人のぬくもりの心地よさの無い部屋で育ったジョニーの話−心の哲学で考える発達障害

普段は育児から妖怪まで縦横無尽に語るなんさん @nankuru28 。 一部ファン待望の(?)発達障害と哲学思想実験シリーズ・第1弾。 ※ 続編はこちらです。Cookさんがまとめてくださいました。 続きを読む
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プロローグ

哲学的しろくま(もふMoFもふ) @eis_baerchen

「僕は君がゾンビだとしても」 「だとしても?」 「かまわないね」 「50点かな」 「満点だね」 「そうね」

2016-09-29 19:22:50
哲学的しろくま(もふMoFもふ) @eis_baerchen

「ねえ,わたしのどこが好き?」 「おっ,哲学的問題を提起してくるね」 「そうかしら? 普通の恋人間の話じゃなくて?」 「君はそこにいるだろ」 「うん」 「そして,それ以上に君に”どこ”なんてあるのかい?」 「あるじゃない。笑顔が好きとか,声が好きとか,性格とか,財産とか」

2016-09-29 20:09:17
哲学的しろくま(もふMoFもふ) @eis_baerchen

「たとえば,そうだな,僕が君の顔が好きだとしよう」 「うん。好きでしょ」 「もちろん好きだけど,今回はあくまで”たとえば”だ」 「そういうことにしとく」 「もし僕が君の顔が好きだとして,20年後に君がシワシワのお婆ちゃんになる」 「ならないわ」 「なるとする」 「50年後」

2016-09-29 20:10:47
哲学的しろくま(もふMoFもふ) @eis_baerchen

「じゃあ50年後に君はシワシワになる」 「たとえ話はガマンしとく」 「すると僕は”君の顔が変わってしまったからもう好きじゃない”と言うかな?」 「言うんじゃない?」 「言わない。言わないというか,もしそう言ったら”君の事を好きじゃなかった”って思わないか?」 「うーん。そうかも」

2016-09-29 20:12:43
哲学的しろくま(もふMoFもふ) @eis_baerchen

「たとえば,君は僕の足が速いところに惚れたとする」 「遅いじゃない」 「たとえば,だ」 「いいわ」 「でも僕が事故にあって走れなくなったとする」 「うん」 「嫌いになるかい?」 「あなたのことが好きなら,それで嫌いにはならないわ。足の速さはきっかけにすぎないというか......」

2016-09-29 20:14:41
哲学的しろくま(もふMoFもふ) @eis_baerchen

「もし僕の哲学的議論が好きで」 「嫌いじゃないわ」 「それで僕がボケてしまったとして」 「ありそう」 「”好きなところがなくなったので嫌いになった”となるかい?」 「ならない,というか,なったら”最初から好きじゃなかったのかな”って思うわね。前提に抵触するわ」 「つまり」

2016-09-29 20:16:18

長い前置き

佐川・抜け首・なん @nankuru28

発達障害者と、定型発達者って「二択」には、イラつくんだが、だからといって、どう表現するのがいいのかの唯一無二の模範解答が見つけられない。「それぞれの文脈で」使い分け、読み取るようにする、ぐらい。 感覚処理障害の苦痛を一般化比喩にすると、苦痛を卑小化する気がするし、逆もそうで。

2016-10-03 19:36:05
佐川・抜け首・なん @nankuru28

独我論的に言うなら「彼の苦痛を想像するのも私の脳内の幻想」ってのもあるわけで、それでも「いわゆる社会適応しないと、稼げなくて死ぬ」って予想への「出来る対処はある!」って信仰に頼らざるを得ない。反証が不可能な成長と教育論は信仰だと思う。各宗派の祈りのカタチ。

2016-10-03 19:41:37
佐川・抜け首・なん @nankuru28

「成長または発達の話」には「時間の概念」がくっついている。一般的には過去→現在→未来と認識される。「今、こうなのは、過去がこうだったから。今、こうすれば、未来はこうなるはず」と。でも違うかもしれん。「今、こう感じているから、過去がこう見え、未来がそう見えているだけ」と。

2016-10-03 19:48:34
佐川・抜け首・なん @nankuru28

「過去→現在→未来」と「過去←現在→未来」の矢印の向きの違いは、ある程度の年齢にならないと想像不能な気もする。「あの時は辛かったから、生まれたくなかったと過去を思った。今はそこそこ悪くないから、あの辛さも必要な事だったかもって思える」的な、解釈の変化は時間と年齢で起こる。

2016-10-03 19:54:32
佐川・抜け首・なん @nankuru28

私が長い前置きで「解釈の多様性による、各々の痛み」への言い訳をしたくなる理由の一つはもちろん加害者になりたくない!欲で、もう一つは「そこで止まるのがメンドクサイ、次に行きたいのよね」欲で、他にもあるんだろうけど自覚に至ってない。とりあえず、そういう見方もあるのねは欲しい。

2016-10-03 20:10:27
佐川・抜け首・なん @nankuru28

そんな前置き《言い訳》を置いてから、「発達障害のあれこれを哲学の思考実験で考えるシリーズ」みたいのをやってみたい。初回は「メアリーの部屋と、抱っこについて」からだな。

2016-10-03 20:20:44
佐川・抜け首・なん @nankuru28

発達障害と哲学思想実験シリーズ・1「メアリーの部屋と感覚過敏」 「メアリーの部屋」は、クオリアを考える時の思考実験だ。 ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1… この実験では「色」だが、感覚過敏で「抱っこの安心感から遮断された状態」に、応用してみたいんだ。

2016-10-03 20:28:48
メアリーの部屋 - Wikipedia

メアリーの部屋は1982年に哲学者フランク・ジャクソンによって提出された思考実験である。思考実験の内容は以下の通りである。

(以下、文章と画像は上記記事より引用)

白黒の部屋で生まれ育ったメアリーという女性がいる。 メアリーはこの部屋から一歩も外に出た事がない。 つまりメアリーは生まれてこのかた 色というものを一度も見たことがない。

メアリーは白黒の本を読んで様々なことを覚え 白黒のテレビを通して世界中の出来事を学んでいる。

メアリーは視覚の神経生理学について世界一線レベルの専門知識を持っている。 光の特性、眼球の構造、網膜の仕組み、視神経や視覚野のつながり、どういう時に人が「赤い」という言葉を使うのか、「青い」という言葉を使うのか、など メアリーは視覚に関する物理的事実をすべて知っている。

さて、彼女がこの白黒の部屋から解放されたらいったいどうなるだろうか。 生まれて初めて色を見たメアリーは 何か新しいことを学ぶだろうか? 仮にメアリーが何か新しい事を知るとしたら、定義よりそれは物理的な事実ではない。 その場合 唯物論(物理主義)は偽である。

佐川・抜け首・なん @nankuru28

この実験ではメアリーは色に関しての知識は持ってるけど、色の無い白黒の部屋に閉じ込められてる。抱っこに変換してみる時は「人間の発する、体温、湿気、触感等々から、快い刺激を得るとの知識はあるが、得たことが無い」とする。一般的な母子の抱っこは「不快な刺激にしかならない」感覚過敏。

2016-10-03 20:40:32

なんさん考案:ジョニーの部屋

人のぬくもりの心地よさのない部屋

佐川・抜け首・なん @nankuru28

メアリーの部屋、ここではジョニーにしよう(^◇^) ジョニーには感覚過敏があって、「ぬるい温度で、ぬるい圧力をかけられると、どーにもこーにも不快に感じる」から、ジョニーは抱っこされると泣く赤ん坊であった。ママの抱っこは不快刺激。ジョニーは「人のぬくもりの心地よさ」を知らぬ。

2016-10-03 20:45:57
佐川・抜け首・なん @nankuru28

ジョニーが「人のぬくもりの心地よさの無い部屋」に閉じ込められたまま、動き回るようになったらどうなるか?あるいは、その後言語や論理に関して全く問題なく「完璧な知識を得ていく」時、ジョニーがどうなるか?を予想する思考実験。どうなるだろう?誰か一緒に考えてーー。

2016-10-03 20:52:34
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コメント

こぎつね @KogituneJPN 2016年10月4日
有名な自閉症者のテンプルグランディンさんも大学時代に安心用圧迫機を自製して使ってたそうですね
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kzt @kztiam 2016年10月4日
昔から人に触る気はしないな。接触はどういう訳か不快。
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hopper @hopperjp 2016年10月4日
人体の中では肘や膝が比較的硬いからか、そこが好きな子がいるよう。 自閉症タイプの幼児さんがこちらに背中を向けたままにじり寄ってきて膝にひっついたりするので、視線も大事なポイントだろう。 「苦手な感覚刺激や視線に慣らす」という社会化を目指す療育の方向性が「症状軽減」と重視されがちだけど、本人が安心感を得られるやり方を共有できる土台の模索も大事なんじゃないかと。
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the loyaltouch @theloyaltouch 2016年10月4日
これテーマが「人肌と温もり」に引っ張られてるような気がするんだけど本質は「今まで知識でしか知らなかった感覚を初めて実体験した場合人はどうなるか」だよね
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the loyaltouch @theloyaltouch 2016年10月4日
類例でみんなが一番身近に感じられるのは酒だと思う。となると白黒の部屋から出たメアリーも最初は色の刺激が強すぎて体調壊すかもしれないけど3、4回経験すれば慣れる
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BIRD @BIRD_448 2016年10月4日
山奥育ちで始めて海岸を見た。始めて電車に乗った。的な範囲に収まると思う。 theloyaltouch
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Cook⚡生還しました。後遺症なし!詳細はピン留め @CookDrake 2016年10月4日
このまとめの文脈はむしろ、アルコールの分解酵素を持ってない人はどうするか、みたいな話だと思います。発達障害の感覚過敏は「慣れる」ことはほぼ出来ないもので、感覚過敏がない人の感覚とは感覚の質・量が違うと思っていただければいいかなと思います。theloyaltouch
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Cook⚡生還しました。後遺症なし!詳細はピン留め @CookDrake 2016年10月4日
続き)感覚の質が違う人が、一般的な理屈では「快適な接触」と教えられている体験が、本人の感覚としては快適に感じない「ぬくもりを与えてくれると一般の理屈では定義されているが、自分には不快な接触」しか経験してない場合、では「ぬくもり」のクオリアをどうすれば得ることが出来るのかみたいなことなのかなと。theloyaltouch
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Cook⚡生還しました。後遺症なし!詳細はピン留め @CookDrake 2016年10月4日
まとめを更新しました。編集件をお借りして、内部配置換えを実行しました@只今中締め報告。
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Cook⚡生還しました。後遺症なし!詳細はピン留め @CookDrake 2016年10月4日
すかいゆきさんと相談して。まとめ制作後に進んだ雲崙さんを交えた会話は別立てで私の方でまとめることになりました。分岐が多いパートなので、少々お時間頂きますが、仕上がったらご報告に上がります。
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the loyaltouch @theloyaltouch 2016年10月4日
CookDrake ありがとうございます。色覚を十全に持っているメアリーは、その話で行くと本論とは少し離れた例示なんですね?
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the loyaltouch @theloyaltouch 2016年10月4日
酒のメタファーで考えると、感覚過敏の方がぬくもりのクオリアを得るのは不可能でしょうね。酒が飲めない人にとっては酒の席が交流の前提となった世の中はきついんで、それと同等の配慮が必要ということになるでしょうか
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Cook⚡生還しました。後遺症なし!詳細はピン留め @CookDrake 2016年10月4日
theloyaltouch そういうことになりますね。>ズレた例示 メアリーのケース対して、ジョニーのケースでは前提条件を追加する必要があります。ハグされたときに、非感覚過敏者にとって心地よい感覚が、感覚過敏者には気持ち悪いものになるわけですから、教えられていた情報とは異なるクオリアがそこに生じてしまって齟齬をきたすわけですね。
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Cook⚡生還しました。後遺症なし!詳細はピン留め @CookDrake 2016年10月4日
theloyaltouch 酒のメタファーで考えた場合については、下戸への配慮と同等の配慮が必要になるのでは、というご指摘はかなりコアを突いていると思います。酒を飲むと気持ちよくなる、という事前の情報と違って、自分は気持ち悪くなってしまう。ではどうすれば酒を楽しめる人と、酒が飲めない人が、同じ酒席を楽しめるのか、みたいな感じかなと思います。
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the loyaltouch @theloyaltouch 2016年10月4日
CookDrake ああ、そうか。社会的にどうこうするっていうのはもうわかりきってる話でしたね。申し訳ない。今はクオリアの話だから、感覚過敏であってもぬくもりのクオリアを得るにはどうしたらいいのか、って話ですね。これは難しいかも・・・下戸と同じように、一緒の酒席を楽しむことはできても、それはほろ酔いのクオリアを得ることとはイコールではないですし。
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Cook⚡生還しました。後遺症なし!詳細はピン留め @CookDrake 2016年10月4日
theloyaltouch そうですそうです!そのとおりでして、それで、強度の異なるハグや、背中合わせで座る話が出てくるわけです。で、そうした例から類推して、完全に同じでなくとも、概ね同等の経験を得ることは可能ではないのか?そのためにはどんな方法があるだろうか、と言ったことを、私は考えていました。
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the loyaltouch @theloyaltouch 2016年10月4日
ふむ。もう一度メアリーとジョニーに立ち返るとすると、、、メアリーが色覚異常だったとして、部屋の外に出てそれほどQOLへの問題を抱えるだろうか。想定していた刺激が少なくて残念、とは思うかもしれないけどそこまでひどくはならないように思える。
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the loyaltouch @theloyaltouch 2016年10月4日
一方ジョニーはかなり辛そう。刺激を得られないのではなく刺激を得ると不快を覚えるからQOLが下がるのか、スキンシップやハグを嫌がるような子供などいないという不理解が原因なのか、ちょっと切り分けがつかない。
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the loyaltouch @theloyaltouch 2016年10月4日
同等のクオリアが得られなくても、同等の快が得られればそれで解決とするのか、、、
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どす恋(煮え煮え) @makumaan 2016年10月5日
興味深い。わたし自身が母親に抱かれるのが嫌いな子だったから。
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Cook⚡生還しました。後遺症なし!詳細はピン留め @CookDrake 2016年10月6日
まとめを更新しました。巻末にパート2へのリンクを追加しました。
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Cook⚡生還しました。後遺症なし!詳細はピン留め @CookDrake 2016年10月6日
パート2はこちらになります。>「人のぬくもりの心地よさの無い部屋で育ったジョニーの話−心の哲学で考える発達障害・パート2」http://togetter.com/li/1033346
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Cook⚡生還しました。後遺症なし!詳細はピン留め @CookDrake 2016年10月8日
【視覚過敏対応】人のぬくもりの心地よさの無い部屋で育ったジョニーの話−心の哲学で考える発達障害【パート1・2合体版】出来ました。まとめ読みにも便利です(ただし四角過敏者向けの低刺激デコレーションなので、人によっては見づらいと思います)。リンクはこちらです。>http://togetter.com/li/1033827
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