【そねむつ】追う話

失踪した陸奥守を追う長曾祢さんの話。 池田屋一階編 ※刀剣男子の独自の性格と解釈があります。 ご注意ください。
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り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 今のうちに、忘れないうちにむっちゃんとそねさんのお話の流れを書く。

2016-11-06 20:37:15
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 長曾祢に「主に会いたいか?」という問いをした日の池田屋の出撃中に陸奥が失踪する。 部隊長の長曾祢さんは失踪した陸奥を見つけ次第連れて帰れるよう部隊を五人に編成したままマップを捜索するが見つからず三ヶ月が過ぎ、近侍の長谷部から「捜索打止め」の命が下される。

2016-11-06 20:41:58
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 捜索を断念するよう冷静に話す長谷部、戦友を探すことを諦められず怒りくるう和泉守が取っ組み合いの喧嘩となり、二人と、仲裁した堀川、山姥切を手入れ部屋に放り込むほどの大事となる中、長曽祢は陸奥が失踪する前に投げかけられた問いについて考えていた。

2016-11-06 20:46:06
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 長曽祢は一度、元の主が囚われる歴史を阻止仕掛けた時に陸奥に止められたことがある。(公式の回想) 時代は銃に変わった、刀は時代遅れだったと話す陸奥が一番悔しそうな顔をしていた。その顔を思い出した時にふと、陸奥は龍馬の元に行ったのではないかと思うようになった。

2016-11-06 20:49:57
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 池田屋事件が起こったその3年後に坂本龍馬は暗殺される。 事件当日の坂本龍馬の足取りは陸奥自身が覚えている。もし、マップ攻略中に陸奥が坂本龍馬を見つけてしまい、3年後の暗殺を阻止するために龍馬の後を追っていたとしたら。。陸奥が失踪して既に1年が経過していた。

2016-11-06 20:56:19
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 陸奥が失踪後、陸奥守吉行という刀剣は何度も鍛刀されているが、一度も人型として顕現されていない。それはこの本丸の陸奥守吉行がまだ現存しているという唯一の証明だった。 しかし、一年経った今池田屋を攻略する部隊は六人に編成され、蜂須賀虎徹が部隊に加わっていた。

2016-11-06 20:59:57
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 長曽祢と蜂須賀は兄弟仲が良くない。しかし、部隊を頑なに五人にしようとする長曽祢に蜂須賀は自ら部隊入りを志願した。 出撃時も、内番時も決して目も合わそうとしない蜂須賀がまっすぐ長曽祢を見つめて話したのはこれが初めてだった。

2016-11-06 21:06:32
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 池田屋攻略は部隊長の長曽祢を筆頭に、和泉守、堀川、加州、大和守、そして蜂須賀の六人で再開。あれ、刀ミュみたいになった。。 元々ステータスが高く、自分の存在に絶対的な自信を持った蜂須賀の戦力は絶大であった。五人編成のおよそ2倍の速度でマップは攻略されていく。

2016-11-06 22:25:57
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 池田屋一階のマップに差し掛かった時、陸奥の失踪から2年が経過していた。 最後のマスに差し掛かった時、長曽祢は歴史修正主義者たちが通り抜けをしている時空の歪みを発見する。 何故かここを通れば、陸奥につながっているという絶対の自信が長曽祢にあった。

2016-11-06 22:29:52
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 修正主義者たちを追いながら、自分も時空の歪みを通り抜けようとした時…その背を蜂須賀の刃が一文字に斬り伏せた。 「周りをよく見ろ、部隊長。浅はかな考えで仲間を見捨てる気か?」 皆、満身創痍だった。背中を割られて重傷を負った長曽祢部隊は強制的に撤退となった。

2016-11-06 22:32:52
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 加州と大和守は重傷だった。このままマスを進めれば、確実に破壊されていたかもしれない。 加州は右半身、大和守は左の背。お互いをかばい合うように傷を負っていた。 敵に切られた堀川を受け止め、和泉守は左足を骨折していた。傷を負っても誰も何も言わなかったのだ。、

2016-11-06 22:42:29
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 加州と大和守は本丸に着いた途端に手入れ部屋に運ばれていった。堀川と和泉守は互いを気遣うように本丸の縁側に座って自分たちの番を待つ。自分は仲間を見殺しにしようとしていたのか。 ふと、自分が刀であった時に見た、隊員の亡骸を寂しげに見ていた元主の背を思い出した。

2016-11-06 22:53:51
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 「俺は何一つ、あの人の…近藤さんの意思を守れていなかった。」 背中の血が畳に伝うほど流れても、痛みを感じない。体の奥、呼吸をする気管よりもっと奥が鈍く痛んだ。 和泉守と堀川の揃いの青い目ががふと、こちらを見る。二人の目はどちらも長曽祢を責めていなかった。

2016-11-06 22:56:45
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 手入れ部屋から加州と大和守が戻ってきた。入れ替わりに和泉守と堀川が運ばれていく。 「長曽祢さん、あんた、陸奥守のことをよく見てたからな。。言葉より行動、だろ。俺たちは進んで欲しかったんだよ。」 和泉守の声は穏やかだった。

2016-11-08 03:45:02
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 「加州、大和守、すまなかった。俺はお前たちを…」 回復した加州は長曽祢の姿を見るなり、背中の傷の応急処置をする。大和守も包帯を持ってくる。手当を受けて困惑する姿をみて加州は苦笑する。 「俺たちは新撰組の刀。血気盛んで仲間思いの隊士たちの刀。そうだよね。」

2016-11-08 07:28:11
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 「長曽祢さんはきちんと近藤さんの心を受け継いでいると思うよ。 俺たちはあんたと陸奥守が喧嘩している姿しか見たことないけど、必死で探しているってことはさ、それだけあんたにとって大事な仲間だったんじゃないかな。」 赤い柘榴石のような瞳を瞼にしまって加州は言う。

2016-11-08 07:33:08
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 「でも、僕はあまり長曽祢さんを許したくないな。。」 大和守がむっとした顔で加州に言う。 「本当に死ぬかと思ったよ?加州が切られた時も、僕が切られた時も本当に痛かったんだ。」 加州とは対照的な真っ青な瞳がまっすぐと長曽祢を見つめる。

2016-11-08 07:37:04
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 「だからこそ。」 大和守が包帯がズレないようきつく結ぶ。 「本丸で出会った仲間を見捨ててほしくないんだ。そんなことしたら、本当に許さないんだからね。」 その手が温かくかんじた。氷が解けたように、ようやく割られた背の傷が痛み出した。

2016-11-08 21:56:38
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 手入れ部屋の中で寝転ぶ。審神者の力が働いたのか、蜂須賀につけられた傷がゆっくりと塞がっていく。 どっと身体が重くなって、硬いはずの畳に沈み込むような錯覚に陥る。 細める景色の中で、先ほどの光景がぐるぐると回りだした。これを走馬灯というのであろうか。

2016-11-08 21:59:50
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 隊士たちを見つめる元主の背中、自分の背を斬り伏せた弟の強い眼差し、傷だらけで泣くように笑った仲間と、最後に初めて自分が顕現された時に最初に目にした刀剣男士の姿。 夜明けの海を思わせる着物、風にたなびくようなうねるくせ毛、そして、強い強い眼差し。

2016-11-08 22:03:22
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 自分を鍛刀させ、呼び出したのは陸奥守吉行だった。 新撰組の刀と知った時の目はひどく冷たいものだったが、戦場を共にかけた時に向けた顔はひどく高揚し、同時に憂いていた。 「刀は時代遅れじゃ。」 口癖のように言いながらも目ばかりが爛々と獣のように光っていた。

2016-11-08 22:18:11
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL あの目が好きだった。東から上がる太陽のように燃える目。元主が連れてこようとした時代の夜明けを誰よりも焦がれていた瞳が好きだった。 決められた過去に抗い、主を救おうとした自分を止めた諦めた瞳に心を奪われていた。 「長曽祢や。」 閉じた瞳の向こうで幻影が囁く。

2016-11-08 22:18:57
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 「おんしは主に会いたいかや?」 失踪する直前の問いが、また投げかけられる。 「わしは会いたい。会いたいのう。」 返せなかった問いに続くような絞り出す声が聞こえたような気がした。 自分の作り出した仲間の幻影が徐々に形を崩していく。 「陸奥守…?」

2016-11-08 22:32:33
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 「諦めたくないがよ。」 見慣れたくせ毛にボロボロの袈裟が乗る。着流しを脱いだ体は傷だらけで、隠していた背の傷からは蛇のような骨が食い込んでいるのがみえる。 「会いたいがよ。」 「行くな…陸奥守。」 無意識に手を伸ばしていたらしい。細く柔らかな手を掴んだ。

2016-11-08 22:35:42
り°ん @unknown_fish123

@toukenBLTL 「起きたか贋作。」 冷たい声と、明るい藤の髪が頬を撫でる。目を開けると障子越しに見える太陽光は東の空をとうに登り昼を指していた。 明るい手入れ部屋の中で、自分を嫌う弟が表情もなくこちらを見つめていた。 「いつまで握っているつもりだ。」 手が握り返される。

2016-11-08 23:21:28
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