フォビドゥンフォレスト２話「バケグモ大進撃」 #20 「決着」

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

「フォビドゥンフォレスト２話「バケグモ大進撃」 #19 「選択」」をトゥギャりました。 togetter.com/li/1046398

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

●●●●■□■○○◇△

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

（前回のあらすじ：新種野郎を電撃で抑えた俺だが、長くは保たねぇんで攻め手を変えた。奴の構成パーツの特性を把握し、予知で未来を選んで戦う。だが負荷で脳に限界が近付き予知が止まっちまった。そこに唯一謎だった末尾パーツの攻撃を食らっちまった。恵里の刀も折れ、疲れが見えている…！）

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

「ハルッッ！！避けて！！！」

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

恵里の声。目が覚める。新種野郎は体を前に倒してやがる。今度は前側の三節で地面を掴んで、後ろを起こしてやがる。サソリみてぇ姿勢だ…何を避けろって？毒針も投網もまた暫くは弾切れの筈だし、あの姿勢じゃあ撃てねぇだろ…？だがよく見ると最後尾の脚の筋肉に緊張が見える。

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

その攻撃を防げたのは完全なまぐれだった。正確に言えば防げてもいねぇ。刃４枚を犠牲にソレを受け止めてなお勢いが止まらず、刃で体を壁に叩きつけられた。糸だ。俺本体が巻き取られるのだけは防いたが、ダメージで暫く動けそうにねぇ。剣もどっか行った。恵里がいなきゃ完全な形で食らっていた。

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

奴の脚が撃ち出したのはジェットみてぇな勢いの糸だ…！！アイツはそうだ…！ツリイトバケグモだ！間違いねぇ。デカい目で遠くから獲物を狙って糸を撃ち出す。大抵は囮に糸を撃たせて居場所を特定し、魔力を込めた飛び道具で爆殺しちまうから、形態に関する資料が少ねぇ奴だ畜生！！

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

フォビドゥンフォレスト２話「バケグモ大進撃」 #20 「決着」 実況・感想タグ： #禁森実況

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

全身が痛ぇ。特に背中は骨にヒビくらいは入ったかも知れねぇ。俺はぶつけられた岩壁から地面にずり落ちる。左に新種野郎、その先には雑魚グモと戦いながらも俺に何が叫び続ける恵里が見える。正面の何ｍか先には糸に巻かれた俺の刃４枚と剣が一本。もう一本はどこだ？ 1

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

野郎は俺に近付く、と見せかけて途中で体を恵里の方に曲げて歩き出した。俺はもう戦力外ってかよ。根元の脚を何本かやったから走れはしねぇようだが、そもそも１５ｍもねぇ距離だ。このままじゃ恵里がやられる。体を引きずって身を起こす。いいぞ…手はなんとか動く。俺は－ 2

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

ワイヤーガンを天井に撃ち込んで跳ぶ。途中で手を離し空中前転する。曲げた背中にひでぇ痛みが走り、額に汗が滲む。俺は堪えて、奴の無防備な背中に飛び蹴りを放つ。…筈だった。奴は振り返り長い脚で俺の腹を打つ。息が止まる。衝撃で吹き飛び切る前に、高速展開した隠し脚が俺を真っ二つに… 3-1

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

気合を入れて立ち上がる。体がふらつき、倒れ込みながら数ｍ先の剣を引っ掴む。剣から念波を送り刃を呼び戻す。糸に巻かれた４枚じゃ無ぇ。恵里の近くの壁に刺しておいた３枚だ。狙いは…奴の脚。奴の体が死角になってよく見えねぇから大雑把な狙いだが、何とか左側の足元に命中させた！ 3-2

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

斬り落とすまでには至ってねぇが、傷を付けふらつかせることには成功した。これで良い。ワイヤーガンでジグモ部分の太い右脚を掴み、左側から全力で引く。右回転の力が加わり奴は転倒した。 「＆＆！！！！！」 奴が悲鳴を上げる。効いてる。下手すると蹴ったときより痛がってんじゃねぇか？ 4

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

突進攻撃をするだけあって縦方向の衝撃には強ぇのかも知れねぇ。早く気付いときゃ良かった。俺は奴が動こうとする度に断続的にワイヤー越しに電撃を放つ。全身を麻痺させ続ける威力にはならねぇが、これなら少しは長く保つ。俺は恵里の様子を見る。まだ親グモ数匹と子グモ十数匹が残っている。 5-1

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

通路の奥にも隠れてんだろうが、恐らく恵里にびびってすっこんだ連中だ。すぐには出てこねぇだろう。他の生き残りもＢ級以下、見るからに逃げ腰だ。たまにヤケになって攻撃した奴から恵里に倒されてるみてぇだ。恵里と目が合う。無言で頷くと手近なクモを蹴り飛ばしてこっちへ走り出した。 6-1

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

天井にワイヤーガンを撃つ。刀の根元側に鞘を付けて跳ぶ。ワイヤーを離して刀を振り、鞘を先頭の顔にぶつける。そして折れた刀を振り下ろす！ 「せ…りゃあああっ！！！」 恵里の狙いはナガヤリの右脚二本だ。俺は反撃を抑えるべく、命中の直前に一瞬だけ電撃を放ちすぐ止める。 7-1

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

恵里の刀は更に刃溢れしながらも、厄介な脚をぶった斬った。四節目のヤリの右脚まで全滅だ。ナガヤリ共々左は残ってるが、隠し脚はこれで全滅だ。一瞬、恵里と笑みを交わし…次の瞬間、それは起こった。俺が縛り付けてたジグモの脚がすっぽ抜けた。同時に先頭の二節も千切れる。自切だ！ 8-1

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

俺はワイヤーを引いていた勢いで再び壁に叩きつけられ、呻く。今度こそ骨が折れたかも知れねぇ。恵里は空中で掴んだ鞘と刀で、二節分の肉塊を受け止める。その塊をヤリグモの脚に押されて飛び退く。肉塊の上部、一節目が更に千切れ、恵里を掠める。雑魚グモ達の中へ吹っ飛ばされる。 9-1

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

恵里は刀を更に刃溢れさせながらも、厄介な右脚を四節目までまとめてぶった斬った。 「恵里ぃ！」 俺は声を掛け、恵里の後ろに３枚の刃を急いで回す。タイミングを見計らいワイヤーガンを離すと、俺がやったかのように綺麗にジグモの脚がすっぽ抜ける。奴の頭はそのままだ。 8-2

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

俺が半分外れた予知に戸惑う中、恵里は刃を跳んで雑魚共の方に戻っていく。新種野郎はその恵里に体を向け、地面を脚で掴む。数が大分減ったがまだ力はある。突進か？俺は逆手に剣を構え、力を貯める。いざとなりゃ跳んでいってぶっ刺すつもりだが迂闊には動けねぇ。誘いの可能性もある。 9-2

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

中程まで後退した恵里に、新種が頭を飛ばした。先頭の一節目だ。 「恵里！」 俺は肉塊を回避する位置に足場を動かす。恵里は奴を見据えたまま、音と気配、奴の後ろに僅かに見えるだけだろう俺の目線だけで俺の操作に合わせて足場を踏む。そこへ奴が二節目を放つ。嘘だろ！？ 10-1

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

今は足場の刃は３枚しか無い。今蹴った刃、次に蹴る刃を用意しといて、その間に３枚目を更に次の場所に動かすローテ用の最小限だ。急な変化に対応すんのは辛い。なんとか二節目を躱すと、三・四節目が立て続けに飛んでくる。危うく三節目を躱し…ナガヤリの脚が恵里を叩き落とした。 11-1

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

恵里が刃を跳んで雑魚共の方に戻っていく。野郎はその恵里に体を向け、地面を脚で強く掴む。俺は逆手に剣を構える。 「アアアアアッッ！！！」 奴が恵里に先頭の一節目を飛ばした瞬間、俺は激痛を堪えながら駆け出し、奴の側面に跳び掛かった！誘いならそれでいい！やってみろクソが！！ 9-3

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

七節目のトビグモ脚が俺に鋭い蹴りを放つ。そいつは知ってんだよアホが！俺はタイミングを合わせ蹴り足の上に乗って跳んだ。足に飛び蹴り以上の負荷が掛かり、痛めた背骨が赤熱する。 「があああっ！」 二節目を飛ばした直後の三節目の背中に、辛うじて剣を突き立てる。両手で掴む。 10-2

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

見れば、四節目との継ぎ目になってる三節目のナガヤリの後ろ脚が離れる準備をしてる。危ねぇ危ねぇ…そうはさせっかよ！死ね！四節目を脚で挟みながら、ナガヤリの背を何度もぶっ刺す。 「オラァッ！」 剣から電撃を放つ。 「らぁっ！」 縫い直すように継ぎ目を刺す。 11-2