「海のシルクロードと将棋」「飛車は実在した「空飛ぶ」乗り物?」「中国古代官制和英用語集」

プトレマイオスの世界図に出てくるカッティガラは、漢の交趾(ベトナム)だと思われる。インドやビルマでは「象」だった駒が日本では「銀将」になった。中国の「象棋」は投石車が導入されるなど元の形から変化している。などなど。
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巫俊(ふしゅん) @fushunia

明治25年奉納の三国志の絵馬です。地元の方は、これが誰か知らなかったとか。 pic.twitter.com/FbB7lUvsal

2016-01-19 14:37:00
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海のシルクロードから伝来した日本の将棋

巫俊(ふしゅん) @fushunia

新刊の『地図の世界史大図鑑』(ジェリー・ブロットン)、大興奮の内容でした。2世紀のプトレマイオスの世界地図の解説によると、インド洋に「タプロバナ」という巨大な島があり、これは東アフリカから東南アジアに向かう航路上で見かける赤道の島を「巨大スリランカ」という風に誤認したものだとか。

2015-12-20 23:17:08
巫俊(ふしゅん) @fushunia

それを過ぎると、「黄金半島」が見えてきますが、これはマレー半島。半島の向こうに巨大な湾「カッティガラ」があって海がここで行き止まりになる。「カッティガラ」は謎だとありましたが、これって漢(ベトナム)の港湾の「交趾(こうし、こうち)」じゃないかな?

2015-12-20 23:18:49
巫俊(ふしゅん) @fushunia

日本の将棋の起源は、インドのチャトランガですが、北方経由説南方経由説があって、論争になっているようです。中国の現在の象棋」は、渡河戦闘を再現した「河海」というマップや、投石車の駒があるので、かなり進化して元の形から変わってしまったみたいですね。チャトランガは西欧でチェスになる

2016-07-03 22:00:19
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@fushunia 手に取りやすい本としては、増川宏一将棋の歴史』 (平凡社新書) があって重宝しています。2013年の本です。私は将棋が下手なので、対局の歴史というより盤上遊戯の伝来史として書かれているのが、うれしかったです。 amazon.co.jp/%E5%B0%86%E6%A…

2016-07-03 22:04:27
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@fushunia 南方伝来説を主張する増川氏は、東南アジアからシナ海へと入ってくる古代の貿易船の乗組員が遊んでいたゲームだろうと推測しています。ビルマに残っているものは、日本の将棋(小将棋)と似ている部分があり、日本の銀将がビルマでは「ゾウ」になっているなど、興味深い話でした。

2016-07-03 22:10:27
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@fushunia インドの→日本将棋の王将玉将司令官金将 ゾウ銀将 桂馬 )→香車 インドのチャリオット(戦車)が、場合によっては「船」になるのは、戦場での戦車の価値がしだいに低下していく歴史を物語るのでしょうか?悲哀を感じますね。

2016-07-03 22:39:01
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@fushunia 金将はインドの「司令官の駒が変化したもので、「最上位(金)の将」との名前にその形質がよく残っています。チャトランガも「4人制起源説」と「2人制起源説」が論争されてる状態ですが、2つ余った「王」の駒を「司令官」の駒として投入したのが金将の起源とする説もあります

2016-07-03 22:29:55
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@fushunia 鎌倉時代に大将棋の駒として「角行と飛車」が考案され、それが世界標準のルールに近い日本の「小将棋」(現在の将棋の原型)にも追加された結果、歩兵各兵科(金、銀、桂馬、香車)の間に、無双ユニットである「角行」と「飛車」が布陣することになったようです。

2016-07-03 23:10:37
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@fushunia 日本の香車(きょうしゃ)が、俗に「やり」と呼ばれるのも、戦車の突進機能には馴染みが無いので(日本では、戦闘用馬車は普及しなかった)、長槍に例えられたのかもしれないですね。

2016-07-03 22:57:58
春秋迷 @shunju_mei

香車やルークが突進しかできないのは元々チャリオットに当たる駒だったから。納得。

2016-10-30 11:09:04
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@shunju_mei 金、銀、桂、香という文字が書かれているのは、将棋を日本に伝えた貿易船の富を表しているそうです。桂馬の「桂」は、桂皮(シナモン)でしょうか。香車もそんな類のものですよね。

2016-10-30 11:21:33
Чебурашка(類似品に注意) @tokoyo

@fushunia 日本でも、以前は遊ばれていた中将棋や摩訶大大将棋などは駒の動きがより特殊だったり、持ち駒はなかったりしますね。chushogi-renmei.com

2016-07-03 22:08:08
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@tokoyo 小将棋の方が、2人制として世界に出て行ったチャトランガの基本パターンを踏襲しているようですので、中将棋以上は豪華版みたいな感じですね。

2016-07-03 22:12:58

取った相手の駒の再利用ができるのは「日本だけ」だそうです。
増川氏によると、室町時代くらいから定着した新ルールだと考えられるとのこと

巫俊(ふしゅん) @fushunia

中国の「象棋」(しょうぎ)については、古い形のものが残っていないので、陸のシルクロード経由なのか、海の経由なのか、よくわからないように感じました。囲碁盤の影響を受けて、マス目の中ではなく線の上を動くように変化しています。

2016-10-30 15:14:47
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@fushunia 中国の象棋(シャンチー)は、sdin.jp/browser/board/… こちらの無料ブラウザゲームで遊べるので、ちょこちょこやってたんですが、下手なもので勝てません(^^;

2016-10-30 15:20:21
巫俊(ふしゅん) @fushunia

あ~、中国の「象棋」(将棋のこと)には、「象」の駒が残っているので、「象棋」という言葉が温存されてるみたいですね。ただ、「象」の駒と「相」の駒があり、敵味方で「違う漢字」の駒を使うことになっています。これは、日本の将棋と違って、駒に向きが無いからです。

2016-10-30 15:27:40
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@fushunia 「象」と「相」では、意味が大きく違うのですが、果たして公園で象棋に興じている中国人は、ゾウだと思っているのか?それとも役人だと思っているのでしょうか?

2016-10-30 15:31:22

「飛車は実在した「空飛ぶ」乗り物?」

巫俊(ふしゅん) @fushunia

3世紀の西晋の学者・張華が書いた『博物志』によると、 「奇肱(きこう)の民機械をつくるのが得意で、それであらゆる食用の鳥を殺していた。飛車をつくるのが上手く、風に従って遠くまで行った。

2016-10-29 23:50:14
巫俊(ふしゅん) @fushunia

殷の湯王の時、西から大きな風が至り、その車を吹いて(中国の)豫(よ)州に到着した。湯王はその車を破壊し、民に見られないようにした。十年が過ぎて東から大きな風が至り、そこでまた車をつくって帰還させた。そうしてその国は(敦煌の西北の)玉門関を去ること四万里(の西域)にある」

2016-10-29 23:50:41
巫俊(ふしゅん) @fushunia

とあるようです。殷の初代の湯王というと、西域から中国に戦車が伝わったとされている時期に近いですけど、故事に湯王が出てくるのは、偶然かもしれません

2016-10-29 23:51:06
巫俊(ふしゅん) @fushunia

殷代の青銅武器は、南シベリアのアンドロノヴォ文化から伝播して国産化されたものだと見られ、アンドロノヴォ文化の遺跡からはチャリオットが出土しているそうです。現在のところ、中国の戦車は殷代後期の遺跡から出土したものが最古のようですが、馬車民との接触はもう少し早くてもおかしくないですね

2016-10-29 23:51:54