茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1927回【印象派でいえば、落選作家展、漫画でいえば、トキワ荘】連続ツイート

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート１９２７回をお送りします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。

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日本人は「印象派」が好きで、美術館だけでなく、百貨店の上でも展覧会をやる、その意味ではもっとも一般的な西洋絵画のジャンル、というイメージがあるけれども、一方、印象派の人たちは、反逆児でもあった。

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パリにはサロン展というエスタブリッシュメントたちがいて、しかしモネたちの絵は「プレネール」 (en plein air) で、野外で日があるうちにサササと描く臨場感のあるものだから、相容れず、受け入れられず、落選して、落選した者たちだけで展覧会をやったのが印象派の始まりだった。

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「印象派」という名前だって、モネの「印象、日の出」という作品のタイトルをもじって、当時のいじわるな批評家の人が「あいつらは印象派だ」といったのが始めで、今で言えばツイッターで炎上しているようなものだった。「あいつら下手くそだよ。絵画以前だな」みたいな。 pic.twitter.com/knyKfPTnoj

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ぼくは、もし、子どもたちに「印象派」のことを話すとしたら、美術館や百貨店で大人気の、いわば「カレンダーになっている正統派の西洋絵画」みたいな安定のイメージじゃなくて、反逆者、除け者としての印象派の起源を語りたいと思う。だって、それが子どもたちの心をいちばん動かすと思うから。

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漫画は、今ではすっかり立派なものになってしまって、大学で教えたり、映画やドラマの原作になって、すっかりメインストリームだが、しかし、トキワ荘のあたりを歩くと、ああ、あの頃に漫画のスピリットはあったんだなあ、と心から思う。

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子どもたちに漫画のことを話すとしたら、社会から馬鹿にされ、大人が読むもんじゃないと言われても、トキワ荘でがんばっていた、手塚治虫、石ノ森章太郎、藤子不二雄、赤塚不二夫といった人たちのことを話したいと思う。なぜって、それがいちばん子どもたちの心に響くと思うから。

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印象派でいえば、落選作家展、漫画でいえば、トキワ荘という原点以外に、子どもたちに伝えるべきことはないような気がする。エスタブリッシュされたあとの安定感は、間違ったメッセージを伝えるし、未来にはおそらくつながらない。

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以上、連続ツイート１９２７回「印象派でいえば、落選作家展、漫画でいえば、トキワ荘」をテーマに、７つのツイートをお届けしました。

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印象派でいえば、落選作家展、漫画でいえば、トキワ荘 lineblog.me/mogikenichiro/… pic.twitter.com/VtUQ0hoBHt

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