αsynodos Vol.70より「Webronza問題-「科学」と「意見」を分けることの大事さについて-」 の感想及びメディアとInternetのズレについて

このまとめは、石戸諭氏( @satoruishido )がメールマガジン「αsynodos」( http://synodos.jp/mail-magazine )に寄稿した内容について、私が感じたこと、考えたこと、補足意見等をまとめてあります。 私は特に、Internet創成期から関わっているため、Internetのもつダイナミズムと、それがいかにNetizenを鍛え、育ててきたかを念頭に置き、それとの従来メディアとの「文化の衝突」を中心にまとめたつもりです。 メールマガジンを読んでいない人にもわかるような書き方をしたつもりですが、解らない点はお気軽に@で御質問くださればお答えいたします。
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@Tetsuro_S_Phil

http://synodos.jp/mail-magazine α-synodos70号・石戸諭氏「Webronza問題-「科学」と「意見」を分けることの大事さについて-」拝読しました。長文になりますが思うところを書きます。 @satoruishido

2011-02-19 02:08:29
@Tetsuro_S_Phil

承前)まず、前提になった記事。「「牛にもホメオパシー」~本場スイスのホメオパシー療法の現在」http://goo.gl/wb98f これに批判が集中、説明が行われました。 http://togetter.com/li/98454 @satoruishido

2011-02-19 02:08:37
@Tetsuro_S_Phil

承前)石戸氏は「ツイッター上の批判/webronza編集部の応答を読み、私が問題だと感じたのは一点に尽きる。編集部が「科学」と「意見」を混同しているように見えることだ。」という、結論の文章を最初に述べています。私も、この立場に与するものです。 @satoruishido

2011-02-19 02:08:49
@Tetsuro_S_Phil

承前)これまで多くの方々が何度も指摘してきたことですが、現在のマスコミやジャーナリストの情報提供力が疑問視されているひとつの原因は、「ストーリーと結論ありきで、それに見合う事実やデータばかり集めた記事」が目立つことだと考えます。 @satoruishido

2011-02-19 02:08:58
@Tetsuro_S_Phil

承前)私自身、取材を受けた経験から、相手方がある程度ストーリーを構成していて、それを確認するために取材をしているようだと感じたことは何度もあります。結果、記事となったものは、私の意図とずれ、ときには反対方向に解釈されていることもありました。 @satoruishido

2011-02-19 02:09:10
@Tetsuro_S_Phil

承前)取材中にはこちらが話す客観的データに基づいた話を聞いてもらえていない感覚を持ちますし、記事を読むと、一体何をしに自分のところまでやってきたんだ、そんなに私の言ったことは役に立たなかったのか、と不信感を覚えることもしばしばです。 @satoruishido

2011-02-19 02:09:17
@Tetsuro_S_Phil

承前)勘違いして欲しくないことは、あらかじめ主要な問題点はなにかを調べ、何を伝えたいのかを考えておく、それは悪いことではなく、むしろ当たり前だということです。私は、取材者側の事前の想定行動自体を否定するものではありません。 @satoruishido

2011-02-19 02:09:29
@Tetsuro_S_Phil

承前)ところが、この「想定行動」が行き過ぎるとどうなるか。想定行動が、取材者の意見を、十分検証せずふくらませたものであったらどうなるか。ここに、「科学」を「意見」が超越してしまうリスクが生じます。 @satoruishido

2011-02-19 02:09:38
@Tetsuro_S_Phil

承前)記事の書き手、取材の受け手、データ(統計や書籍等)、記事の読み手。大雑把にいってこの4つのアクターが、記事に対して何らかの影響を与えることができます(本来はもう少し複雑でしょうけれども)。 @satoruishido

2011-02-19 02:09:47
@Tetsuro_S_Phil

承前)この4つのアクターの中で、記事の発表を境目とすると、読み手のみが事後的にのみ力を発揮しうることとなります。記事の書き手及び取材の受け手は、事前・事後とも関わることができます。データは、基本的にパッシブなアクターです。 @satoruishido

2011-02-19 02:09:55
@Tetsuro_S_Phil

承前)この4者の中で、記事を発表するにあたって一番「強い」のは誰か。その答えは当然、記事の書き手にほかなりません。取材先の選択、データの選択、どれもが記事の書き手の裁量によって決められ、その解釈も書き手のみが自由に行い得るからです。 @satoruishido

2011-02-19 02:10:05
@Tetsuro_S_Phil

承前)そして、今なにが起こっているか。「ストーリーと結論ありきで、それに合う事実やデータばかり集めた記事」に対し、書籍やInternet等からの多種多様な情報に鍛えられ、目が肥えた読み手が、事後的ながらも批判を加えることが当たり前になりつつあります。 @satoruishido

2011-02-19 02:10:12
@Tetsuro_S_Phil

承前)そして、岩澤里美氏の当該記事 http://goo.gl/wb98f もまた、「ストーリーと結論ありきで、それに合う事実やデータばかり集めた記事」にあたってしまったのではないだろうかと考えます。以下、分解してみせます。 @satoruishido

2011-02-19 02:10:20
@Tetsuro_S_Phil

承前)結論:西洋医学も完全ではない。代替医療とてもそうであるが、スイスでは、ホメオパシーが「安全な代替医療」として定着しており、ホメオパシー由来の医療事故があっても衰退することはないであろう。 @satoruishido

2011-02-19 02:10:34
@Tetsuro_S_Phil

承前)ストーリー:代替療法の中で最も人気が高く、多くの療法士がいる。保険診療に組み込む動きもある。普及しているためマスコミの報道・書籍等が多数あり「正しく理解されている」。動物の治療にも使われている。「*記者自身*も効果を感じている。」 @satoruishido

2011-02-19 02:10:41
@Tetsuro_S_Phil

承前)データ:国民の3人に2人がホメオパシーを試した「という」子どもの患者の8割をホメオパシーで治している「という」小児科医の存在。ホメオパシーがADHDの症状を改善させた(誤り)「西洋薬よりも安全だから」家畜の治療にホメオパシーを使う。 @satoruishido

2011-02-19 02:10:50
@Tetsuro_S_Phil

承前)さて、この記事に対する批判を、石戸氏は3種類に分類しています。1.完全に誤った前提に基づく記事の掲載 2.ホメオパシーに縋る人が現れる危険性 3.webronzaの立ち位置に見合う記事かどうか @satoruishido

2011-02-19 02:10:57
@Tetsuro_S_Phil

承前)そこで石戸氏は、3.について懸念していて、疑似科学を興味分野としている私もこの点が気になります。本記事が「多様で有益な言論」であるかどうか。webronzaはこれを認めましたが、読み手の側もまた、これが是か非か検討する価値があるでしょう。 @satoruishido

2011-02-19 02:11:05
@Tetsuro_S_Phil

承前)本記事で見落としてはならないのは「書き手がそもそも客観的な立場に立っていない」ことです。岩澤氏はホメオパシーの効果を「信じて」しまっているから、取材を始め、記事を書き始めたそのときから、既述の「行き過ぎた想定行動」が始まっているのです。 @satoruishido

2011-02-19 02:11:13
@Tetsuro_S_Phil

承前)ここで、書き手・取材先・データ・読み手の4つのアクターのうち、書き手が一番強いという要素が絡んできます。岩澤氏はストーリーを作り、それに都合の良い取材をし、都合の良いデータを集めてしまった(データは誤りでしたが)。 @satoruishido

2011-02-19 02:11:22
@Tetsuro_S_Phil

承前)つまり、これまでマスコミが通用させてきた、まさに批判の対象となっている、ストーリーありきのやり方を用いて、確固としたデータに立脚することなく記事を書いてしまったのです。 @satoruishido

2011-02-19 02:11:32
@Tetsuro_S_Phil

承前)岩澤氏は、ホメオパシーが自分の役に立ったことから一度離れて客観的に事象を見つめ直し、ホメオパシーに不利な材料をも集めて検討してから、記事を書かなければなりませんでした。でないと、本記事のとおり、ホメオパシー擁護になるからです。 @satoruishido

2011-02-19 02:11:40
@Tetsuro_S_Phil

承前)ホメオパシー擁護は、科学でなくて意見です。自身の体験などを織り込ませずに、科学に基づく知見として、高レベルの批判に耐えうる「スイスのホメオパシー事情」は書けたはずです。岩澤氏はそれをせず、webronzaは岩澤氏の作為と不作為を支持した。 @satoruishido

2011-02-19 02:11:47
@Tetsuro_S_Phil

承前)従前であれば、同様のことがあっても、取材の受け手や記事の読み手は、せいぜい文書か電話でメディアなり書き手なりに抗議するのが精一杯だったでしょう。1995年頃からのInternetの普及は、その構図を一気に転換させました。 @satoruishido

2011-02-19 02:11:57
@Tetsuro_S_Phil

承前)石戸氏の「ネット上ではエビデンス重視の言論空間が出来上がっている」という言葉は、まさしくそのとおりです。もともとInternetは「知の共有」を目的に誕生したものであり、そのスピリットが各所で今も脈々と息づいているのです。 @satoruishido

2011-02-19 02:12:08
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