人のぬくもりの心地よさの無い部屋で育ったジョニーの話−心の哲学で考える発達障害
プロローグ
「ねえ,わたしのどこが好き?」 「おっ,哲学的問題を提起してくるね」 「そうかしら? 普通の恋人間の話じゃなくて?」 「君はそこにいるだろ」 「うん」 「そして,それ以上に君に”どこ”なんてあるのかい?」 「あるじゃない。笑顔が好きとか,声が好きとか,性格とか,財産とか」
2016-09-29 20:09:17「たとえば,そうだな,僕が君の顔が好きだとしよう」 「うん。好きでしょ」 「もちろん好きだけど,今回はあくまで”たとえば”だ」 「そういうことにしとく」 「もし僕が君の顔が好きだとして,20年後に君がシワシワのお婆ちゃんになる」 「ならないわ」 「なるとする」 「50年後」
2016-09-29 20:10:47「じゃあ50年後に君はシワシワになる」 「たとえ話はガマンしとく」 「すると僕は”君の顔が変わってしまったからもう好きじゃない”と言うかな?」 「言うんじゃない?」 「言わない。言わないというか,もしそう言ったら”君の事を好きじゃなかった”って思わないか?」 「うーん。そうかも」
2016-09-29 20:12:43「たとえば,君は僕の足が速いところに惚れたとする」 「遅いじゃない」 「たとえば,だ」 「いいわ」 「でも僕が事故にあって走れなくなったとする」 「うん」 「嫌いになるかい?」 「あなたのことが好きなら,それで嫌いにはならないわ。足の速さはきっかけにすぎないというか......」
2016-09-29 20:14:41「もし僕の哲学的議論が好きで」 「嫌いじゃないわ」 「それで僕がボケてしまったとして」 「ありそう」 「”好きなところがなくなったので嫌いになった”となるかい?」 「ならない,というか,なったら”最初から好きじゃなかったのかな”って思うわね。前提に抵触するわ」 「つまり」
2016-09-29 20:16:18長い前置き
発達障害者と、定型発達者って「二択」には、イラつくんだが、だからといって、どう表現するのがいいのかの唯一無二の模範解答が見つけられない。「それぞれの文脈で」使い分け、読み取るようにする、ぐらい。 感覚処理障害の苦痛を一般化比喩にすると、苦痛を卑小化する気がするし、逆もそうで。
2016-10-03 19:36:05独我論的に言うなら「彼の苦痛を想像するのも私の脳内の幻想」ってのもあるわけで、それでも「いわゆる社会適応しないと、稼げなくて死ぬ」って予想への「出来る対処はある!」って信仰に頼らざるを得ない。反証が不可能な成長と教育論は信仰だと思う。各宗派の祈りのカタチ。
2016-10-03 19:41:37「成長または発達の話」には「時間の概念」がくっついている。一般的には過去→現在→未来と認識される。「今、こうなのは、過去がこうだったから。今、こうすれば、未来はこうなるはず」と。でも違うかもしれん。「今、こう感じているから、過去がこう見え、未来がそう見えているだけ」と。
2016-10-03 19:48:34「過去→現在→未来」と「過去←現在→未来」の矢印の向きの違いは、ある程度の年齢にならないと想像不能な気もする。「あの時は辛かったから、生まれたくなかったと過去を思った。今はそこそこ悪くないから、あの辛さも必要な事だったかもって思える」的な、解釈の変化は時間と年齢で起こる。
2016-10-03 19:54:32私が長い前置きで「解釈の多様性による、各々の痛み」への言い訳をしたくなる理由の一つはもちろん加害者になりたくない!欲で、もう一つは「そこで止まるのがメンドクサイ、次に行きたいのよね」欲で、他にもあるんだろうけど自覚に至ってない。とりあえず、そういう見方もあるのねは欲しい。
2016-10-03 20:10:27そんな前置き《言い訳》を置いてから、「発達障害のあれこれを哲学の思考実験で考えるシリーズ」みたいのをやってみたい。初回は「メアリーの部屋と、抱っこについて」からだな。
2016-10-03 20:20:44発達障害と哲学思想実験シリーズ・1「メアリーの部屋と感覚過敏」 「メアリーの部屋」は、クオリアを考える時の思考実験だ。 ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1… この実験では「色」だが、感覚過敏で「抱っこの安心感から遮断された状態」に、応用してみたいんだ。
2016-10-03 20:28:48メアリーの部屋 - Wikipedia
メアリーの部屋は1982年に哲学者フランク・ジャクソンによって提出された思考実験である。思考実験の内容は以下の通りである。
(以下、文章と画像は上記記事より引用)
この実験ではメアリーは色に関しての知識は持ってるけど、色の無い白黒の部屋に閉じ込められてる。抱っこに変換してみる時は「人間の発する、体温、湿気、触感等々から、快い刺激を得るとの知識はあるが、得たことが無い」とする。一般的な母子の抱っこは「不快な刺激にしかならない」感覚過敏。
2016-10-03 20:40:32なんさん考案:ジョニーの部屋
人のぬくもりの心地よさのない部屋
メアリーの部屋、ここではジョニーにしよう(^◇^) ジョニーには感覚過敏があって、「ぬるい温度で、ぬるい圧力をかけられると、どーにもこーにも不快に感じる」から、ジョニーは抱っこされると泣く赤ん坊であった。ママの抱っこは不快刺激。ジョニーは「人のぬくもりの心地よさ」を知らぬ。
2016-10-03 20:45:57ジョニーが「人のぬくもりの心地よさの無い部屋」に閉じ込められたまま、動き回るようになったらどうなるか?あるいは、その後言語や論理に関して全く問題なく「完璧な知識を得ていく」時、ジョニーがどうなるか?を予想する思考実験。どうなるだろう?誰か一緒に考えてーー。
2016-10-03 20:52:34