教室で観るルメット版『12人の怒れる男』
昨日の三・四限は『12人の怒れる男』の前半を見せたのだが「白黒の古い映画なので眠くなりました」という感想があった。だが、ミハルコフの新しいカラー版 http://amzn.to/coKZ8Q だったら眠くならないという保証はない。
2010-10-08 06:28:35熟議の話をする前に『12人の怒れる男』を見せたのは正解であった。愚かにも昨年度まで熟議についての話をしてから見せてしまっていたわけだが。
2010-10-21 17:01:25『12人の怒れる男』が面白かったひとは続いて『キサラギ!』を見るといいと説明したところ「ミター!」という反応が数名から。わかってるねぇと奇妙な心地よさを感じる瞬間。まあ、めったにありませんが。
2010-10-21 17:09:29『12人の怒れる男』は議論が理性的に行われる映画ではなくて、本人が理性的だと思っている議論がいかに理性的でないかということが顕わになる映画だと思う。それは、最後まで有罪だと主張していた三番の若者嫌いの根っこに、一人息子への愛憎というコンプレックスがあったという結末からも明らか。
2010-10-22 00:12:28まあ、熟議のプロセスで顕わになるのは、ロジックの強さと言うよりは、情念の働きだという『12人の怒れる男』解釈は、三谷幸喜の『12人の優しい日本人』においても貫かれていたといっていいのではないだろうか。
2010-10-22 00:41:25@cristoforou たんなる憶測ですが、北米では、学校とか教育の場で相当繰り返し『12人の怒れる男』を見せているのではないでしょうか。
2010-10-22 00:46:38ルメット版『12人の怒れる男』についてのある四回生の感想。「大人向けの映画なのか、分かりにくい点がいくつかあったので残念だった」。大人向けって…。
2011-01-23 07:01:07あと、『12人の怒れる男』とサンデル白熱教室の解説付き上映会というプログラムは大変好評であった。京大人文研の岡田暁生さんがレクチャーコンサートというのをなさっているのだが、教員の解説付きで映画を見せる「レクチャー・シアター」というのも結構需要があるのかもしれない。
2011-01-26 05:48:20授業で両方を見比べさせたことはあります。ただ、学生にとって『優しい日本人』は難しかった模様。QT @ganaha22: 私は、「怒れる男」の後に、『12人の優しい日本人』を観ることを薦めています。odg67 " 『12人の怒れる男』の解説付き上映会というプログラム"
2011-01-26 12:15:16以前も申しましたが、熟議が現実についての深い理解と合意をもたらすことを認めつつも、その基盤には情念的な同一性があり(最後のオタ芸をみよ)、合意は部屋を出た瞬間に覆る可能性を孕んでいること(最後に登場する宍戸錠をみよ)を示した『キサラギ!』を観るべきではと。 @kbysht
2011-01-26 12:53:10昨日はULPS公演『12人の怒れる男』@アイピット目白を見に行った。知り合いの富真道さんが陪審員第10号として出演。とにかく熱い(暑い)演出と演技でした。
2011-02-18 11:49:08『12人の怒れる男』、1957年のシドニー・ルメット監督作品が有名ですが、最近ロシアに舞台を移したリメイクが作られたんですね…。 http://t.co/ozm5Xkq
2011-02-18 11:54:07いまこの脚本を舞台を現代に移してリメイクするなら、女性がいないと不自然だろうし、人種問題も当然絡んでくるだろうから、オリジナルとはだいぶ変わってくるだろうなあと。
2011-02-18 11:56:17まだなので近々見てみたいと思っています。 QT @odg67: @shionkono 三谷幸喜の『12人の優しい日本人』とかご覧になりました?
2011-02-18 12:04:56@odg67 odgさんは授業で『12人の怒れる男』を使っていらっしゃるんですよね…。これは確かに政治学的にいろんなアングルで斬れる作品ですね。
2011-02-18 12:06:45@shionkono 「集計 aggregation ではなく熟議 deliberation を」という熟議デモクラシー論が念頭に置いている「熟議」の具体的なイメージが分かるので大変参考になります。学生もよい刺激を受けるようです。
2011-02-18 12:11:25@odg67 あの評決は最初に多数決を取ってしまえば11-1で終了ですからね…。全員一致を求める制度が効いてきます。それぞれの陪審員が挙手投票、無記名投票などの異なる意思表示の方法を戦略的に使っているのも面白いですね。
2011-02-18 12:17:53ルメット版では、陪審員8番を演じているのがヘンリー・フォンダで、口を開いた瞬間に誰が正義の味方かわかる。一方、昨日の舞台では8番は若い(30歳前後?)の役者さんが演じていて、正義感はあるも少々理屈っぽい男というイメージ。ルメット版よりも価値が相対化されている印象を受けた。
2011-02-18 12:23:54@shionkono 大画面で見ないとわかりにくいんですが、最後に大写しになる写真で、三番の消息不明の息子、容疑者の少年にちょっと似てるのですよね。ずっと心中でわだかまっていた息子への愛憎が自分の理性的判断を歪めていたことに気づかされて泣き崩れる頑固親父。切ない幕引きです。
2011-02-18 12:36:51