「戦記」と「反戦」の間~各種の名作を読み直す 野火、与太郎戦記、西部戦線異状なし、黒パン俘虜記…(速水螺旋人氏など)
- gryphonjapan
- 34637
- 181
- 44
- 28
今世紀の日本の戦争映画の傑作は「野火」と「この世界の片隅に」で揺るぎないが、かたや監督の自主制作かたやクラウドファウンディングで、既存の映画業界から金が出なかったことは示唆的だと思う。
2016-11-18 22:30:00「野火」はすごい映画です。万人にはお勧めしませんが、「この世界の片隅に」と正反対の方向でありながら、細部へのこだわりと制作への情熱においてと対をなすと言ってよい作品です。言うなれば、すずさんが呉で暮らしている間の、お兄ちゃんの運命を描いた作品なのです。
2016-11-18 23:02:051930年のアメリカ映画「西部戦線異状なし」を視聴して驚いたのは、初期のトーキー映画なのに、飛来する弾丸が空気を裂くキュゥンという音が再現されていること。「プライベート・ライアン」ぐらいまで、よほどマニアな映画でもないとなかなか聴こえない音響効果でした。
2016-11-19 01:14:14『 #野火 』と『 #この世界の片隅に 』の、似ていない相似性。 twitter.com/tsukasafumio/s… twitter.com/tsukasafumio/s…
2016-11-19 12:20:22「反戦映画の押しつけがましさ」ですけど、メッセージの直截さより「泣かせ」に依りかかる傾向があるのかと。戦中の戦意高揚映画も戦後の反戦映画も、主人公や大事な人が死んじゃう悲劇が多いので、感傷的な描写は容易にその意味づけが反転しちゃうのですよね。
2016-11-19 13:24:53「この世界の片隅に」や「野火」、それから岡本喜八監督の作品とかそうですけど「ああ戦争は悲劇ですね」だけじゃ済まない、心にずしんとくる重いものがあるのですね。
2016-11-19 13:31:19その中で故・増淵健氏が「戦争をありのままに描けば好戦映画の体をとっていても反戦映画にもなる(ときにはその逆も)」といった意の序文を書いていたのが印象的だった(要約はとりの解釈)。『シン・ゴジラ』や『この世界の片隅に』をめぐる一部の論議を眺めていてそのことを思いだした。
2016-11-20 05:36:35>RT 必ずしも戦争映画というわけではないけれど、かつての日本の国策映画なんかを見ていても「これって実は反戦映画なんじゃない?」とか思ってしまうことはある。清水宏の『サヨンの鐘』とか、特にそう感じた。
2016-11-20 05:51:01そこいらへんの個人的印象については、以前ブログでちょっと書いてます。 廉価盤DVDで見た往年の日本の国策映画6本 tagame.org/jblog/?p=2371
2016-11-20 05:55:23木下恵介の「陸軍」もそう言うところありますね。”情報局ににらまれ、終戦まで仕事がなかった”(wikipedia)と。 twitter.com/tagagen/status…
2016-11-20 05:58:21そう言えば、国策映画かつ純粋な戦争映画でも、田坂具隆の『土と兵隊』が、やはり見ていて反戦映画のようだと思ったっけ… twitter.com/tagagen/status…
2016-11-20 06:10:26因みに私は未見だけれど、軍の依頼で戦争ドキュメンタリー映画を撮ったところ、「厭戦的」「反戦的芸術」とされて公開禁止となった『戦ふ兵隊』という例もある。 ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6…
2016-11-20 06:26:43.@videobird 木下恵介監督「陸軍」(1944)がまさにこれですね。「母は立派に育てた息子を兵隊として誇りを持って送り出す」という国策映画だけれど、ほとんどセリフのないラスト10分の圧倒的映像で、すべての印象がひっくり返る。 youtu.be/ywcDZp1hI2U
2016-11-20 13:21:25.@ShinyaMatsuura はい。田川滋さんや田亀源五郎さんからも同様のツイートが。僕も観ていない作品もまだまだ多いので、勉強し直そうと思います。 twitter.com/tagagen/status…
2016-11-20 13:51:21@videobird ああ、指摘ありましたか。私も観ていない、知らない映画が一杯あるので、今回のことで「努めて観るようにしないと」と思いました。
2016-11-20 14:03:55@ShinyaMatsuura それにしてもこのシーンの撮影は圧巻ですね。どうしても黒澤のほうが男性ウケ&大向こうウケしちゃうのだけど、木下恵介はちゃんと観なおさなくちゃいかんなあ、と前々から思っております。
2016-11-20 16:06:38@kumanokodo_kuma @yakekogetaishi 戦時歌謡「戦友」youtube.com/watch?v=T3GhA0…..「映画やフィクションで反戦思想を押し出すべきではない理由」 togetter.com/li/1048335#c32…
2016-11-21 07:59:28(コメント欄なので字数があふれています。収録しなおすと…)
戦時歌謡「戦友」
https://www.youtube.com/watch?v=T3GhA0xmecw
の歌詞の英訳を読みながらこの歌を聞いた外国人が「こんな反戦歌は、政府に取り締まられなかったのか?」と尋ねたとか、尋ねなかったとか…
これは皮肉とかの意味は全くなく、『この世界の片隅に』を「ありがちな反戦映画ではない」という人たちの『アメリカン・スナイパー』の感想を聞いてみたいというのはちょっとあります。
2016-11-20 20:36:32@tsukasafumio そうですね、私も同じくおすすめです。塚本監督の野火も良いですが昔の野火もまたモノクロですが 心に迫るものがあります。 こちらも合わせておすすめです。
2016-11-20 20:49:28戦争をありのままに描くことは不可能で(戦争以外でもそう)(「好戦映画の体をとっていても反戦映画にもなる(ときにはその逆も)」というのはそれを踏まえてなお、という意味合いでしょうけど)、どう切り取るかが作り手の妙になるわけです。
2016-11-23 20:19:44