朝日新聞記者・三浦英之(@miura_hideyuki)アフリカ特派員が語る、記事に書けない南スーダンの真実(2016/11/06~12/2)+所感

モーメントにもまとめてあります。 11/6のツイート分 https://twitter.com/i/moments/795265656597848065 ※ 11/15のツイート分 https://twitter.com/i/moments/798877980822937601 11/18のツイート分 https://twitter.com/i/moments/804638666437992448 続きを読む
16
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

㉕こうして政府軍や国連の都合の悪いことを書き続ければ、いずれは現地で取材ができなくなるかもしれない。身の危険があるかもしれない。でも今は書かなければいけない。それは今こそが、日本の安全保障が正念場だから。私は自衛隊に撃ってほしくない pic.twitter.com/dkIq6xYtmd

2016-11-06 23:09:55
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

㉖東日本大震災の崩壊した現場で自衛隊は本当に輝いて見えた。子どもの遺体を抱え、若い隊員たちは泣いていた。もう一度、自国ではなく、他国の領域で武器を持つと言うことの意味を、そこに絶対的に必要な謙虚さと慎重さを、真剣に議論した方がいい(終) pic.twitter.com/lghQmhiWCV

2016-11-06 23:13:34
拡大

[追記:2016.11.15]

「駆け付け警護」付与決定の日の思い

三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

①南スーダンに入った。日本政府は15日、同国に派遣されている自衛隊に駆けつけ警護を付与する方針だ。自国以外で武器を使うことをかたくなに禁じてきた日本が、ついに海外での武器使用の拡大に踏み切る「初めの一歩」。今日見たことを伝える pic.twitter.com/wcY8UHa2Id

2016-11-15 00:40:15
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

②今年7月、現地では政府軍と反政府勢力との間で大規模な戦闘が起きた。実はその時、自衛隊の宿営地のすぐ隣の建築中のビルで丸2日間、激しい銃撃戦が起きていた。その現場に今日、政府軍の副報道官の案内で入った pic.twitter.com/jFJs777iZS

2016-11-15 00:43:34
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

③「ここに反政府勢力200人が立てこもり、自動小銃やロケットランチャーでバンバン撃ち始めた。政府軍は400人と戦車で反撃。敵は弾薬を使い果たして逃げた。23人を殺し、政府軍兵士も5人死んだ」。ビルに昇って驚いた。目の前に広がったのは自衛隊宿営地の全景。宿営地のすぐ隣の建物なのだ pic.twitter.com/N2JUlK7VJp

2016-11-15 00:48:49
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

④宿営地の写真はあえて出さない。でもすぐ隣で日本国旗がはためき、自衛隊員が車に乗り込んだり、道を歩いたりしているのがはっきりと見える。副報道官は「(自衛隊)撃とうと思えばこの距離だから簡単に撃てるが、意味がない。奴らは(自衛隊宿営地のすぐ隣にある)空港を占拠するつもりだった」 pic.twitter.com/bbCbK62y0y

2016-11-15 00:51:48
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑤先月ここを訪れた稲田防衛相や今月来た柴山首相補佐官は一体何を見て帰ったのだろう。何より現場の自衛官からどんな報告を受けたのか。戦闘はなかった、はずはない。まさに自衛隊の隣の建物で200人と400人が2日間もバンバン自動小銃やロケットランチャーを撃ちまくっているのだ pic.twitter.com/cEN6d4Nptl

2016-11-15 00:54:24
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑥この1カ月、現場取材を繰り返し、南スーダンの現状をできる限り性格に見ようと努めた。実態が少なからず明らかになり、政府との見解や認識がいかに「絵物語」であるのかが浮き彫りになってきた。以下にまとめる pic.twitter.com/OVXBVFeHNG

2016-11-15 00:56:01
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑦▼10月20日、政府軍と戦闘を続ける反政府勢力トップが私との電話取材に応じ、「和平合意は崩壊した」と認識示す▼同25日、国際人権団体が7月の戦闘で国連部隊の近くのホテルを襲い、外国人を含む複数の女性を集団レイプしたのは80~100人の政府軍兵士だったと発表 pic.twitter.com/NvqOpbiQ2S

2016-11-15 01:00:12
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑧10月31日、同僚記者が南スーダンPKOトップと単独会見。「施設内にも180発の流れ弾が当たった」と言及▼11月1日、私が大規模略奪のあったWFP食料保管施設を訪問し、政府軍兵士らが略奪行為をしている現場を目撃。朝日新聞紙面で報道 pic.twitter.com/sWnHMTbvb0

2016-11-15 01:07:51
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑨▼11月1日、国連が市民を保護する活動に失敗したと発表。▼2日、南スーダン政府情報相が同僚と単独会見し、「政府軍と国連部隊が一時交戦」と発言▼9日、ケニアが南スーダンPKOから撤退開始▼11日、国連の事務総長特別顧問が現状を「ジェノサイド(大量虐殺)になる可能性がある」と警告 pic.twitter.com/ccOVKSPnRC

2016-11-15 01:13:34
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑩こんな状況で、政府はどのような「見解」に基づき、自衛隊に武器の使用拡大を認めるのだろう。現実を無視して、自ら描いた夢物語で部隊を動かせば、立ち上がれないくらい傷ついた、あの15年戦争と同じ轍を踏むことにつながる pic.twitter.com/ET6U5zdYtm

2016-11-15 01:17:29
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑪ご存じの通り、駆けつけ警護は単なる安保法制の第一弾ではない。海外における自衛隊の武器使用の範囲が緩和によって、自衛隊は前よりずっと撃ちやすくなる。もちろん、今はまだPKOだ、国際貢献だ。でも「彼ら」の視線はたぶん、ずっと遠くを見ているはずだ pic.twitter.com/T1jTCSOO9V

2016-11-15 01:24:36
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑫米国でトランプを支持した人々の一部は間違いなく軍需産業の人たちだろう。朝鮮、ベトナム、湾岸、イラク。米国は一定の周期で戦争を繰り返している。それをビジネスとしてとらえる人々は、オバマやヒラリーではなく、かつてのブッシュのような好戦的なリーダーを待ち望んでいたはずだ pic.twitter.com/CQQVaGYiWH

2016-11-15 01:26:42
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑭巨大な同盟国に分別のつかないリーダーが誕生した今、昨夏に集団的自衛権を認めた祖国の過ちの深さを知る。我々は「米国は常に正しい」と信じようとしていなかったか。その大前提が崩れた今、気がつけば私たちは同じ舟から降りられないでいる pic.twitter.com/r9j4M9bGKm

2016-11-15 01:35:03
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑮もし今後、自衛隊に一人でも犠牲者が出たらどうなるか。政府と一部の市民は感情にとらわれて、現場から撤退するという選択肢を失う。今の流れがどんどん加速してしまう。政治家が戦争を始めるときに欲するものは鉄と血、そして何より都合のいい悲劇だ pic.twitter.com/zM4wyJiDVC

2016-11-15 01:39:07
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑯いつもは原稿が記事になった後、個人的な思いを加筆してつぶやいてきた。でも今日だけは原稿にしていないものを流す。駆けつけ警護の付与判断に間に合わないから。代わりに翌日、新聞やテレビのニュースを見てほしい。そして考えてほしい。これは自衛隊の問題じゃなく、私たち日本国民の問題だから pic.twitter.com/26gtIei5a9

2016-11-15 01:42:55
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑰憲法9条をそらんじる。日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と武力による威嚇又は武力の行使は国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する。武力による威嚇、武力の行使。私たちは今、長年守り続けてきたものを南スーダンで失おうとしている(終) pic.twitter.com/zdTJrzWosA

2016-11-15 01:48:22
拡大

[追記:2016.11.18]

「どうしても提起しておきたい問題」

三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

①混乱の南スーダンにいる。現場で取材を続ける者として、どうしても提起したい問題がある。先日新聞紙面でも紹介したが、自衛隊宿営地のすぐ隣に建つ建設中の9階建ての建物の問題だ。職業記者の倫理と使命に従い、慎重に記す pic.twitter.com/H7o1uACJPe

2016-11-18 20:07:37
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

②自衛隊の宿営地はこの9階建ての建物のすぐ横にある。建物に昇ってみて、目を疑った。宿営地の様子や配置、隊員の行動が丸見えなのだ。例えれば、中学校の校舎屋上から目の前の校庭を見下ろすような感じ pic.twitter.com/uAMLajXM4r

2016-11-18 20:10:14
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

③全景は警備上の理由から掲載を避けるが、実際には私の70ミリレンズでもここまで撮れてしまうほど近い(画像にはフィルターをかけている)。狙撃銃なら簡単に狙えるし、肩掛け式ロケットランチャーを撃ち込まれれば、多数の死傷者が出てしまう pic.twitter.com/8n9ZEZN9O5

2016-11-18 20:13:50
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

④しかも、この建物は7月の戦闘時、実際に反政府勢力に奪取されて立てこもられ、2日間にわたって政府軍と銃撃戦が起きているのだ。ここを奪取されたのは自衛隊を含む国連部隊の戦略上の完全なミスだと思う。少なくとも銃撃戦の間、自衛隊は「丸裸」だった pic.twitter.com/FtQ88Wiiob

2016-11-18 20:14:48
拡大
三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑤そしてそのミスは今も続いている。7月の戦闘は「想定外」だったのかもしれないが、11月14日、私が現場を訪れてみると、建物の入り口には政府軍の兵士が4人、カラシニコフ銃を壁に立てかけたままで、地面に寝ていた。未だにほぼノーガードなのだ pic.twitter.com/R0jRntrLfE

2016-11-18 20:15:53
拡大