「映画 聲の形」と二つの手話

「映画 聲の形」を観た感想、主に手話関連。ぬるいネタバレあり。
映画 手話 聲の形
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すまう(Hitomi Nakajima) @sumaus
「映画 聲の形」観てきたけど、原作を薄めた感じにはなってるけど尺に合わせてうまく再構成してるし京アニの作画が雰囲気あってて良かったなーと思う。特典でついてきたロケ地マップと描き下ろし漫画ブックレットもよかった。アニメ化で期待してた手話の動きもよかったしそれ見て思うところもあった。
すまう(Hitomi Nakajima) @sumaus
まず前提として世の中に手話と認識されてるものには2種類あって、日本手話と日本語対応手話がある。日本手話は日本語とは異なる体系を持つ別言語。日本語対応手話は手話の単語を日本語の語順で並べるもので手指日本語と呼ぶ人もいる。両者の中間的な手話もある。
すまう(Hitomi Nakajima) @sumaus
作中で出てくる手話は基本的には日本語対応手話だと思う。でもこれは物語上の必然性がある。こっからネタバレ含むよ。将也や佐原は硝子と話すために手話を多分独学で覚えてる。日本手話はネイティブに習わないと(習っても)習得は難しいし、日本語の同時発声もしてるので対応手話。
すまう(Hitomi Nakajima) @sumaus
日本手話は語順も違うし非手指動作といって眉、視線、口形、顎の向きなども文法的な意味を持っていて、日本語を話しながら同時にやるのはまあ無理。硝子の方も、母親の方針で普通学級に入れててろう者のコミュニティと付き合いもなく、通ってる手話サークルも聴者主体っぽい、日本語ベースで育ってる。
すまう(Hitomi Nakajima) @sumaus
ところで硝子が普通学級でいじめを受けるシーンはインテグレーション(統合教育)の難しさを表してるよなあと思った。ニーズの違う子がクラスに一人いる時の配慮って難しいし、善意の援助がやがて疲弊から敵意に変わるというのもありがちで、いやーこういう描写が見ててしんどい人もいるだろな…
すまう(Hitomi Nakajima) @sumaus
まあそういうわけで硝子の手話も、中間手話も混じってるかもだけど、基本的には対応手話かなと。口話も学んだっぽいけど聾学校にも行ったのかな。ちなみにろう学校も(私立明晴学園のような例外を除いて)日本手話を教えていないので親や友達にネイティブサイナーがいないとなかなか学ぶ機会がない。
すまう(Hitomi Nakajima) @sumaus
対応手話はたとえるとルー英語みたいなもので、単語は手話だけど語順が日本語なので、自然言語としては効率が悪くて一人前の言語とは言えないんだけど、日本語がベースにある難聴者や中途失聴者には使いやすいので、一概に悪いもんとも言えない。言語フェチとしては日本手話に肩入れしたいけどね。
すまう(Hitomi Nakajima) @sumaus
んで映画を観て、やっぱ対応手話だよね、と思った時にちょっと違和感があったのは、割と「〜したい」「〜してくれ」にあたる手話を省くだよね。対応手話、特に将也のような学習者はあまり省かないと思うんだけど。日本手話では非手指動作で表せちゃったりするけど、そういう様子でもなかったし。
すまう(Hitomi Nakajima) @sumaus
だんだん何が言いたいのかわかんなくなってきたけど、たとえ対応手話でも口話よりずっと通じるんだってことと、この映画で手話に興味を持った人には日本手話ってのにも興味を持ってほしいなってことかな。今は日本手話をネイティブサイナーが教えてくれる教室もいくつかあるので。
すまう(Hitomi Nakajima) @sumaus
そういう私も手話から離れてしまってだいぶ経つのですけどね(^_^;) 最近は手話言語学も進んできてるしキャッチアップしたいなーという気持ちはあるんだ。気持ちは…
すまう(Hitomi Nakajima) @sumaus
あ、ちなみに口話(こうわ)というのは音声言語の発音・発語と読唇・読話でコミュニケーションさせるやり方で、補聴器で残存聴力の活用にも期待する、聴覚口話法ともいう。日本のろう学校は長らく口話主義を採用してきていて、その裏で手話が弾圧されてきた歴史があったりする。
すまう(Hitomi Nakajima) @sumaus
このへんの話は亀井伸孝『手話の世界を訪ねよう』、丸山正樹『デフ・ヴォイス』、山本おさむ『わが指のオーケストラ』あたりを読んでくださるとよくわかります。
すまう(Hitomi Nakajima) @sumaus
っていうか!大垣市が舞台だったの知らんかったよ!養老天命反転地にはちょっと感動した!「君の名は。」は飛騨だし岐阜県キテるな!

ちなみに

すまう(Hitomi Nakajima) @sumaus
TL上でシンゴジで「日本語字幕って何のため?セリフ知りたいから観るけど〜」ってなってたのが聲の形で「ていうかこのテーマで初日から字幕つかないってセンスなくない?」ってなってるの見て、これが2016年だったと記憶しておこうと思ってる。
すまう(Hitomi Nakajima) @sumaus
すばらしい。/邦画“日本語字幕つき上映”のメリットと課題ーー『シン・ゴジラ』『君の名は。』の実績から考える realsound.jp/movie/2016/09/… @realsound_mさんから
すまう(Hitomi Nakajima) @sumaus
「オープンの時から“音にこだわる映画館”なので、上映を続けることがブランド力を維持することになります。聴覚障がいの方にとって字幕は“音”だと考えるからです。」この姿勢めちゃくちゃカッコいいと思う。 realsound.jp/movie/2016/09/…

コメント

kn @darks508 2016年9月24日
硝子が元々聴覚障害者と接する機会自体がない「のに映画では日本手話使ってた」という話ならともかく、そうじゃなくて「映画では日本語対応手話使ってたようだ」なら話としても描写としてもまっとうだし、日本手話が入り込んでくる余地ないし普通に適切な描写なのでは
わいてい @mizuka19 2016年9月24日
いや、「どっちかな?やっぱり対応手話っぽいな、一部気になるけど そうそうこの映画で手話に興味持った人は日本手話にも興味持ってくれると嬉しいな、私はそっちの方が好きだから」ってニュアンスで別に描写批判じゃないでしょコレ
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