論文解説「放射線被ばくは0.1グレイより低い線量でも甲状腺がんの過剰リスクを引き起こす」 論文「小児期での放射線への外部被ばく後の甲状腺がん:12研究のプール分析のアップデート」 (2016.9.25作成)
- uchida_kawasaki
- 2311
- 37
- 2
- 0
Clinical Thyroidology無料)0.1 Gray以下の被曝でも甲状腺癌リスクは高まる online.liebertpub.com/doi/full/10.10… 12の研究をpoolして分析。
2016-09-25 01:04:15Exposure to Radiation Causes an Excess Risk for Thyroid Cancer Even at Doses Less Than 0.1 Gray online.liebertpub.com/doi/full/10.10…
2016-09-25 09:39:21Clinical Thyroidologyの論文解説「放射線被ばくは0.1グレイより低い線量でも甲状腺がんの過剰リスクを引き起こす」(10月8日まで無料) 解説されてる論文は、「小児期での放射線への外部被ばく後の甲状腺がん:12研究のプール分析のアップデート」(続きにURL) twitter.com/YuriHiranuma/s…
2016-09-25 09:43:07Thyroid Cancer after Childhood Exposure to External Radiation: An Updated Pooled Analysis of 12 Studies bioone.org/doi/10.1667/RR…
2016-09-25 09:43:22”There was a significant relative risk trend for doses <0.10 Gy (P < 0.01), with no departure from linearity (P = 0.36).” 右のグラフが0〜100mGy pic.twitter.com/XT8bknhZKK
2016-09-25 09:45:23A Perspective on the New Pooled Analysis of Radiation-Associated Thyroid Cancer 「放射線関連甲状腺がんの新プール解析についての見解」 online.liebertpub.com/doi/abs/10.108… 10月8日まで無料
2016-09-26 04:37:37部分訳 このプール解析は、小児期の外部被ばくと甲状腺がんリスクの過去のプール解析などの個人データを取得・調和すしてあり、結果を要約しただけの古典的なメタ分析よりも結論に説得力がある。さらに、プールされた結果が複数の調査集団で一致しているため、その妥当性の信頼性が強化されている。
2016-09-26 07:02:13(続)最初のプール解析では最小潜伏期間は10年以上と推定された。チェルノブイリの経験で潜伏期間が短くなったのは、ヨウ素欠乏症のせいであるとされている。新プール解析は、42例の甲状腺がん症例を元にして、外部被ばく後5〜10年以内の甲状腺がんの放射線線量反応を報告している。
2016-09-26 07:02:35(続)潜伏期間が短く推定されたのは、入手できるデータが増えたためかもしれない。治療時の放射線量が高い子どもでは、非常に高い線量での甲状腺がんリスクの下降が確認されたが、それでも、高線量でのリスクは依然として相当なものである。
2016-09-26 07:02:55(続)元のプール解析では、最小で100mGyでのかなりの(有意な?)リスクが観察されたが、新プール解析では、これが確認されただけでなく、放射線の過剰リスクがさらにもっと低い線量まで拡張されている。
2016-09-26 07:03:19(続)低線量域での放射線影響の調査の主な制限は、十分な症例数、特に、非常に大人数の被ばくした人たちの長期追跡の必要性である。この新プール解析は、低線量症例数を含むこれまでで最大の研究である。
2016-09-26 07:03:33(続)公衆衛生での予測、特に低い線量での予測について、ほとんどの専門家はLNTモデルを採用している。新プール解析ではさらに、100mGyより下の低線量レベルでのリスクがLNTモデルと一致していることが確認された。
2016-09-26 07:04:56(続)これは、世界的な甲状腺がん発症率の上昇に放射線被ばくがどれほど寄与しているかの決定を裏付ける助けとなるはずである。
2016-09-26 07:05:14(続)新プール解析では低線量での直線リスクモデルが除外されていない一方、現在のプールでさえ低線量症例数が限定されており、他のリスクモデルを決定的に排除してはいない。それ以下ではリスクがないというしきい値線量の証拠があるかどうかについてを含め、低線量分野ではもっと研究が必要である。
2016-09-26 07:06:05(続)小児期のCTスキャンと様々ながん(例:脳腫瘍や白血病)の間の因果関係には現在物議が醸し出されている(例:影響の大きさ、適応性と逆の因果関係による交絡)。
2016-09-26 07:06:51(続)しかし、甲状腺は放射線への感受性が高いと広く認識されており、CTスキャンの潜在的悪影響と甲状腺がんについての疑問というのは、因果関係そのものについてではなく、CTスキャンによる甲状腺被ばく線量のレベルについてなのである。
2016-09-26 07:07:51(続)小児期のがん治療は放射線療法と化学療法どちらも含むことが多い。この2つの治療法に相乗効果がないことが新プール解析で観察されたのは重要である。しかし、その結果は、特定の治療の詳細に関するデータが均一して入手できたわけではないため、限定的である。
2016-09-26 07:08:42(続)小児期での放射線被ばくを受けた人たちのモニタリングの必要性は認められてはいるが、データが不十分なため、どのようにモニタリングを行うかのコンセンサスはない。ガイドラインが作成されるとしたら、最小潜伏期間と、放射線影響が長期にわたって持続することを考慮する必要がある。
2016-09-26 07:09:13(続)さらに、甲状腺がんリスク増加は甲状腺の外部線源(X線やガンマ線による医療被ばくや日本での原爆による被爆)と内部線源(チェルノブイリと福島事故由来の放射性ヨウ素のβ崩壊)の両方による被ばくで引き起こされるため、
2016-09-26 07:10:19(続)最後に、これまでの疫学的証拠は、分割照射により甲状腺がんリスクが低減するかどうかを決めるのには不十分である。プールされた結果は、治療回数と分割数が全研究で調和されていないことにより限定されている。
2016-09-26 07:11:06(続)これは特に、患者と、長期にわたる環境被ばく下にある人たちにとって、放射線防護における重要な問題である。また、低線量リスクの予測に影響をもたらす可能性がある。
2016-09-26 07:11:48