できれいで好感が持てた。

2016-09-19 17:52:24
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

「全てが道端のような」というコンセプトもよく理解できるが、焼杉という地域に親しまれる外壁材の強さのせいか、開放的なのに容易に屋内的だと感じてしまう。これも最後のディテールまで大事になりそうなプロジェクトだと思ったが、建築が実際に立ち現れ、使われるところを見てみたい。

2016-09-19 17:55:57
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

呼応する場所(SUPPOSE DESIGN OFFICE)は、引き違い窓という住宅のコンテクストとりいれる点が特徴だが、重要なのは違い窓の寸法やスケールで、一層につき窓を2段配置することですけーるだうんしている。模型では3階建なのに7階建に見えるほど。

2016-09-19 18:00:06
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

ぱっとみてスケール感が伝わりにくいので、これも実際に見てみないとわからないのだけど、むしろ周囲の建物との関係性で異様な立ち現れ方をすると思う。

2016-09-19 18:01:16
中村憲治 / Kenji Nakamura @Ken_ji_Nakamura

八千代の宅幼老所(山﨑健太郎デザインワークショップ)は、展示では「52間の縁側」というタイトルになっていた。直線的で伸びやかで、介護系施設としては圧倒的な明るさがあり、運動したくなりそうな空間だった。とにかく気持ち良さそうだった。

2016-09-19 18:06:51