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「やっぱり「アートを観る」、「アートに関わる」っていうこと自体が一種のゲーム性を帯びてくるということはかなり意識しないと生き残れなくなっていくと思います。最近、展覧会を企画しているので色んなギャラリーを観て回るんですけど、結構やっぱりゲーム性がないとすごく保守的になるんですよね」
2010-03-21 18:56:43「自分がフェティッシュで好きなものだけを作家だけを用意して並べると絶対生き残れないんですよね。つまり本当に自分が好きなものを10年20年生き残らせるためにはどういう作家を評価しなければいけないとかそういうことを考えないと生き残れないんです」
2010-03-21 19:01:17「そこにゲーム性というのは発生すると思うんですよね。そういうゲーム性がないと本当に自分がこの作家なんかいいよなみたいなのばっかり集めるとすぐ沈むというとこになって、日本のギャラリーは今、それにすごい近いと思います」
2010-03-21 19:02:32「次のアートシーンというかゼロ年代が終わって10年代のスタート地点に今までのアートの言説の中ではカバーできなかった水脈がそこに隠れているということを指摘するところから始めたいと思ってるんですよね」
2010-03-21 19:08:15「「スーパーフラット」のようにコンセプトを立てて、シーンを作るという人ではないので、冷静に考えたら10年以上何もないなと。それは何とかしなきゃいけないなと思っているということですね」
2010-03-21 19:12:31「虚構と現実の話をしたのは何か新しいことを生み出すには資源が必要なわけですよ。そのリソースが必要だっていうときにここ10年くらいの日本というのは急速にそのリソースを失っていったというか」
2010-03-21 19:13:26「結局、95年あたりが凄かったのは色々な事件があったからですよ。阪神大震災とかオウム事件とかがあって、不謹慎な言い方になるかもしれないけど、それは想像力にやはりそれは反映したわけですよね」
2010-03-21 19:14:02「それらは共通の体験にもなっていたし。それがどんどん脱色されていって、参照すべきリソースがどんどん希薄になっていくというか均質化していくっていうか、何をとっても均質化された表現になったという傾向というのがゼロ年代にはあったと思うんですよね」
2010-03-21 19:14:41「その時にどう現実以外で想像力をジャンプさせてくれるようなファンタジーというか、福嶋さんの言葉を使えば「神話」っていうか、そういうものを如何に確保するかっていうことを考え続けてそれがどこにもないのであれば、現実と虚構をひっくり返したり重ねたりして確保したほうがいいんじゃないかと」
2010-03-21 19:15:54「幸いとしてキャラクター文化っていうのは現実の中にも憑依するし虚構にも世界を持っているので、それをうまく操作してですね、クリエイターの想像力を刺激すべきではないのかっていう。要するにむりやりそういう状況を作るというそういうところも含めてアーティストの仕事になりつつなるなと思った」
2010-03-21 19:16:46「「pixv」にあるのは凄く純粋なファンタジーですよね。メンヘル系と呼ばれている人たちっていうのが突出してるのは、純粋なファンタジーってところですよね。それの中にキャラの記号とかが混じっていて、普通につかさとかゆっくりとかサブカルチャーの記号を使って細々とファンタジーを紡いでる」
2010-03-21 19:18:04「基本的にはアートってハイブリッドなものなんですよね。ハイブリッドなものとしての多様性があるかどうか、よくいう話でいうと僕はそのアートはメタジャンルだってことを言ってるんですね」
2010-03-21 19:20:34「つまり、ジャンルというのは普通に細分化していくけどアートというものはジャンルの中に入ってしまうと絶対負けるんですよ。つまりアニメのロジックとか漫画のロジックとか市場とかの競争に簡単に負けちゃうんですよね。そこではとても純粋な競争が繰り広げられているから」
2010-03-21 19:21:06「じゃなくて、同時代に起こっているそこで起こっている事象とかをそこで一回抽象化して、一個上の平面で計算するっていうか。それがアートの条件だと僕は思っている」
2010-03-21 19:21:42「例えば、日本画はすでにアートではない。例えば、日本画がアートであることをやめたのはかなり前のことで、日本画っていうのは国の都合で作られたジャンルなので、国の関心から離れてしまうとそうじゃなくなるわけですよ」
2010-03-21 19:22:50「これは岡崎乾二郎さんが言っていた話ですけれども、「国民絵画」っていう考え方があってっですね。「わが国の代表する絵画」。例えば、上原隆三郎とか。「わが国の絵画はどうあるべきか」という運動に日本画ってかんでたんです」
2010-03-21 19:23:50「その時に書かれた絵画っていうのはそのメタジャンル的な計算がなされていたんですけど、そういうのの期待が一切失われて日本画っていうのはつまりにかわで絵の具で描いた絵ってことになると1ジャンルに落ちちゃうんです」
2010-03-21 19:24:30