- eigakawaraban
- 86590
- 370
- 57
- 199
女性が社会進出したことで、少子化が進んだと考える人がいる。確かに両者には相関関係がある。しかし因果関係としては「女性の社会進出→少子化」ではなく、「少子化→女性の社会進出」という順序になっているのだ。 fb.me/8h0EIiIJU
2016-11-17 16:24:40人口を維持するには合計特殊出生率が2.07ぐらい必要なのだが、日本は昭和30年代半ばに既にこの数を割り込むようになった。昭和49年以降は、一度も2.07を達成したことがない。少子化一直線だ。
2016-11-17 16:27:55日本の合計特殊出生率は昭和40年代の終わりには、既に人口を維持できない水準になっている。この時代の日本で、女性の社会進出が十分に進んでいたとは思えない。日本は「少子化」が先にあって、その後に「女性の社会進出」が本格化したのだ。
2016-11-17 16:29:23出生率が下がって女性が出産や育児に時間取られなくなったことで、女性に時間の余裕が生まれた。その時間を活用するために、女性が社会に出て働くようになったというのが実態ではないのかな。
2016-11-17 16:31:11出生率が人口維持水準を下回るという意味での少子化は、今から50年前にはもうはじまっていたのだ。でも政治家はそれに対して、何の手立ても取らなかった。50年もほったらかしにしていたものを、今からどうにかしようとしたって無理だよ。
2016-11-17 16:37:24少子高齢化で日本の社会保障は破綻寸前だけど、たぶん問題は「少子化」ではなく「高齢化」なんじゃないかな。だって少子化自体は50年前からわかってたんだもん。
2016-11-17 16:39:161960年の時点で、日本人の平均寿命は男性が65歳、女性が70歳ぐらいだった。このぐらいのレベルだと、社会は少子化しても高齢化はしないわけです。でも今は平均寿命が15歳ずつ延びちゃった。これじゃ社会保証がパンクして当然なんだよね。
2016-11-17 16:43:18問題は少子化ではなく、高齢化なんです。日本の社会保障の基本設計は、平均寿命が80歳を超えることを想定していなかったんでしょうね。
2016-11-17 16:45:54社会の高齢化に少しでも歯止めをかけるには、若年人口を増やして高齢者の増加を相殺するしかない。海外ではそれを移民導入で実行しているところもあるけど、日本は移民にアレルギーがあるから「若者は子供産め!」になってる。
2016-11-17 16:47:32少子化対策は確かに必要だけと、日本がこの問題でここまで追い込まれてしまったのは、着々と進む高齢化に手をこまぬいていた政府の責任が大きいのです。今さらそれを、若者の責任にしてんじゃねぇよ!
2016-11-17 16:50:15日本の場合、少子化が「女が悪い」みたいな話になっているのも大問題。女性だって、相手がいなきゃ安心して子供産めないんだよ。「結婚しない女が悪い」とかバカ言うなよな。生涯未婚率は男の方が高いんだぜ。結婚しない(できない)男をなぜ問題にしない!
2016-11-17 16:54:22少子化問題が女性の責任だというなら、若い女性が結婚しなくても、子供をひとりで何人も産み育てるような社会を作らなきゃ。でも政権与党の自民党は今でも「家族の価値」を尊重して、未婚での出産子育てを支援する気はないよね。
2016-11-17 16:58:20女性が出産子育てをするには、まず結婚しなきゃならない。それが日本社会の暗黙のルール。でも一生涯結婚しない男性が5人に1人もいるんだから(今後もっと増えるよ)、女性の出産はまずそこがボトルネックになっちゃうんだよ。
2016-11-17 17:00:03おっと。だいぶ脱線してしまった。話は「女性の社会進出が少子化の原因じゃないよ。少子化したから女性が社会進出するようになったんだよ」ということだった。
2016-11-17 17:01:58終戦直後の昭和20年代から、合計特殊出生率はどんどん下がっている。戦後の貧しい時代には、産まれてくる子供を養いきれないという切実な問題もありました。だから経済的な理由による中絶が合法化されて、出生率はたった10年で半分以下になったのです。
2016-11-17 17:12:04昭和22年の出生率は4.54。それが10年後の昭和32年に2.04で人口維持水準を割り込み、昭和36年には2を割り込みます。その後は一度回復しますが、昭和50年に再度2を割り込んで、その後は一度も2を回復したことがない。平成6年以降は1.5も下回っている。
2016-11-17 17:16:20戦後になって女性が産む子供の数は1〜2人に減り、一方で家電製品の普及で家事労働が軽減された。昔の主婦は炊事と洗濯と掃除と縫い物だけで、一日の大半が終わっちゃった。でも家電製品の普及と安価な既製服が、日本人の生活を変えたわけです。
2016-11-17 17:19:12昔は「家事手伝い」とか「花嫁修行中」という若い女性が、結構あちこちにいたんです。家族が多ければ家事も多いので、若い女性もそこに駆り出される合理性があったんでしょうね。でも今じゃそんなの「ニート」だよ。「外で働け!」と言われちゃうよ。
2016-11-17 17:21:06家事労働が減れば高校を卒業した若い女性が「家事手伝い」や「花嫁修行中」というわけにもいかないので、社会に出て働くようになる。でもこれは昭和30年代には起きていた現象です。小津安二郎の映画でも、戦後は結婚するまでヒロインが働いてますよね。
2016-11-17 17:23:36女性が結婚しても仕事を辞めなくなったのは、ここ30年ぐらいのこと。それまでは「寿退社」とか「永久就職」という言葉があったし、独身のまま働き続ける女性を「オールドミス」とか「お局様」と呼んでいた。ちなみに20代後半になるとオールドミスね。
2016-11-17 17:28:03寿退社は僕が就職した30年前にはまだ生きていた言葉。でも永久就職はもう時代錯誤な気がした。オールドミスは死語になりつつあった。お局様は最近まで生きている言葉かも。
2016-11-17 17:29:18最近は結婚しても女性が働き続けるのが当たり前だから、オールドミスもお局様も死後になるしかない。結婚しても今どきの女性は、専業主婦にならないのです。でもそれは少子化の原因じゃない。
2016-11-17 17:31:35結婚した女性が産む子供の数は、じつはここ何十年もさほど変わっていないらしいのです。つまり女性が結婚退職しようと、結婚後も仕事を続けようと、生まれの数は変わらない。それは少子化にあまり影響を与えていないのです。
2016-11-17 17:32:48結婚で仕事を辞める人は減ったけど、出産と子育てで仕事を辞める人は多い。結果として子育て世代の女性は一度社会から家庭に引っ込むわけですが、これは因果関係としては「出産→専業主婦化」であって、その逆の動きはあり得ないでしょうね。
2016-11-17 17:38:43女性の社会進出を押し止めて専業主婦が増えれば、それによって子供の数は増えるのか? これはたぶん、ほとんど増えないと思う。統計的には専業主婦家庭の方が子供の数は多いかもしれないけど、それは子供が多くなるとまともに働けないのでしょうね。
2016-11-17 17:42:29