ヘクトールおじさんとロビンくん。(その4途中まで)

ヘクトール×ロビンの現パロ義親子がねじれてきた。
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睦月ジューゴ @EeesperancaaA

とりあえずヘクロビ語り30分から始めます 前回までのあらすじ確認しないと…… ヘクトールおじさんとロビンくん。(その3) togetter.com/li/1028182 なおこのURLは通りすがりであり宣伝などとは関係ない

2016-10-02 20:24:23

どう見ても宣伝です、本当にありがとうございました。

睦月ジューゴ @EeesperancaaA

ヘクトールおじさんとロビンくんその4。二人が義親子なヘクロビについて語ります。 前回 togetter.com/li/1028182

2016-10-02 20:30:56
睦月ジューゴ @EeesperancaaA

先が見えないっていうのは怖い。オッサンがいつ目を覚ますのか、或いはって。俺は学校があるから、四六時中そばにいられるわけじゃない。それが余計に不安を煽る。俺が勉強してる間に容体が急変して、とか考えると、気が気でなくて、集中できない。俺、受験生だっつーの。困るぜ、本当に……。

2016-10-02 20:35:25
睦月ジューゴ @EeesperancaaA

朝起きて、学校行って、ぼんやりして、病院行って、ひとりぼっちの家に帰って。何日くらい経っただろう。考えるのも嫌になってきた頃だ。病院に向かう途中に、俺のスマホに連絡が来た。オッサンが目を覚ました、って。聞いた瞬間、俺、多分今までの人生で一番速く走ったな。

2016-10-02 20:42:32
睦月ジューゴ @EeesperancaaA

転がるように病室に駆け込んだら、起こしたベッドに身体を預けて、看護師相手に何か喋ってるオッサンが居て、俺、信じられなくて、嬉しくて、その場で座り込んで泣いちまった。ガキの頃みてぇに。看護師が慌てて駆け寄ってきたけど、俺、すぐに立てなくて、ホント、情けねえのな。

2016-10-02 20:45:26
睦月ジューゴ @EeesperancaaA

ぐずぐずの顔で、よかった、よかった、って何度も言いながら、俺はオッサンのそばに行く。「大丈夫かい、キミ」って戸惑うような声。間違いなくオッサンのもんだ。また泣きそうになったところで、実は、と言いにくそうに看護師が話し始める。ヘクトールさんはエピソード記憶が欠落しています、って。

2016-10-02 20:48:59
睦月ジューゴ @EeesperancaaA

「俺、キミのこと覚えてないんだ」申し訳なさそうに、オッサンは言う。いつもの顔で、いつもの声で。一瞬、何を言われたかわからなかった。看護師が、ロビンさんはヘクトールさんの義理の息子さんなんですよ、と簡単に補足してる間も、俺、どうしたらいいかわからなくて、ただへらへらしてた。

2016-10-02 20:52:35
睦月ジューゴ @EeesperancaaA

看護師が、明日から一般病棟に移れますよ、と言い残して去っていった後も、俺はなんと声をかけたらいいのかわからなくて、ベッドの隣でぼんやりと座っていた。オッサンも虚脱してる俺を見て、気遣ってくれてるのか、何も言わない。静かな時間が流れていった。

2016-10-02 20:57:12
睦月ジューゴ @EeesperancaaA

「……しかし、俺に義理の息子かぁ。かみさん亡くして一人で生きてくと思ってたんだがなあ」改めて、しみじみと言うオッサンに対して、俺は言う。

2016-10-02 21:02:17

あくまでも正直を通して、義親子であることを伝えるか。
自分のエゴで、恋人同士であると偽りを伝えるか。

睦月ジューゴ @EeesperancaaA

「義親子っていうのは、あの……なんていうか、表面上のもので、俺ら、その、恋人だった……んですよ」嘘だ。俺が勝手に何年も懸想していただけだ。10代前半の頃から勝手に想っていた、それを今なら叶えられるかもしれないって、愚かな俺は思っちまって、ああ、今すぐこんなの冗談だって言わないと。

2016-10-02 21:17:31
睦月ジューゴ @EeesperancaaA

「え、そうなの?オジサン、奥さん亡くして若いツバメ飼いだしたの、まさか……」ほら、オッサンだって半信半疑じゃないか、だから、だから、俺は「ま、いいかあ。キミ、嘘吐くような子には見えないし、それに」オッサンの手が、ゆっくりと俺の手に伸びる。「可愛いし、いいかな」

2016-10-02 21:24:21
睦月ジューゴ @EeesperancaaA

そういう意味で『可愛い』って言われたことなんてなかった。ていうか、フィルター抜きのオッサンの目から見て俺って可愛いんだ。破壊力高すぎて、俺、顔真っ赤になって、思わず顔を逸らす。「お?青年照れてる?」からかいながら、オッサンはくわあと欠伸をする。「まあいいや、オジサン、寝るから」

2016-10-02 21:34:23
睦月ジューゴ @EeesperancaaA

「ああ、ごめん、目ぇ覚ましたばっかなのに、無理させて」「いや、大体現状掴めたし、いいよ」眠たげなオッサンが、ゆるりと手を振る。「また明日、な。えーと……」「俺、ロビン、です……ヘクトールさん」「そっか、じゃあおやすみ、ロビン」オッサン、寝る時は三秒で寝れんだな、って初めて知った。

2016-10-02 21:38:41
睦月ジューゴ @EeesperancaaA

オッサンは身体の方はなかなか頑丈で、他の大きな怪我は左腕にヒビが入ってるくらいだった。頭を打ってるから大事を取って入院、ってのが主なもんらしく、病院の中をいつもうろうろしては看護師に怒られてるらしい。俺が学校終わって病院に来るたびに、院内で起こった話を色々してくれる。

2016-10-02 21:51:45
睦月ジューゴ @EeesperancaaA

でも、いつだって話の最後を締めるのは、「早くロビンくんとの家に帰りたい」だった。「俺だって、早く帰ってきてほしいですよ」例えば林檎で兎を作りながら、俺もそう返す。それは、とても幸せな時間だった。薄氷を踏むようなもんだけど、確かに俺にとっては、嬉しいものだったんだ。

2016-10-02 22:05:30
睦月ジューゴ @EeesperancaaA

すみません、寝そうなんで寝.ますわ。とりあえず一時中止ということでまとめてきます……一昨日昨日と頑張ってたからね……ぐだロビ二本とヘクロビ一本とか我ながら頭パーンってなってたとしか思えない。

2016-10-02 22:07:06

二日で三本、18453文字とか私にしては頑張りすぎていたのである。