「『その日暮らし』の人類学」 小川さやか

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GMBO2008 @GMBO2008

Anthropology of "Living for Today

2016-09-10 17:33:57
GMBO2008 @GMBO2008

零細商人たちは、自分たちのあいだで成功者が生まれる事態は--もちろん妬ましいが--受け入れる。なぜなら、零細商人がたとえ成功者の出現により取扱商品を頻繁に変更する必要に迫られたとしても、彼らの存在・商売のしかた自体は脅かされないからだ。 「『その日暮らし』の人類学」 小川さやか

2016-09-16 23:40:37
GMBO2008 @GMBO2008

たが、彼らの存在・商売のしかた、自律的な経済領域それ自体を脅かし、彼らを低賃金の労働者として雇用しようとする企業に対しては、インフォーマルセクター従事者が営業許可の取得を無視したりするときと同じく、受け入れない。 「『その日暮らし』の人類学」 小川さやか

2016-09-16 23:45:20
GMBO2008 @GMBO2008

路上商人たちはフォーマルな商店主となっても、インフォーマルな路上商人のときと同じく自律的かつ自由に商売をしている。個々が自律的に勝手気ままに動くことで、大商人や大家によって管理・統制されない「アナーキー」な市場・経済領域を維持・再生産しているのである。 『その日暮らし』の人類学

2016-09-16 23:52:59
GMBO2008 @GMBO2008

彼らに言わせれば、大商人や大家は自分たちに頼らざるを得ないのである。ここで面白いのは、彼らが熟議をしてルールを決めたり、組織化・団結したりせずに、個々が勝手にやることが結果として一つの経済圏をつくっていくことである。 「『その日暮らし』の人類学」 小川さやか

2016-09-16 23:57:26
GMBO2008 @GMBO2008

儲からない商売をみんなでやって何になる?みんなが食えなくなるだけだ。零細商売はあっという間に儲からなくなる。みんなで動こうとすれば、機会を逃す。誰かが動けば、道ができる。 「『その日暮らし』の人類学」 小川さやか

2016-09-17 00:01:45
GMBO2008 @GMBO2008

ばらばらに動けば、誰かは成功する。誰かが成功して団子状態から一抜けすれば、その分だけ誰かの余地が生まれる。動けるのに動かない人間は、ほかのみんなの余地を奪う。(古着商人、男性、20代後半) 「『その日暮らし』の人類学」 小川さやか

2016-09-17 00:06:32
GMBO2008 @GMBO2008

ここで(タンザニア人が中国で)サバイブするために必要なのは、「わたしだからこそ/わたしだけは」の信念と、対面する人びととのあいだで騙しや背信を織り込んだ「了解」「信頼」をいかに築くかにかかっている。 「『その日暮らし』の人類学」 小川さやか

2016-09-17 00:25:42
GMBO2008 @GMBO2008

騙しや背信を織り込んだ「了解」「信頼」を築くこと

2016-09-17 00:29:25
GMBO2008 @GMBO2008

彼らの信頼とは大胆な言い方をすれば、その時々の交渉により発現する、「誰も信頼しないことによる、誰にでも開かれた信頼」であり、どちらかといえば、「反コミュニティ的」なものである。 「『その日暮らし』の人類学」 小川さやか

2016-09-17 12:47:10
GMBO2008 @GMBO2008

約束を守ろうとする人が信頼できる人ではなく、騙しを含む実践知によりそれぞれの局面をうまく切り抜け、結果としてそのときに約束を守れた人が信頼できる人なのだから。 「『その日暮らし』の人類学 」小川さやか

2016-09-17 13:02:07
GMBO2008 @GMBO2008

つまり、信頼は取引をする前に存在する何かではなく、交渉の過程で互いに機微を捉え利害を調整し、お互いに「信頼」を勝ちとることができた結果として生まれるものなのだ。 「『その日暮らし』の人類学 」小川さやか

2016-09-17 13:04:50
GMBO2008 @GMBO2008

タンザニアの都市民の仕事に対する姿勢や態度は、生存の危機感のうえに成立している。生き馬の目を抜く中国に挑戦する姿勢にも、ある種のサバイバル意識が通底している。 「『その日暮らし』の人類学 」小川さやか

2016-09-17 13:20:08
GMBO2008 @GMBO2008

だが、「前へ前へ」の生き方は、危機に直面した不透明な世界でみずからを見失っている状態を意味しない。 「『その日暮らし』の人類学 」小川さやか

2016-09-17 13:25:40
GMBO2008 @GMBO2008

むしろ、ままならない他人や状況にゆだねるからこそ得られる喜びや苦しみがあり、それでも生きているという自身に誇りを、自分を生かしている社会的なものに確信を持っているように思われる。 「『その日暮らし』の人類学」 小川さやか

2016-09-17 13:26:43
GMBO2008 @GMBO2008

究極のLiving for Todayであるピダハンにも、タンザニアの人びとと同じく自信と余裕があった。生きているということだけを根拠としているような余裕と自信が。 「『その日暮らし』の人類学」 小川さやか

2016-09-19 13:53:43
GMBO2008 @GMBO2008

チョンキン・マンションは、対面的な関係こそが信頼できるすべてであるという理由によって、世界中から商人たちを引き寄せる。 「『その日暮らし』の人類学」 小川さやか

2016-09-19 13:56:29
GMBO2008 @GMBO2008

チョンキン・マンションも死ぬまでに一度は行ってみよう

2016-09-17 00:31:52
GMBO2008 @GMBO2008

携帯やSNSが対面的な関係に基づく信頼をどのように拡張しているのか、あるいは希薄化していくのだろうか、ということは気になる

2016-09-19 14:05:54
小川さやか @machingirl2011

@GMBO2008 たくさんつぶやいてくださり、ありがとうございます。

2016-09-18 09:44:59
GMBO2008 @GMBO2008

@machingirl2011 読みながら、気になったところをメモ代わりに抜書きをさせてもらっています。 この本も、twiterの中で知りました。 気づかされるところ、自分の頭の中を改めて整理させられるところの多い本です。 民博によく行くので、そういう親しみも感じています。

2016-09-18 11:40:13
小川さやか @machingirl2011

チョンキンマンションのアフリカ人の友人は、某高級ブランド店でスーツを試着して超クールな写真を大量に撮ったあと、「やば、カード忘れた」とかいって買わずに帰る。でもその写真をSNSやインスタに流すと、母国の人びとが彼を超大物だと勘違いし仲介業のお仕事を依頼してくる。ウジャンジャだ😝

2017-01-31 04:46:59
小川さやか @machingirl2011

でも彼の普段着は中国で購入したコピーだったり、露店で購入したアウトレットで、たったの50香港ドルのスーツなのだ。キュートすぎる。

2017-01-31 04:48:31
GMBO2008 @GMBO2008

ドキュメント72時間「香港 チョンキンマンションへようこそ」 - NHK 近未来都市・香港にある怪しい巨大ビル「チョンキンマンション」。迷路のような通路に両替所や飲食店がひしめき、100か国以上の人が行き交う巨大な人間交差点の3日間 www4.nhk.or.jp/72hours/x/2017…

2017-03-04 13:59:30
東方書店 東京店(神田神保町) @toho_jimbocho

【テレビ番組情報】 3/17(金)22:50~23:15、NHK総合 ドキュメント72時間「香港:チョンキンマンションへようこそ」 www4.nhk.or.jp/72hours/x/2017… 香港にある巨大ビル「重慶大厦」。様々な国の人が入り乱れて暮らす場所から共存のあり方を考える3日間

2017-03-04 09:51:12