「絵本の100年と未来研究会」に参加して思ったこと

今回のテーマは昨年絵本としては異例の40万部大ヒットとなったのぶみ氏の『ママがオバケになっちゃった』絵本を多角的に分析し、話し合いました。みなさん、真剣に「子どもに本を手渡すこと」を考えていて、単なる批判で終わらず未来を見据えて話し合いました。
書籍 文学 図書館 児童書 毒親発狂 ママがおばけになっちゃった のぶみ 絵本 出版 書店
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kako @greenkako
今夜は「絵本の100年と未来研究会」に参加。昨年爆発的に売れたのぶみ氏の絵本について、多角的に分析。単なる作品批判ではなく、日本の出版事情、読者教育など多岐に渡る話題で盛り上がった。あの作品は「死」を扱った絵本ではなく、軽視した本であり感動の押し付けでしかない。 #のぶみ
kako @greenkako
作者の幼稚性が露呈している絵本でもある。「死」「生命」を考える絵本というのはポーズでしかなく、彼の売れる絵本は何か?というリサーチと戦略による絵本。40万部売り上げ話題性もあり、ある意味成功した絵本であるだろう。ただしあれは育児に悩む大人向けで子どもに手渡すべきでない #のぶみ
kako @greenkako
何故「ママがオバケになっちゃった」が40万部売れたかというと、ママの気持ちを掴むリサーチが成功したという事もあるが、読者側に絵本を選ぶスキルが育ってないということが言える。メディアが推薦する事は鵜呑みにする。安っぽい感動で満足する幼稚性が読者側にもある。 #のぶみ
kako @greenkako
多くの人は書店に平置きになってる本は良い本だという思い込みがある。メディアが挙って良いと言えば中身を確かめずに、とりあえず買う。その結果が40万部。しかし結局中身がない為続編は苦戦してるらしい。作者が買ってと必死にお願いしてるのがとても見苦しい。 #のぶみ
kako @greenkako
流石に読者も学習したという事なのだろう。もちろん熱心なのぶみ氏ファンがいるから、その人たちはアマゾンなどでも感動するよ!泣けるよ!良い本だよ!とレビュー投稿している。この続編がクリスマスプレゼントされたりしたら、子どもがかわいそうだとは思わないらしい。 #のぶみ
kako @greenkako
しかし問題はこの作品にあるのではなく、この絵本が爆発的に売れてしまう現代社会にある事も忘れてはいけない。男性の働き方が変わらず結局孤独に育児をしているママ達の叫びを上手く吸い上げている。母親の日常を評価しない社会だからこそ、ママ達の承認欲求を満たすこの絵本が売れた訳だ #のぶみ
kako @greenkako
そういう気付きを与えてくれたという点では、この作品は存在価値がある。本を創る人、本を手渡す人、子どもの教育に関わる人、色々な人が批判するだけでなく、その背景についてきちんと総括し、社会を変える方向へと動いていかなければいけないと思う。 #のぶみ
しっぽ @b_tears
主催はどちらでしたの?私も参加したかった twitter.com/greenkako/stat…
kako @greenkako
@b_tears 主催は友人の絵本コーディネーター東條さんとJULA出版局の編集者だよ〜私も立ち上げから一緒に学んでます!
しっぽ @b_tears
@greenkako  そうなんですね。みなさん、書店の児童書担当を教育して欲しいです
kako @greenkako
@b_tears 今日集まった8人のうち4人が編集者、2人が司書、二人が絵本を制作したり研究している若い人。今日の話し合い結果はきちんとまとめて公表されます。お楽しみに!
kako @greenkako
会としては図書館員の教育と雇用の問題、書店員の教育と雇用の問題まで見ていかないと、この絵本が40万部売れた背景を語れないという事に。戦後70年の図書館行政、特に学校図書館が放置されてきたことに、どんな本を選ぷべきかわからない読者を生み出してしまったと思う。根は深い。 #のぶみ
kako @greenkako
またその事はことばに貧困に繋がっている。子どもの心とことばを育てる読書に水先案内人がいないまま放置したが為に、子どもの本の世界ではウケる本だけが持て囃され、ことばを味わい行間を想像する力を育てて来なかった。朝読ボランティアが選ぶ本も「ウケるかどうか」が基準。 #のぶみ
kako @greenkako
斎藤惇夫氏が学校ボランティアをボランティア公害と明言しているが、私も危惧している。今回の勉強会に向けてアマゾン他ネット上のレビューやブログなどを具に調べたが、「ママがオバケ…」を朝読書タイムに読み聞かせたという報告が散見された。中には保育士が保育の中で読んだとも。 #のぶみ
kako @greenkako
幼児教育学で修士をおさめた立場から言わせて貰えば、この絵本は保育の中で読むべき本ではない。母子愛着期にある子どもに徒らに不安感を与え、正常な自立を阻みかねない。ママが自己承認の為に読むのは否定しない。しかし子どもに読むのは虐待に近い行為であり、問題がある #のぶみ
kako @greenkako
私は一時期保育士養成教員もしていた。今の保育士養成現場ではきちんと絵本を体系的に学ぶ機会がない。私は毎回100冊の絵本を自宅から運んで学生と読み比べをしたが、その保育専門学校の校長は「当校の図書室の蔵書が貧弱と言うようだ」と言ってきた。イヤ、蔵書貧弱過ぎが問題なのに! #のぶみ
kako @greenkako
そんな訳で4年生大学の養成校はともかく短大や専門学校では絵本を体系的に学べないし、「ウケる絵本」「可愛い絵本」しか選べない保育士を輩出している可能性は大。そういえばある短大は親父ギャク絵本を作ってる作家を非常勤教授とかにしてるし。この絵本が売れた背景にある問題は根が深い #のぶみ
kako @greenkako
保育士養成現場で私がした事は徹底的に沢山の絵本を読み比べること。理論ではなく沢山読む事で、段々気づく事がある。子どものことばや心を育てる絵本とは何か、読み比べてみて初めて見えてくるものがある。結局その教授方法を校長に否定されて退職してしまったけど…>_<… #のぶみ
kako @greenkako
児童心理学の立場から見ても「ママがオバケ…」絵本は、様々な家庭事情のある子ども達がいる学校や保育の現場で読む事の危険性は指摘出来る。肉親の死に直面した子、今まさに病気と闘っている肉親がいる子は死が余りにも軽く茶化されていて傷つくだろう。読後のフォローが必要になる #のぶみ
kako @greenkako
子どもに肉親の死を扱うことを否定してるのではない。のぶみ氏の絵本はそれを軽視しているのが問題をこちらの絵本は母親を亡くした幼い姉弟が父親と共に深い悲しみの底から立ち上がる過程を丁寧に描いていて救われる。「おかあさんどこいったの?」レベッカ・コップ作 おーなり由子訳 #のぶみ pic.twitter.com/UTd0Qa7E8t
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kako @greenkako
この絵本はグリーフケアの過程をきちんと辿っているからリアリティがある。オバケになって成仏出来ないあちらの作品とは格が違う。ぜひ読み比べてみてほしい。こちらは父親の存在と、子ども達が自分で母親が自分の中にいる事に気付く過程がとても清々しい #のぶみ pic.twitter.com/cSikvD9xDP
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おはなしの森 @azyk724
@greenkako 私は、2つの小学校の朝読書ボランティアをしていますが、実は両方の小学校で、この本が読まれました。選書は、各々に任せた状況です。学校司書さんに、選書や、読み聞かせの留意点など指導してもらいたいと、お願いしたのですが、制度上できないと言われました。
kako @greenkako
@azyk724 コメントありがとうございます。学校司書もまだ研修が足りず、また教員でもなく立場の保証もなく、難しいのかもしれませんね。この絵本が学校で読まれる事に疑問を抱く方がいらっしゃるのが救いです。一度に変えられなくても諦めずに、他に良い本を伝えていきましょう!
kako @greenkako
@azyk724 学校司書が法制化されたものの、雇用条件棚上げです。学校司書は仕事はどんどん要求されるのに、不安定な立場と雇用、一人職場という厳しい条件で、司書さん自身が研修充分でない可能性も。共に学ぶ機会を作れるといいですね!
kako @greenkako
今夜は絵本の勉強会参加の帰り道に感じた事をランダムに呟いてみた。勉強会前にのぶみ氏の発言を辿ろうとして、なんとFacebookブロックされてた事が判明。私がこれまで批判的な記事をブログに書いてきたからだろうけど、小者だね!って思った。批判を聞けなければ大きく育たない #のぶみ
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コメント

トゥギャッターまとめ編集部 @tg_editor 2016年10月20日
子どもに読み聞かせをしないことを前提とした、お母さんたち向けの絵本もあっていいのかなと思いました!
猿田 @Ryokansato 2016年10月21日
言うほど悪い本だとは思わないけれども、母親の抱える問題を子供が受け止めて承認する形の母子一体は親学的な感動ポルノでしかないと切り捨てたい気持ちも分かる。
OGREjp @OGREjp 2016年10月21日
ママがおばけになったあたり。
キリヤ(高橋桐矢) @kiriya_t 2016年10月21日
言葉にしにくい違和感の理由がわかりました。ありがとうございます。
のおと @yolonote 2016年10月21日
これよこれ!のぶみさんの絵本にもやる理由が分かり、胸がすいた。
雲崙*Ω団*8/2音楽教育の会全国大会来てね! @sunshineplace 2016年10月21日
ほんと。絵本は絵も語る本であって、決して「こどもだましの簡単な絵付きの文章の載った本」じゃないのに。
ちゅうりっぷ文庫kako @genkina_kako 2016年10月22日
まとめを更新しました。 昨日からあっという間に6000を超える人に読んでいただいたようです。『ママがおばけになっちゃった』『さよならママがおばけになっちゃった』の問題点が明らかになって来ると思います
ナカイサヤカ@翻訳と英語と出版 @sayakatake 2016年10月22日
良いものを選ぶという専門性は今後ますます必要となってくるはず。母親の「私は選ぶ目と感性を持っている」という誇りを潰さないようなアプローチを考えたいな。(私は絵本翻訳家)
ケロ@Илоилоский @sparklecomet 2016年10月22日
お母さんが死んで成仏出来ない絵本が売れてるとは知らなかったよ(´Д` )
ちゅうりっぷ文庫kako @genkina_kako 2016年10月22日
まとめを更新しました。コメントをくださった方、ありがとうございます。のちほどゆっくり返信いたします。
アンゴル=モア @neko_kapico 2016年11月3日
これは良いまとめ!子供にとって良い絵本っていうのは、子供をナメていない絵本のことだと思う。勉強会、参加してみたかった!
S-T-K @sakebu_kemono 2016年11月13日
メディアで「売れてる」「泣ける」と宣伝されれば、普段絵本なんて見ない親御さんは「売れてて泣けるのだからきっといい絵本なんだろう」と判断してしまうだろうな。子供の頃に絵本に触れる機会がある程度あれば、他にも沢山良書があると知ってるだろうから、メディアの宣伝に踊らされることもないと思う。それくらい幼児期の絵本の印象って強く残る。 子供は親から絵本を与えられる機会が多いのだから、親にどれだけ素晴らしい絵本があるか知ってもらうほうが早いと思う。
ちゅうりっぷ文庫kako @genkina_kako 2016年11月16日
みなさま。コメントありがとうございます。11月13日の夜にTBS「情熱大陸」でのぶみ氏が取り上げられました。twitter上には熱烈なファンから「感動した」「泣けた」との声が寄せられていましたが、私は見ていてドン引きしました。泣きながらまだ完成もしていないラフを子どもたちに見せて読む作者。子ども不在。作者の自己中心性がすごく出ていました。そんなことでまた、このまとめが見られているようです。子どもたちに手渡して欲しくないと、心から願います。
ちゅうりっぷ文庫kako @genkina_kako 2016年11月16日
私のブログ記事が「情熱大陸」放送後、毎日2000以上のアクセスがあり、昨日は3000を超えていました。たぶんあの放送を見て違和感を感じた方が多かったのでしょう。 こんなブログ記事もありました。 http://monyakata.hatenadiary.jp/entry/20151001/1443626648
【FFXIV】蒼聖石【Yojimbo】 @Reinforce_Y 2016年11月19日
色々肯定する部分はあるけど一つだけ。書店員に選書能力がないというところはそんなことはない(と思いたい)。 売上がなければ皺寄せがいくのはパート、アルバイトです。そうなると「これはどうよ…」という本も展開しなければなりません。チェーンになるとそれはより顕著になって本社からの送り込みということもあります。そして売れていないと理由を求められる。
【FFXIV】蒼聖石【Yojimbo】 @Reinforce_Y 2016年11月19日
続)大事なのは内容よりも売上、それが小売店であってそれに倣わなければ生活が維持できない人もいるということを考慮いただけると幸いです。 以上書店アルバイトの戯れ言でした
あさくら @sakura_saku105 2018年2月4日
この本書いた作者が作詞した『だってお母さんだから』みたいな名前の曲、やっぱりこういう本を書くだけはあって内容もさもありなんって感じだった 育児ノイローゼの母親の傷口に塩まぶした絆創膏貼り付けるような悪徳宗教と同じ香りがする
からあげキッズ @karaage_kids 2018年2月4日
まとめ主からのぶみの歌詞をどう思うか聞きたいものだ。一年前だけど再評価されるべきまとめだね
tomatom@たぬきの尻尾は手入れ必要 @fusasippona 2018年2月4日
真剣に「子どもに本を手渡すこと」を考えていて、単なる批判で終わらず未来を見据えて話し合いました。
きょろすけ @myurron 2018年2月4日
書店でバイトしていたけど、バイトが選書できるのはわずかで、あとは本部や取次が振り分けて売れそうならドカっと自動で入ってきたっけな。狭いバックヤードにはそんな在庫を置いておけないし…。「ママが…」は「母親を勝手に殺すな!!」って子育て中の友達が憤ってたわ。
フローライト @FluoRiteTW 2018年2月4日
tg_editor 大人向けの絵本なんて昔からいっぱいあるぞ。ヴィレッジヴァンガードに行ってみい
フローライト @FluoRiteTW 2018年2月4日
生き死に関係の絵本ならヨシタケシンスケの「このあとどうしちゃおう」がここ数年の最優秀さと思うんだよ。あれはいい。何がいいって、押しつけがましくない。そして子供に傷をつけて”感動の名作”みたいなこと謳おうとする卑しさがない。ポジティブに死を考えさせるところがすごく偉い。
社長(仮) @smichie1221 2018年2月4日
生命に関する本ならせいめいのれきしとわすれられないおくりものは私の中のツートップ。特にせいめいのれきしは地球の誕生から生物が生と死を繰り返して未来に繋がってくポジティブさがオススメです。私はこれで生物学に興味を持って大学の専門にもなりました。
蘭子 @ranco1129 2018年2月5日
絵本「ママが、おばけになっちゃった」と児童書をとりまく様々な問題点について、幼児教育のプロが詳細に説明してくださってます。
蘭子 @ranco1129 2018年2月5日
絵本は購入者が主体となるべき子供ではなく、その母親や幼児施設の大人達という特殊な構造があるからなぁ……。「大人が読ませたい本」を買わせては駄目なのだ。プロの目利きが必要な特殊な分野。 #のぶみ はある意味その隙間をついたマーケティングを仕掛けて金儲けに成功した訳だけど、教育現場からしたら有害でしかない。 「売れればなんでもいい」をやらかした出版業界もその点大いに反省すべき。
あほうどり @Phoalbatrus 2018年2月5日
確かに妻がママ友に借りてきた「ママがおばけになっちゃった」は子どもが読む前に返してもらったが、だからと言って、ここまで行くと絵本マニアのバカ丸出し評論なので、加減が難しいところではある。
ちゅうりっぷ文庫kako @genkina_kako 2018年2月5日
karaage_kids ありがとうございます。ちょうど36年前に卒業した大学の絵本論ゼミの教授の告別式参列などでばたばたしていたら、ブログに異様なアクセスがあり、また何かあったなとチェックしたら、なんとも言えない気分の歌が!母親であることはもちろんしんどいこともあるけれど子どもは成長していく。その成長は喜びに変わる。でも子どもは子ども。別の人格。所有物でもないし、我慢することもない。薄っぺらい歌詞だなと思いました。
fukusukehino @fukusukehino 2018年2月6日
「のぶみ」氏の作品は徹底した「母親へのマーケティング」から生まれた「母親のための作品」で、それがゆえに40万部も売れたわけです。幼児のためではない。でも「売れた」という現実は重要で、心ある絵本作家は今後「売れるが幼児向けではない作品」と戦うことを強いられるわけです。
fukusukehino @fukusukehino 2018年2月6日
そこで「目利きが選別して・・・」とか言っても、売れない本を選書にしたって目利きは儲からない。最終的には「良質で売れる本」を作るしかない。その過程で「母親へのマーケティング」の手法を内容を損なわずに取り込めるかがカギになってくると思いますね。
フローライト @FluoRiteTW 2018年2月6日
司書課程にだって「幼児教育概論」は必修なんだぞ。絵本の選書とか読み聞かせのやり方とか、本当に取り組むと対大人どころじゃない難しさなんだぞ。
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