丹生谷貴志ツイートまとめ(2016年10月)

丹生谷貴志さんの2016年10月のツイートをまとめました。
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nibuya @cbfn

余談。世界を、自分が生きている場所・生きるべき場所という風にではなく「そこを死んでゆく場所」という風にしか思考出来ない「思考グセ」・・・その結果、何というか、世界の縁から中に向けて、沼から目玉だけを出して世界を見ている体のないカエルか何かのような感じが・・・フトすることがあり・・

2016-10-02 05:48:21
nibuya @cbfn

東海晃久が『死せる魂』の鏤刻の新訳を届けてくれる。まだ読み始めてもいないが金井さんの深切な推薦文を見ながら唐突に、昔々、ジュネの『泥棒日記』の朝吹三吉さんの冥い玻璃めいて何故か野原の匂いもする訳文を手に入れた時の気分を思い出し・・・大仰に、全世界が手元に落ちて来たかのような・・・

2016-10-02 06:02:11
nibuya @cbfn

・・・しかし例えば安部公房の『カンガルー・ノート』の、地下下水道を水進(?)ベッドで移動しながら、ふと立ち寄るデパートの奇妙な裏口の、何一つ考えるべきものもない場が、今まで読んだあらゆる小説の中で最も好きな場の一つであったりする自分の偏向に考え込んでしまう時もあって・・・

2016-10-03 06:00:09
nibuya @cbfn

・・・偉大な小説(!)は絶対的に真っ平らであるべきだ・・・

2016-10-03 06:14:09
nibuya @cbfn

余談。不意にミステリー小説でもと思い、最近の作の鬱陶しいほどの長さと価格に驚き、流行り(?)らしい北欧系は何故か幼児期DVの残影ばかりにしか見えず・・・まあ、要はあらかた互いに不幸そうな誰かが誰かに致死的危害を加えるだけの話だろ、と身も蓋もない気分に陥りAmazonをスルーする・

2016-10-04 11:50:58
nibuya @cbfn

「ゴダールは現実を宝庫のように扱う、それが彼への不満だ。僕らは現実を超え出ねばなぬ」という或る日本人詩人の一文、1968年の文章だから今として真に受けて読む必要はなく、そうとしてみればこの初々しい「間抜けさ」は間抜けさゆえに砕け散る前の神経叢の緊迫の震えくらいは伝えて寄こす訳だ。

2016-10-05 12:37:28
nibuya @cbfn

余談。イーストウッドの新作はトム・ハンクスの営業活動で妙に派手だが映画そのものはとんでもなく白白と淡白な・・・まるで、誰一人感動なんかさせる気などないという密かな悪意が徹底されているかのようなフィルム・・・その意味で、相変わらず不気味な監督と言うべきか・・・・

2016-10-05 18:05:47
nibuya @cbfn

職場の空き時間に久しぶりに駅前本屋・・・「西欧史観を抜け出よ! サイードより過激な提言」とかいう新書本の腹帯を見て苦笑。その提言自体が「西欧史観」の産物に他ならないことへの無自覚。サイードはさすがに自身の視点自体が西欧的であること、そこから自由でありえないことを自覚していたはず。

2016-10-07 09:33:30
nibuya @cbfn

「批評的な場そのものの心身と成ること」こそが今や「真理と非真理の中空に身を置き、多文化性実存そのものであるための生の技術の要請である」という言明はいまや「真摯な思考者」の教導-嚮導であることに何ら反意を持たないが、和語思想書のどれもこれもがそれを反復するとなるといささか食傷する。

2016-10-09 14:22:27
nibuya @cbfn

余談。自己批評のエコノミー・・・例えば自分より三十年前辺りに誕生日を持つ者たち以降の作物やらを理解する(小説、音楽、映画、思想、アニメetc...)。無論「理解」は承認を意味しない。承認するにしても距離化を旨とし、必要なら否定・解体・破壊も含む。残余は何か?・・・

2016-10-09 20:52:07
nibuya @cbfn

人間が記号的動物ならば、その属性として文を書き物語を書き絵を描き音楽を生む筈だが、それ自体は何ら「芸術」とは関係がない。「芸術」と訳された語の「内実」は或る限定された時期において形成された「余剰」であり、おそらく半世紀ほど前に期限を終え蒸発したと思われる。記号動作は旧に復し・・・

2016-10-10 00:52:18
nibuya @cbfn

自分以外の誰にも還元され得ないだろうことの執われであること、自身にすら還元され得ないだろうことの執われであること、この無情な無益はそれこそ誰によっても「許諾」されないありように見えるが、実はこのことはおそらく「自然科学的な」事実の認証であり、そこに「神」を要請するのは拙速で・・

2016-10-12 10:49:36
nibuya @cbfn

我々はその本質的無益さをさしあたり「有益」と見なせなくもない行為に分配するかのように自己説得することで社会を生きている訳だが、時にその仮想の有益性を自身の本質だと思い込こんでしまうと、「本質的無益」はあってはならない理不尽さ、沼のような不安-恐怖としてその者に逆襲して来もする訳だ

2016-10-12 11:35:40
nibuya @cbfn

フロイト風に言えば?存在の無益さが恐怖として逆襲して来る時、それはひとまず「無益なるもの」への憎悪としてその抹殺の様相を帯びもし、実際はそれは自身の本体である無益さへの恐怖であることを隠蔽して・・・「弱者への愛には、いつも殺意がこめられている」(安部公房)ということになりもし・・

2016-10-12 11:49:08
nibuya @cbfn

「夜の都会は糸がちぎれた首飾り」と安部公房、劇中歌の歌詞だから陳腐なのを嗤う理由はなくて、こういう陳腐さは嫌いじゃない。「今夜、きみ/スポーツ・カーに乗って/流星を正面から/顔に刺青できるか、きみは!」知る人ぞ知る吉増剛造、六十年代半ばの「新風景」を具象できねばこれも陳腐か・・?

2016-10-13 08:55:30
nibuya @cbfn

「ローラースケートを履いてでよければルーヴルに行ってもいいわ、これ、これ、これって時々指差しながら走り抜けるのよ」とヴォネガットの姉アリスは言ったという。ポンコツのルノーを運転しながら喧ましく嗤い喋り続けるフーコーの姿を彼の従兄弟?から聞いたことがある。フーコーの書く「歴史」・・

2016-10-13 09:31:46
nibuya @cbfn

シャプサイ・ジスル、ロバート・ツィンマーマン、ことボブ・ディランがノーベル賞はめでたいも何もないのだが、すぐアップルサイトを開いても彼の気配もない。初代アップル機にディランの曲を歌わせたジョブスなら早速顔写真で埋めたろう。ピンチョンもいろんな含みを込めて「ケケッ」とか言っているか

2016-10-14 10:29:26
nibuya @cbfn

N文学賞は平和賞とともに政治的やらの思惑の絡む「ためにする賞」の気配が濃厚なのは周知、そのことに今一番懐疑的な気分でいるのは多分ボブ・ディラン本人でしょう。仮に辞退したとしても、サルトルを見ればわかるように「N賞を辞退したN賞作家」として栄誉記載されはするのだから逃げ場のない真綿

2016-10-16 13:37:20
nibuya @cbfn

・・知る人も多いだろうように枚方あたりは大阪から京に淀川を登る船が一時泊まりにした場所で、一応その記念の痕跡は散在するが何が残されているというほどでもなく、例えば天誅組の誰それが緊張した面持ちでここにいたかと感傷的か回顧的か思って見ても、川岸周辺に見つかるのは・・・猫の屍体とか

2016-10-16 14:18:59
nibuya @cbfn

例えば『言葉と物』を今見ると「青春の書」だったと感じ、無論著者の青春性(!)やら「青年が読むべき書」という意味でもなく、六十年代が本質的に「青春の緊迫」の時代だったということなのだが、周知のようにそれに続いて急激に「老年」が来て、老年は幼時に通底し、その死の空間の重力の中で・・・

2016-10-18 05:40:48
nibuya @cbfn

・・・余談。以前も書いた気がするが、まあ、相手の思考の動きに対して繊細になる気力が一切ないときはさしあたり相手の年齢に三十歳を足し「その世代の言説特徴」を思い描いて見ること。むろん急場凌ぎだが、さしあたりの粗い遠近法を開いてはくれる。時間と社会心理学の経済・・・

2016-10-20 08:58:03
nibuya @cbfn

・・・余談。ボブ・ディランは例えばフーディニーのように「水中の密閉の部屋からの魔術的縄ぬけ箱抜け」を敢行しようとしているのかもしれぬ、と想像して見ること。何はともあれ「部屋男=箱男」を意味するZimmerrmann という名からは抜け出したのだから・・・さて・・・・

2016-10-20 09:13:26
nibuya @cbfn

・・・差し当たりは例えばペキンパーの『ビリー・ザ・キッド』でも見直して見ること。クリス・クリストファーソンはとても21歳の小男だったビリーには見えないけれど・・・その巨体の傍に現れる「エイリアス」ことボブ・ディランの神経質な小男ぶり・・・むろん例の哀歌『天国の扉』が流れ・・・

2016-10-20 10:12:28
nibuya @cbfn

余談。今こそディランを聴き込むなんてド素人の酔狂もないが、『セルフ・ポートレイト』は箱の底あったはず、『ブルームーン』が聴きたいと・・・見つかったのは”Love and Theft."だけで、なんかトム・ウェイツみてえだなと思った記憶だけしかないCDを流し・・・一応ファン心理。

2016-10-22 21:11:06
nibuya @cbfn

余談。幼時からの絵本や童話の読書習慣(?)の有無が統計上どんな結果を生むのか知るはずもないが、自分に関しては、「幼時の読書経験」がほぼ完全になかった記憶があり・・・その結果? 或いはいわゆる物語やストーリーといったものに対して殆ど興趣も熱中も感じないのはそのせいかも知れず・・・・

2016-10-22 23:50:47