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イヌノオー＠
@inunohibi
栗原俊雄「シベリア抑留」（岩波新書）を読む。岩波新書は文章の硬いものが目立つけれど、これは著者が新聞記者だけあって、読みづらいところはなかった。
2016-11-20 18:50:31
イヌノオー＠
@inunohibi
シベリア抑留については、著者が「あとがき」で述べているように、「帰還者による膨大な数の手記がある」。抑留の過酷な実態については、一次資料であるそれらを直接読んだほうが、リアリティーと迫力を感じるだろう。
2016-11-20 18:51:06
イヌノオー＠
@inunohibi
本書の特色は、ソ連側の思惑、抑留者のその後の人生や、国との裁判闘争など、抑留にまつわる事実を多角的に網羅していることである。
2016-11-20 18:51:27
イヌノオー＠
@inunohibi
特に私にとって参考になったのが、６章・7章の補償に至る経緯。「原告等の損害は、国民が等しく負担すべき戦争損害であり、これに対する補償は憲法の予想しないところである」という裁判所(司法側)の論理、いわゆる「受忍論」は、
2016-11-20 18:52:01
イヌノオー＠
@inunohibi
（日本政府は、ソ連との国交正常化に際した1956年の日ソ共同宣言で、ソ連に対する賠償請求権を放棄している。アメリカなど連合国に対しても同様なので、日本政府に補償を求めざるを得ない。）
2016-11-20 19:04:57
イヌノオー＠
@inunohibi
しかし旧軍人に対する補償、特に将校クラスへの手厚い恩給と比べると、「戦争被害者は等しく耐えるべき」という主張は、いかにも公平性を欠く。（内海愛子「戦後補償ハンドブック」、同著「戦後補償から考える日本とアジア」など）
2016-11-20 18:52:52
イヌノオー＠
@inunohibi
また、南方地域でアメリカ軍やイギリス軍の捕虜になった日本兵には、日本政府が労賃を払ったのに、抑留者には払われなかったとか、抑留は戦後のことで、戦争中の出来事ではなかったとか、シベリア抑留に「受忍論」を適用するにはいろいろと無理があった。
2016-11-20 18:53:30
イヌノオー＠
@inunohibi
国会で補償が議論されたり、選挙の公約に掲げられながら繰り返し立ち消えになり、10万円分の記名国債、10万円分の旅行券といった慰め程度の「事業」が続いた。
2016-11-20 18:54:07
イヌノオー＠
@inunohibi
最近でもアニメ映画「世界の片隅で」をめぐって、「声高な反戦思想がないからいい」とか、「日本の加害がぼかされている」といった議論が巻き起こった。
2016-11-20 18:54:56
イヌノオー＠
@inunohibi
私は未見だから作品についてはノーコメントだけれど、空襲被害者、シベリア抑留被害者、結局、自国の戦争被害者に冷淡な国の態度と、それが大きく問題にならない国民の意識では、「加害」への認識も盛り上がるわけがない。
2016-11-20 18:55:30
イヌノオー＠
@inunohibi
シベリア抑留―未完の悲劇 (岩波新書) 栗原 俊雄 amazon.co.jp/dp/4004312078/… @amazonJPさんから
2016-11-20 18:56:17
イヌノオー＠
@inunohibi
戦後補償から考える日本とアジア (日本史リブレット) 内海 愛子 amazon.co.jp/dp/4634546809/… @amazonJPさんから
2016-11-20 18:57:02
イヌノオー＠
@inunohibi
ハンドブック戦後補償 (シリーズ・問われる戦後補償 (別冊)) 〈ハンドブック戦後補償〉編集委員会 amazon.co.jp/dp/4816692053/… @amazonJPさんから
2016-11-20 18:57:52
イヌノオー＠
@inunohibi
映画やフィクションで反戦思想を押し出すべきではない理由 - Togetterまとめ togetter.com/li/1048335 @togetter_jpさんから
2016-11-20 18:59:24
イヌノオー＠
@inunohibi
アニメ「この世界の片隅に」が日本を加害者として描いてないと憤るいつもの人達【反戦思想】 - Togetterまとめ togetter.com/li/1050580 @togetter_jpさんから
2016-11-20 18:59:40