三浦つとむ崇拝者の信仰告白

三浦つとむ(1911-1989)という学者についての自分のつぶやきを集めておく。
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ふかくさ @fukaxa

三浦つとむ先生は本質主義者・内容主義者である。形式主義に対する内容主義の優位は帰結主義によっても支持できるし、人間が本質的に共同体的なものである、つまり言語以前の価値を共有してしか上手く生きることのできない存在である、ということを前提にしているのだ。

2009-10-05 00:40:22
ふかくさ @fukaxa

三浦つとむ先生はマルクス主義における「我々」を解いた。それは外部にいる者からしても美しかった。私はマルクス主義者ではないし、私の周りにいる人たちもそうだ。私は「私たち」という謎を解かなければならない。

2009-10-05 00:44:24
ふかくさ @fukaxa

ヘーゲルはキリスト教世界の哲学者だし、三浦つとむはマルクス主義の世界の理論家、でも現代はキリスト教の時代でもなければマルクス主義の時代でもない。かといって彼らから学ぶことが何もないわけでもない。

2009-10-13 23:57:08
ふかくさ @fukaxa

師匠の素晴らしいところは何十冊と執筆しているにもかかわらず、どの本にも新しい発想があり、それでいて論理的には一貫性が保たれているというところだ。

2009-10-25 05:03:33
ふかくさ @fukaxa

まあそこで私の場合は三浦つとむが登場してくるのだが、イマドキの哲学にしてはやや教条的にしかきこえない面があるからなあ。ただ、『フィクションの哲学』とは全く逆に映画などの視覚的な芸術のあり方から言語のあり方を探る手がかりを得るわけで特徴的ではあるはずだが。

2010-05-20 06:38:57
ふかくさ @fukaxa

話者はラングに沿って発話を構成し、聴き手はラングに沿って発話を解読する。これがソシュール。話者が「思い」をラングに沿って言葉の構成に反映させ、聴き手は形式的構成の在り方から、ラングを通じて話者の「思い」を解読する。これが我が三浦つとむ師匠。http://bit.ly/agCiE0

2010-07-28 22:31:29
ふかくさ @fukaxa

三浦つとむ師匠は表現論を語るときによく暗号の喩えを使われる。師匠が直接言及してはいないが、創作法と解読法との対比は、差し詰め暗号化鍵と複合化鍵とにパラレルだ。暗号化鍵と複合化鍵は同一とは限らない。

2010-07-28 22:48:04
ふかくさ @fukaxa

僕が師匠と仰ぐ人は左翼だけれども、スターリンが出した言語論を批判して日本共産党から出版社に圧力がかけられた。師匠は在野の学者・文筆家だった。僕は学問の自由が政治的な圧力に侵されるのは耐えられない。そういう意味では、僕はとても素朴なリベラルなんだろうと思う。

2010-09-13 00:47:10
ふかくさ @fukaxa

正直師匠が吉本隆明と並べられるのは非常に不本意というか、確かに同人だったけど全然ノリが違う感じである。

2010-11-08 15:18:23
ふかくさ @fukaxa

時枝誠記-三浦つとむ言語学について解説。 / 川島正平のページ http://htn.to/ngg6XW

2010-11-08 15:30:47
ふかくさ @fukaxa

来年は三浦つとむ先生生誕100年でございます。そして私も三浦先生の本を初めて読んでから十年が経つわけです。

2010-12-24 01:32:11
ふかくさ @fukaxa

まあしかしですね、そんなジコチュー感覚の私でもとにかくこの世の中と自分が全然調和しないことに不具合は感じるわけで、結局信仰に走るわけですね。で、それが私の場合三浦つとむ崇拝なわけです。今年で三浦つとむ先生の本に出会ってから十年、辛亥革命100年、三浦先生生誕100年でございます。

2011-01-08 15:36:15
ふかくさ @fukaxa

敬愛する三浦つとむ先生のいいところはですね、ガチガチのマルクス大好きにも関わらず全然サヨクっぽくなく、恨みがましくなく、なおかつ非常に元気なところですね。この元気なところだけは三浦つとむ学派のひとたちに広く受け継がれている資質だと思います。

2011-01-08 15:40:20
ふかくさ @fukaxa

「飲み会の支払は男性がおごるべきなんだろうか……」 三浦つとむ「男女の賃金格差比で分担すればおk」

2011-01-08 15:44:30
ふかくさ @fukaxa

三浦つとむの面白さを伝えるのはなかなか難しい。しかし私が勝手に難しがって怠けているだけなのかもしれない。意外と直接言うと「なんだ当たり前じゃん」と思える発想ばかりなのだが、それが戦後の逆コースやら学生運動やら中ソ論争やらで盛り上がっていた時代の発言だと思うと味があるわけだ。

2011-01-08 15:52:48
ふかくさ @fukaxa

三浦つとむ「私のあこがれは侠盗であり名探偵であって、自分も彼ら〔怪盗ルパンや少年探偵ボードルレ〕と同じような能力の持ち主になりたいと思ったところから学問歴がはじまった」(p.14, 1973)

2011-01-08 17:05:26
ふかくさ @fukaxa

三浦つとむ「奥野健男は『山本文学はまだ日本の文壇から正当な評価を受けていない』と書いた。文壇がどんな待遇をしようとそんなことはどうでもいい。私は山本文学が文学理論の対象になっていないこと、彼の技術が単なる職人のたたきあげではなかったことを問題にしたい」(p.69, 1973)

2011-01-08 17:24:50
ふかくさ @fukaxa

三浦つとむ「〔学問的に未解決の問題を解く楽しみは〕麻薬と同じで生涯止められなくなる。そんなわけで、原稿の注文が来ないから論文をまとめても金にならぬ研究でも、この意義のある楽しい<遊び>を止めることができないで、毎日せっせと書いている」(p.132, 1973)

2011-01-08 17:57:34
ふかくさ @fukaxa

三浦つとむ「男女は同権である……という理屈から、週三日ずつ交代して家事をやっている例もあるようで……これはちょっと聞くともっともらしいが、現実の男女の具体的なありかたから出発するのではなくイデオロギーから出発するのだから、唯物論的な態度とはいえない」(p.151, 1973)

2011-01-08 18:18:45
ふかくさ @fukaxa

三浦つとむ「〔夫婦が〕共働きとはいっても、労働の強度・労働時間・労働力などそれぞれ異っているのだから、やはりそれらの条件のちがいを考えて分担にハンデをつけるのが合理的であって、それを無視した交代制は悪平等になってしまう」(p.151,1973)

2011-01-08 18:20:38
ふかくさ @fukaxa

というのは板倉聖宣氏は比較的有名な三浦つとむ学派のひとなので。

2011-01-13 21:42:16
ふかくさ @fukaxa

あと竹田青嗣さんによればヘーゲルさんの相互承認の考え方を出して「一方的な排除はいけない」という話をしたそうです。まあビジネスっぽく言うと〔win-lose関係に対する〕win-winの関係で、三浦つとむっぽく言うと「調和的矛盾」てやつですね。

2011-01-22 23:01:32
ふかくさ @fukaxa

三浦つとむ師匠は1947年時点で「正戦論」派だったからなww

2011-01-27 20:17:52
ふかくさ @fukaxa

三浦つとむ派はそもそもソシュール的言語観(言語=ラング)を前提にしないので、言語は単なる論理記号の体系ではないし、当然言語ゲームなんてもっての外なんだよね。

2011-02-02 01:17:17
ふかくさ @fukaxa

明治以降の知識人で日本のことを考えなければならないのが東浩紀氏の世代からだと……。三浦つとむ師匠を完全に無視した発言だ……。

2011-02-03 20:06:35