そんなわけで元良勇次郎訳『ヴント氏心理学概論』(明治31年)にとりかかるが、近代デジタルライブラリーのありがたさよ。国会図書館ありがとう!
2011-02-19 17:53:36『ヴント心理学概論』途中まで読み進めたけど、かなり意外な印象。少々気になったので過去の「文部省教員検定試験」の試験問題を調べたら、明治31年の本試験に「「アッパアセプション」とは何ぞ」なる出題があったが・・
2011-02-19 21:01:21明治31年の文検で「「アッパアセプション」(類比又は容認等の訳語を用ふるものあり)とは何ぞ。教授法の基礎として之を簡単に説明せよ」などと出題されてるが。ヴントの前の心理学(連合観念の心理学)でもapperceptionは重要概念だったのか。
2011-02-19 21:05:07明治後期の心理学の教科書を見たとき、冒頭にカラーで「色の三原色」の図が掲げられていたのが不思議だった記憶が甦ったけど。『ヴント心理学概論』に触れて、その理由を把握した。
2011-02-19 21:09:39うお、そうなんですか。ゲーテ『色彩論』は買ったけれど、本棚に置いたきりで開けてもいない・・・ RT @ynabe39 重要なポイントです。カントやゲーテともつながる。
2011-02-19 21:13:20あー、文検出題の「apperception」は、ヴント心理学を問題にしているんじゃなくて、ヘルバルト心理学を聞いているっぽいなあ・・
2011-02-19 21:21:08カントの「色彩」について語ったことがあるような記憶があるので、自分のWEBサイトの過去日記を探っていたら、2004年の1月にあった・・・。http://bit.ly/dEaKu5 1/21の「「色」と「形」について」という日記。もう7年前か。
2011-02-19 22:05:36自分が7年前に「20世紀に急激に進展した人格心理学においては、事物を「形」から理解するか「色」から認識するかで人間の性格を分類する研究が発達した」とか言っているけれど、何を読んで自分がそう言ったのか、もはや思い出せない。
2011-02-19 22:08:50ヴント曰く、「垂直線ハ之ト同ジ長サノ地平線ト比較シテ平均其長サノ六分一長ク見ユ。(……)此錯覚ハ前ニ述ベシガ如ク、集合運動ノ発達セルガ為ネ上方及ビ下方運動ニ要スル筋肉ノ活動ハ、内方及ビ外方運動ニ要スル筋肉ノ活動ヨリモ更ニ複雑ナル事ニヨリテ説明スル事ヲ得」
2011-02-20 07:28:10そういえば日本語改革運動に関して、縦書きと横書きのどっちが有効かを調査した論文があって。「目は横長だから横書きの方が効率がいいと思うのはシロウトで、眼球運動は縦方向の方が素早いから縦書きが吉」という内容だった記憶が。これ、ヴントの応用だったのか。
2011-02-20 07:30:10ところで、絵描きは一般的にいって左向きの顔ばかり描いて、右向きの顔が描けない。たとえば植芝理一のマンガを持っている人は、左向き比率を調べてみるといいよ。驚愕の結果が出ます。そしてこの現象もヴント的に解明できそうな予感が。
2011-02-20 07:32:20左右反転するとデッサンが狂っていることが丸わかりで。鳥山明ですら左右反転すると酷いことになっているのを見たとき、右向きの顔を描くことを諦めて。フォトショップで反転してからデッサン修正しているけれども。
2011-02-20 07:33:54このあたり、なんで右向きの顔が描けないのか、あるいは真正面の顔を描くのが難しいのか。眼球運動と錯視の理論から解明されていると、絵描きにとってはデッサン上達のための実践理論になるかもしれん。
2011-02-20 07:35:40あとは「スーパーフラット」解明の理論になるかどうか。いわゆる「萌え絵」は、体は立体的に描くけれども、顔は一般的には「平面的」に描く。立体的に間違っていることは理屈では分かっているけれども、正しいデッサンだと可愛く見えないから、間違っていると分かっていてデッサンを崩す。
2011-02-20 07:38:19なんでデッサン通りに立体的に描こうとすると可愛く見えないのかは、ヴントの言う「垂直線ハ之ト同ジ長サノ地平線ト比較シテ平均其長サノ六分一長ク見ユ。故ニ正方形ハ長方形ニ見エ、其底ハ側面ヨリ短シ」という話が正しければ、ある程度は理解できる。
2011-02-20 07:39:40「萌え絵」の顔のデッサンの崩し方は、一般的に「奥行き」を消去する方向に向かうけれども。これは「垂直方向」と「水平方向」の直感的な「見え方」が物理的な正確さとズレているとすれば、理に適っていることになる。
2011-02-20 07:41:15「萌え絵」のデッサン崩しは、「スネ夫の髪型」のように「立体では表現できないことを平面的に処理する様式」だと思っていたけれども。実は心理学的要素主義の立場から「奥行きの消去」の現象を分析できるのかもしれない。
2011-02-20 07:46:05右利きだと左向きが多くなると聞いていましたが、韓国では逆になるとも聞いています。あと、「利き腕」ならぬ「利き目」という概念もあるそうで、これも現象の理解に有効かも。 RT @apitane3 利き腕の問題もあると思います。私は意識しないと右向きが多くなるようです。
2011-02-20 07:48:20おお、左右学というものが。いちおうエルツ『右手の優越』は読んでいますが、これにはあまり説得力を感じなかった記憶があり。西山賢一先生の仕事は参照してみよう・・・ RT @kikawamanuke 左右学の西山賢一先生によると絵画においても七割が左向きの顔であるという。
2011-02-20 07:51:37おお。この統計は凄い。 RT @kikawamanuke ところで、私は「目を隠した女性キャラ」の情報を収集しているんですが、統計とると必ず右目隠れ:左目隠れ=7:3となります。
2011-02-20 07:55:46私はコミケカタログのサークルカットに描かれるメガネキャラの登場比率を30年に渡って追跡調査して有意な統計結果を見いだしているけれども。サークルカットに描かれたキャラの「右向き/左向き/正面」比率の歴史的推移を調べると、何か言えそうな気がしてきた。
2011-02-20 07:58:06サークルカットはわかりませんが、眼帯と片目ヘアキャラだけなら年代別に分けてみても、大体毎年右目:左目7:3ですね。32bitマシンによるキャラクタ大量発生時代となった九十年代からしか数えてませんが。それ以前はちょっと数が少なすぎて。@highok
2011-02-20 08:06:08