「平成の攘夷論」 (「平成の鎖国論」より改題) 講師: 内田樹 氏 2011-02-23 @iwakamiyasumi 氏のツイート。
内田樹氏のBBL。仙谷氏がのちほど参加するとののこも。もうすぐ大学を定年に。これからは好き放題のことを言って回ろう。そのマインドセットで、今日は話す。タイトルは平成の開国と言うが、あえて、平成の攘夷とした。そこには、含意がある。
2011-02-23 12:05:52続き。日本中がホットになるときは、攘夷のとき。幕末、戦争、そして戦後の安保闘争。マインドにおいては攘夷だった。アメリカに対するマインドセット。戦後、アメリカに対して、素直に見てこなかった。鬱屈していた。言語化して、自己治癒すべき。
2011-02-23 12:08:15続き。鳩山前総理の方便発言。全国メディアは叩き、沖縄のメディアは、評価した。鳩山さんは、沖縄の基地の抑止力は虚構だった、と明らかにした。では、なぜ、そんな方便を? 私は、核の存在の曖昧性ではないか、核は、記号的な兵器だから、ではないかとブログに書いてきたが、でも違うらしい。
2011-02-23 12:12:09続き。どうして日本の人たちは、米軍の撤去運動をしないのか? 韓国はすごいのに、とイギリス人ジャーナリストに言われたことがある。韓国における米軍基地撤去運動はすごい。韓国の軍人の1番嫌いな国、次に戦争する可能性のある国は、米国である。フィリピンも、最大の米軍基地が撤去された。
2011-02-23 12:16:01続き。なのに、なぜ、日本に米軍基地が? どうして残る? 答えが残る。東アジアで唯一、融和的な態度をとるのが日本であり、とりわけ沖縄は、快適なリゾートであるから。それを、総理は国民に説明できなかった。なぜなら、それは、日本が属国であることを明らかにしてしまうから。
2011-02-23 12:19:56続き。元総理が、奥歯にモノの挟まった言い方しかできないのは、そのため。TPPに、ついては、自分は、反対。話は飛ぶが、韓国は、若いエグゼクティブが集中的に入居するマンションでは、会話は英語のみ。理由は、英語を話せない住民を排除するため。国民的な階層化を図っている。
2011-02-23 12:23:03続き。すべての資源は集中して専門家が扱うべきだ、という考えが強固にあるからこそ、その反動で孫文や毛沢東のような極端な平準化を求めるリーダーがあらわれる。しかし、日本は、江戸時代も270の藩に分かれ、それぞれに統治した。極端な中央集権は、日本にはなじまない。
2011-02-23 12:31:23続き。中華思想は、すべての富を中心に集め、辺境はその恩恵にのちのち浴することができればいい、という考え方。鄧小平の先富論もその一形式。しFTAは、そうした階層化を好む思考様式に適合的。しかし、日本は、そうした階層化を好まない。必ず資源の分散を求める政治的力が現れる。
2011-02-23 12:27:37続き。米国のような国は、建国のイデオロギーがあり、それを中心に組み立てられた国。これもまた、日本と違う。世界中の国々は、みんな成り立ちが全部違う。それぞれの国には、それぞれの事情があり、日本には日本の事情があって、それを大切にすべき。
2011-02-23 12:34:33続き。日本の事情とはまず、少子高齢化。このシュリンクしてゆく条件を前提に受け入れていくべき。タクシーで聞いた話。森を守るために、森を買いませんか?という話に、コロッとひっかかる。身銭を切っても森を守りたい、と思っている日本人がたくさんいる。同様に、身銭を切って農業を守りたいと思う
2011-02-23 12:38:19続き。効率悪くても、安定的でありたいと願うのが日本人の多く。開国論の前提には、一円でも安ければそれでいい、という考え方を、世界中の人間が同じようにするはずだ、カネだけの自己利益を追求するものだ、という思い込みがある。そんなものではない。人間はカネだけではなく、物語を必要とする。
2011-02-23 12:43:07続き。大阪の橋下知事、カネの話ばかりする。名古屋の河村たかしさんもそう。そういう政治家が、リアルな政治家としてもてはやされるが、賛成できない。カネの話ではなく、我々の持っているポテンシャルをいかに発揮するか、そういうことを語ってもらいたい。私は今、道場を作っている。
2011-02-23 12:47:09続き。公共の場としての道場。すると協力者があらわれる。伝統的な資産を個人として継承してゆく営み。これは、私人ではなく、公民としての営み。公民性を発揮して生きる、とは、やせ我慢していきる、ということ。人間は、すべて私人として自己利益の最大化を図ろうとするものだ、という考えに反対。
2011-02-23 12:51:10続き。公民性をもつ国民とは、大人であり、時に自己利益の追求を控え、国や公共性のために力をつくそうとするのが、公民。そういう大人が国民の全員野球ではなく、15%くらいを占めていれば、国はうまく回り出す。国民の 知性を信じること。新聞・テレビの国民に対する見下しは、不愉快。
2011-02-23 12:57:03続き。仙谷由人氏がマイクを。内田氏が、語ったのは、外交政策としての攘夷ではなく、日本人のアイデンティティーとは何か?もうかりまっか、だけではないのではないか、という気がします。内田氏の言う公民性と、社会性、他者の存在、どこまで重なり合うのか。聞いてみたい、と仙谷氏。
2011-02-23 13:00:14続き。ホッブズ、ロック、ルソーも、自己利益を最優先してしては今日と歌いも国家も成り立たないということを論じていた、と内田氏。ここで、松井さん。内田さんの主張は、仙谷の進める平成の開国政策は、公共性の欠けた政策ではないかという問いかけ。婉曲でまだるっこしい内田氏の話をさっと要約。
2011-02-23 13:07:38続き。仙谷さん、在日差別も、減ってきた、と、そうとう遠回しの話。開国は、海外の多くの1人もたちと、共有して行くのが必要。国内にとどまるのは、心地よい沈没である。開国こそは、公民性、他者との共存を、すすめることと、うまくすり替え。
2011-02-23 13:11:47続き。松井さん、現政権の開国とは、米国に対する開国、仙谷さんの話は、アジアへの開国の話、むしろ鳩山政権は、東アジアへの開国をみていた。
2011-02-23 13:15:50内田氏が答える。米国主導の世界再編には懐疑的。人類でもっとも優れたものはアメリカにある、アメリカが生き残るのが、最優先という理念で動く。
2011-02-23 13:20:33続き。(何かの本を示しながら)、小泉は、アメリカに追随しながら、アメリカの没落を用意した。ならば、TPPも、高度なマヌーバー戦術たることはできるか?(笑)。
2011-02-23 13:23:39