福島小児甲状腺がんの有病率と罹患率の推定および早期発見・早期治療の必要性

福島県民健康調査の甲状腺に関する報告書に基づき、有病率と罹患率を推定するとともに、検査の継続による早期発見・早期治療の必要性を考察しました。
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1.有病率

有病率は、ある時間断面で、病気にである人の割合である。有病率は全員を調べると判明するが、抽出調査の場合は抽出率が高く且つ層化無作為抽出が実現されていれば、病気の発見率が有病率の推定値として有効である。
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福島の小児甲状腺がんの有病率は、先行検査の結果より、10万人あたり38.6と推定される。
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この有病率が「全国並」であれば、0~19歳全国人口から、全国の小児甲状腺がん患者は 8585人 となる。

今井長兵衛 @medanjin

[福島小児甲状腺がん有病率 1] 先行検査結果を読んでみた。 第23回福島県「県民健康調査」検討委員会に関するHP pref.fukushima.lg.jp/site/portal/ke… … 「甲状腺検査(先行調査)」結果概要 PDF文書 pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attac…

2016-09-16 19:25:12
今井長兵衛 @medanjin

[福島小児甲状腺がん有病率 2] 対象者:平成23年3月11日時点で、概ね 0歳~18 歳、具体的には、平成4年4月2日~平成23年4月1日までに生まれた福島県民 367672人。 先行検査実施期間:平成23年10月9日~平成26年3月31日、一部 平成27年4月30日まで

2016-09-16 19:31:24
今井長兵衛 @medanjin

[福島小児甲状腺がん有病率 3] 一次検査受診率:受診者300476人/対象者367672人;81.7% 大サンプルから層化無作為抽出実施と評価。 二次検査結果確定率:確定者2086人/受診者2128人;98.0% 結果確定率100%として扱っても問題ないだろう。

2016-09-16 19:38:32
今井長兵衛 @medanjin

[福島小児甲状腺がん有病率 4] 細胞診受診者545人/6ヵ月または1年後の保険診療が必要と判定された者1376人 細胞診陽性率: 悪性・悪性疑い116人/細胞診受診者545人;21.3%

2016-09-16 19:41:39
今井長兵衛 @medanjin

[福島小児甲状腺がん有病率 5] 今回のように、検診受診者が層化無作為抽出されている場合、発見率は有病率の高精度の推定値と考えてよい。結論としては、福島における先行検査の時点では、有病率は116人/300476人、すなわち、10万人あたり38.6と推定される。

2016-09-16 19:45:38
今井長兵衛 @medanjin

[福島小児甲状腺がん有病率 6] 平成19年全国がん検診結果はこれ ganjoho.jp/med_pro/pre_sc… 肺がん検診では、受診者 7066168人(受診率21.6%)、発見がん数3084人で、発見率から推定した有病率は10万人あたり 43.6。

2016-09-17 11:29:20
今井長兵衛 @medanjin

[福島小児甲状腺がん有病率 7] 肺がん検診の発見率から推定した肺がん有病率は、受診率が低いので、バイアスを伴い若干の過大推定になっている可能性がある。いずれにせよ、福島の小児甲状腺がん有病率は全国の肺がん有病率と同水準と考えられる。

2016-09-17 11:38:27

2.罹患率

罹患率は、一定の期間(通常は1年)に新たに発病する人の率をいう。
全数調査で真の罹患率が分かるが、層化無作為抽出調査の一定期間の病気発見率から推定できる。
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福島小児甲状腺がんの罹患率は、本格検査の結果および先行検査と本格検査の時間間隔(平均2.25年)から、高い精度で推定できる。その結果は、10万人あたり1年あたり罹患率は、二次検査を受けなかった人が一人も発病していないという(ありえない)仮定では 11.0、二次検査を受けなかった人が受けた人と同率で発病するという仮定では 15.8 となる。
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福島と同じ罹患率で全国の0~19歳人口(約2224万人)が罹患すると仮定すると、毎年2446人(罹患率11.0の場合)~3514人(罹患率15.8の場合)が罹患することになる。

今井長兵衛 @medanjin

第25回福島県「県民健康調査」検討委員会(12月27日開催)の資料が公表された。 pref.fukushima.lg.jp/site/portal/ke… 「甲状腺検査【本格検査 (検査 2回目 )】」結果概要はこちら PDF pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attac…

2016-12-28 16:46:28
今井長兵衛 @medanjin

[福島小児甲状腺がん罹患率 2] 対象者:平成4年4月2日~平成24年4月1日までに生まれた福島県民 381281人。 検査実施期間:平成26年4月2日~平成28年3月31日まで

2016-09-20 17:54:11
今井長兵衛 @medanjin

[福島小児甲状腺がん罹患率 3] 一次検査受診率:受診者270431人/対象者381282人;70.9%。年齢階級別では、18歳~21(22)歳の受診率が25.6%(受診者24872人/対象者97097人)と低かった。しかし、ここでは層化無作為抽出が行われたとして話を進める。

2016-12-28 18:00:12
今井長兵衛 @medanjin

[福島小児甲状腺がん罹患率 4] 以下、先行検査未受診で悪性または悪性疑いと判定された1人を除いて検討する。 二次検査受診率:受診者1684人/対象者2221人;75.8% 結果確定率:確定者1552人/受診者1684人;92.2%

2016-12-28 18:02:05
今井長兵衛 @medanjin

[福島小児甲状腺がん罹患率 5] 細胞診受診者188人/6ヵ月または1年後の保険診療が必要と判定された者1174人 細胞診陽性率: 悪性・悪性疑い67人/細胞診受診者175人;38.3%

2016-12-28 18:03:39
今井長兵衛 @medanjin

[福島小児甲状腺がん罹患率 6] ここでは罹患率を10万人年(10万人1年)あたり罹患数で示す。通常の統計では1年あたりの罹患率で「年」は省略。 先行検査は平成23年10月~26年3月実施なので、本格検査までの経過年数は最長2.5年、最短2年、大略の平均2.25年。

2016-09-20 19:33:47
今井長兵衛 @medanjin

[福島小児甲状腺がん罹患率 7] 検診受診者が層化無作為抽出されている場合、先行検査から本格検査までの1年あたり発見率は罹患率の高精度の推定値と考えてよい。 福島における罹患率は、発がん数67人/2.70430人/2.25年、すなわち、10万人年あたり11.0と推定される。

2016-12-28 18:05:40
今井長兵衛 @medanjin

[福島小児甲状腺がん罹患率 8] 上記の値は過少推定の可能性がある。本格検査では、二次検査対象者2221人のうち、二次検査結果が確定したのは1552人で、がん(疑い含む)が67人。二次検査を受けなかった人が同じ割合で発がんしていると考えても不自然ではない。

2016-12-28 18:07:42
今井長兵衛 @medanjin

[福島小児甲状腺がん罹患率 9] そうすると、がん罹患者数は 67/1552 × 2221 = 96 人と推定される。 ゆえに、福島の小児甲状腺がん罹患率(10万人年対)は 96/270430/2.25 × 100000 = 15.8 と推定され、今後の推移が懸念される。

2016-12-28 18:09:31

3.早期発見・早期治療

小児甲状腺がんについては不明な点が多いようだ。だが、20歳以上の患者さんの生存率は、肺への遠隔転移があった場合に、かなり低い。それでも、現時点での10年生存率は、10年あるいはそれ以上前の治療成績の結果だ。医療の進歩による生存率の飛躍的な上昇を期待したい。
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福島における小児甲状腺がんの治療成績は、福島県立医大がシンポジウムで報告されたものが公表されている。多くの手術例で、甲状腺の全摘をせずにすみ、甲状腺や副甲状腺の機能は維持されているという。
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早期発見による早期の適正な治療がなされることが、患者さんに寄り添うことになるだろう。甲状腺検査の縮小は、あってはならないことだと思う。

今井長兵衛 @medanjin

[甲状腺がん] 2006-2008年診断例の5年相対生存率-臨床進行度別, 男女計          甲状腺限局:対象者3912人(36.5%)生存率99.9% 所属リンパ節転移のみ/隣接臓器浸潤のみ:4838人(45.1%)95.0% 遠隔転移:489人(4.6%)42.2%

2016-09-01 12:34:56
今井長兵衛 @medanjin

甲状腺がん5年生存率のデータは、がん情報サービス: ganjoho.jp/reg_stat/stati… の「4.生存率データ」による。 現時点では年齢(階級)別のデータは見つけていない。

2016-09-01 12:39:38
今井長兵衛 @medanjin

甲状腺がん5年生存率と10年生存率をまとめて作表した。ソースは「がん情報サービス 4.生存率」 ganjoho.jp/reg_stat/stati… pic.twitter.com/zGGZVnuUmC

2016-09-01 14:43:03
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今井長兵衛 @medanjin

小児の甲状腺がんは成人と異なることも考えられるが、小児だけのデータは見つけられなかった。 そこで、「がん診療ガイドライン」をあたってみた。 jsco-cpg.jp/guideline/20.h…

2016-09-02 18:03:38
今井長兵衛 @medanjin

ガイドラインCQ2 の記述 「小児甲状腺癌は稀少な疾患で,そのほとんどは乳頭癌である。(成人の甲状腺がんに比べ)頸部リンパ節転移が激しく,腫瘍の局所浸潤が多く,治療後の再発も多い。再発は初期治療の20 年後まで起こる。診断時の肺転移の頻度は25%にまでに達するとする報告 もある。

2016-09-02 18:15:01
今井長兵衛 @medanjin

ガイドラインCQ2の記述(続き-前ツイとともに一部の抜粋) 「小児の乳頭癌は生涯にわたる経過観察を必要とする。小児の乳頭癌は診断時に一見して進行した状態にあり,再発も多いが,適切な初期治療と術後の処置により長期の生命予後は成人に比較すると良好であり,死亡率は低いと報告されている。

2016-09-02 18:20:58
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