対立項なき時代の『小市民的潔癖』

tsuchie88先生の政治論、珍しいので自分用にまとめ。
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(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

自民党の主流が保守本流だった時代には、与野党が保革を軸に対立できていたのだと思うのだけど、保守傍流が自民党の中核になっていくと保革の対立軸ってあまり意味をなさなくなってきたのではないかと思う。55年体制の崩壊は、とっくに崩壊した対立項の再確認に過ぎなかったのではないかと思う

2016-09-25 10:26:38
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

保守傍流は右から左までごったまぜで、特にイデオロギーによって結集していたわけではなく、党内の派閥抗争を通じた政策の柔軟な取り込みによって、保革対立を無力化した点が大きいかと思う。派閥抗争からはじかれた保守本流の方が、末期にはむしろリベラルな政治家が現われた点は皮肉な感じがある

2016-09-25 10:29:13
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

現代の与野党の関係を見てみても、自民と民進のイデオロギー的な差異はほとんどない。これは海外の伝統的な保革政党の関係で見てみても、政策的な差異が小さくなってきていると思う。そうすると、政党に有権者が求めるのは「政権担当能力」といったわかったようで、実は判断が難しい能力になる。

2016-09-25 10:32:43
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

大まかな政策に違いはなく、個別の政治案件に対して賛成か反対かといった点で比較してみても、結局有権者はどちらの政党が自分の政治的スタンスに最も近いのか、わかりにくくなっていると思う。

2016-09-25 10:34:25
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

Brexitやトランプのような扇動政治家が現れる背景には、既存政党の綱領からとりこぼされた人たちの「何でもいいから現状をぶっ壊してほしい」という破壊妄想を具現化してくれる存在だからだろうし、今の豊洲の問題にしても従来ならば何も問題視されなかった問題が政治テーマになっている感がある

2016-09-25 10:38:22
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

高村薫はかつて、「節約、小型化、簡素、個人主義などのキーワードでくくられるだろう市民の心理は、物質的豊かさを諦めて精神的充実に向かい、社会に《潔癖》を求めてくる」と述べて、これを小市民的潔癖と呼んだ。まだしく現代を言い当てた言葉であると思う。

2016-09-25 10:57:20
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

確かに、潔癖を求める社会には利点も多い。行政入札の談合や、企業と裏社会との関係なども、潔癖を求める声で正常化していったし、実際それにうまく対応できなかった組織は崩壊していった。しかし、社会が直面する様々な問題に対して万能な方法論となったかというと、むしろ自己矛盾を大きくしている

2016-09-25 11:03:14
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

政治における小市民的潔癖が典型的な存在で、対立項なき与野党間の対立項として取り上げられる諸問題は、対立の道具にだけ使われて、結局は本質的な問題は何も解決されないまま放置される傾向が強まっている。それは、正常な社会、政治といえるのだろうか?

2016-09-25 11:09:43
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

課題が課題のまま残されるならまだいいが、「潔癖さが通用しない」相手に対してはとことん無力だ。例えば、自然災害、経済問題、外交などといった分野では潔癖さだけではとても解決できない問題も多い。そういった潔癖さだけで解決できない問題に直面すると、突然人々は怒り出すのだ。

2016-09-25 11:14:52
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

社会のアンガーコントロールにたけてる人間が政治家になると、とても困るんですよねぇ 小池知事とかかなりそのあたりは強いので戦慄してる。

2016-09-25 11:18:44