「行き過ぎたポリコレ」とやらを話す暇があったら私の疑問を解決してくれ

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ショーンKY @kyslog

ポリティカル・コレクトネスがらみで色々うるさいので自分も自己防衛的言説を出さざるを得なくなったので書いておく。私はポリコレ批判をするけど、それは「ポリコレvs反ポリコレ」ではなく「ポリコレvsポリコレ」という場合に行っている。ポリコレは内部矛盾することがある。

2016-11-10 21:18:23
ショーンKY @kyslog

大枠。ポリコレの源流に人権主義・啓蒙主義があるが、これは「人権のルールが分からない土人は人権主義に則った法で裁いてよい」という植民地主義の正当化につながったと告発され、ポストコロニアリズムが生まれ、「啓蒙主義に従え」「啓蒙主義の支配を打破」という矛盾を抱え込むことになった。

2016-11-10 21:18:39
ショーンKY @kyslog

これの分かりやすい例。親が赤ちゃんにピアス穴をあけるのは子供の自己選択権の侵害であり身体的虐待とみなされる。しばらく前にドイツでムスリムやユダヤ教徒の幼児割礼はピアス穴と同様の虐待であると訴えられ、原告が勝訴して宗教的割礼は違法とされた。

2016-11-10 21:18:50
ショーンKY @kyslog

これに対して割礼禁止は宗教の自由、子への宗教教育の権利の侵害だというムスリム・ユダヤ連合の運動がおこり、彼らへの差別と取られると致命的なドイツでは特別立法でこれを許可した。しかし、一部ムスリムの行う女子割礼は違法な虐待で廃絶運動が行われている。

2016-11-10 21:18:59
ショーンKY @kyslog

ここでは子供の権利、マイノリティの権利、信教の自由の権利が複雑に入り混じっていて、マイノリティの宗教を保護するためなら子供や女性の権利を侵害してよいのかとか、カトリックが同じことをしたらどうなのかとか、恣意的で場当たり的な運用がなされている。

2016-11-10 21:19:10
ショーンKY @kyslog

次に身近な例。しばらく前に駒崎さんや千田さんの「親権は母親が持つのが当然で共同親権を許す法律は保守的家族主義のバックラッシュだ」という主張がRTされていた。しかし自分はこれに違和感を持った。なぜなら国際的には保護者の選択は子供の権利とされているからだ。

2016-11-10 21:19:25
ショーンKY @kyslog

家父長制や大家族主義への反対という歴史的文脈からいえば母親の親権は守るべきものなんだろう。しかし、その時平気で子供の権利を踏みにじるのはいかがなものか?そう書いたところ、「保護者を自分で選びたかった子供」の方からフォローいただいた。

2016-11-10 21:19:37
ショーンKY @kyslog

もう一つ例を。「国境を越えた人の移動の自由」はEU的大正義で金科玉条のように思っている人も多いと思うが、先進国であれど原住民を弱者化させるので制限もやむなしというリベラルからの意見だって出ることもある。単純ではない。togetter.com/li/953161

2016-11-10 21:20:01
ショーンKY @kyslog

これ以外にもいろいろあるので、マイルドな方ではtogetterの他のまとめや、刺激的なエントリに耐えられるなら私のブログのほうでも見てほしい。

2016-11-10 21:20:16
ショーンKY @kyslog

加えれば、恣意的な基準で懲罰を与える行為は、虐待や洗脳で効果的に精神を破壊し、無気力や怒りを誘発してしまう。人権vs人権、ポリコレvsポリコレの矛盾や判断の恣意性は可能な限り取り除くべきで、これを放置していては本当に「ポリコレ無気力」を誘発してしまうと考える。

2016-11-10 21:21:03
ショーンKY @kyslog

特に知識人・アカデミシャンを自任するなら、ソクラテス以来の「自分が自分に対する最大の批判者である」という哲学精神を失わず人権vs人権の矛盾に立ち向かうべきだろう。私はそれができない人をアカデミシャンと認めたくないし、アクティヴィストでしかないと判断する。こちらからは以上です。

2016-11-10 21:21:34