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映画「 #この世界の片隅に 」と「 #スタートレック 」のあるエピソードとの共通点とは? 篠房六郎先生による感想まとめ

講談社月刊アフタヌーンにて「葬送のリミット」連載中の漫画家篠房六郎先生による映画「この世界の片隅に」に関しての感想をまとめました。
映画 長寿と繁栄を 篠房六郎 アニメ この世界の片隅に スタートレック
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篠房六郎 @sino6
この世界の片隅に、初日の立川シネマシティは激混みで席の確保も困難。困難だけど嬉しいねえ。
篠房六郎 @sino6
この世界の片隅に、上映の終盤からすすり泣く声があちこちから聞こえ、終わった後には観客から多くの拍手が響いた。上映後の拍手を目撃したのは「エヴァンゲリオン破」と「シン・ゴジラ」以来。興行面での成功はこれでもう心配は無しと見た。
篠房六郎 @sino6
この世界の片隅に、客層は男女が半々くらいだったけど、内容からしてもっと女性客が増えてもいいと思う。普段映画に行かないような、フツーのOLさんとかがこれからどんどん口コミでやって来て、映画が盛り上がってくれますように。
篠房六郎 @sino6
この世界の片隅に、原作既読で話の展開も何もかも知ってるのに、映画を見てて、終盤になると、もう自然と目から不覚汁が出まくった、要するにそのつもりは全くなかったのに、涙腺がバカみたいになって号泣が止まらんかった
篠房六郎 @sino6
特にヤバかったのが、映画の最後も最後、作中で色々あったすずさんが 自分のお家に帰るシーン、終戦直後の呉の夜景が綺麗で綺麗で、そこでもう、たまらんかった、ジョバーと顔から変な汁が出て汚い汚い中年のふやけ顔が出来上がったわけですよ
篠房六郎 @sino6
これは他人に説明し辛い、別に誰かが死んだわけでも、感情移入してた誰かの、愛や夢が実った瞬間を見たからでもない、ただ夜景がきれいな中を、すずさんというごく平凡で普通の人が、ただフツーに帰ったのを見た、それだけで号泣した。これでは訳が分からないし、共感もされないだろう。
篠房六郎 @sino6
自分でもその感動がどこから来たのか分からず、今迄迂闊に感想を書けなかったのだが、ある別の作品の事を思い出して、ようやく自分の中で整理がついて得心した
篠房六郎 @sino6
この世界の片隅に、はスタートレック(TVシリーズ)のある1エピソードと(あくまで自分の中で)共通するものがあったのですよ。見たのがもうウン十年前で、しかも途中から偶然見たので、うろ覚えで、細部は多分違うんだろうけど、それは大体こんな話
篠房六郎 @sino6
ピカード艦長が、かつては人類が存在してた痕跡のある、今は無人の惑星を探索している最中に、遺跡から何らかの精神攻撃を受けて昏倒する。他の乗員はエンタープライズ号に艦長を運び込んで治療にあたるが、艦長は一向に目を覚まさない。
篠房六郎 @sino6
その時艦長は夢を見ていた。自分はふとした事故でエンタープライズ号からある惑星に不時着し、そこで介抱されしてくれた家族と仲良くなり、その一家の娘と結婚する。「艦長を辞めた事をあなたは後悔してないの?」と聞く妻に艦長は「いいんだ、今は君がいるから」と笑顔で答える。
篠房六郎 @sino6
その夢はピカード艦長が、もし今とは違う別の人生を選んでいたらという、可能性そのものだった。子が生まれ、成長し、孫が生まれ、妻とも死別。艦長はすっかり老人となるが、その時その惑星には重要な問題が発生した。環境汚染が進み、惑星自体人類が住むには適さなくなってしまったのだ。
篠房六郎 @sino6
そこで惑星の全住民にで宇宙船に乗って別の惑星に移住することが合議で決定される。しかし老人となった艦長は、その宇宙船に乗ることを拒み、その惑星と共に死にたいという願いを、自分の家族に訥々と話す。黄昏の中おびただしい数の宇宙船が飛び立ってゆくのを、地上から目を細めながら眺める艦長
篠房六郎 @sino6
その時、死別したはずの妻を含む、今迄その惑星で親しくなった仲間達が皆、何故か自分の周りに立っていて、艦長はこれが夢であったことに初めて気が付く。「君達は、一体…」呆然とする艦長の頬に妻が手を当てて答える。「これが、かつてこの星で本当にあったこと。どうか私たちを、忘れないで」
篠房六郎 @sino6
そこで艦長は目を覚まし、エンタープライズ号の乗員は歓喜する。しかし艦長は未だに自分の状況が受け入れられず釈然としない。そして一人になった時、見覚えのある横笛があるのに気が付く。それは乗員の一人が興味本位で無人惑星から持ち帰った過去の住民の遺物だった。
篠房六郎 @sino6
艦長はその横笛を愛おしそうに手を取ると、その惑星で覚えた懐かしい曲を 暗く広い宇宙船の中、一人奏でるのであった。
篠房六郎 @sino6
と、これを見た確か大学生当時、自分でも抑制できない程に号泣した。確かにそこに誰かの人生が「あった」と信じられたこと、そこで同時に襲って来た強烈なノスタルジー、そしてそれが同時に単なる幻であると完全に分かっている事、それらが全て波状攻撃のようにやって来て自分の心をぐちゃぐちゃにした
篠房六郎 @sino6
「幻だったことは分かってる、でもあれは誰かの人生だったし、それは今や自分の人生の一部でもある」という不思議な感覚はいまだに、かつてない体験として自分の中に残っている。その時の感動がまさしく、この世界の片隅に見た後とそっくり同じだったのだ。
篠房六郎 @sino6
町山智浩さんの評から、今回の映画版はとにかく、過去の広島の再現度、作り込みがハンパないと聞き、原作は既読だったのでストーリーは置いといて、そこらへんをまずは一番の楽しみに見にいったのだが、そーいう俯瞰的で引いたスタンスにあった自分が、成すすべもなく感動して泣いてしまった。
篠房六郎 @sino6
精巧には再現された、かつての広島の姿から感じるリアリティ、そこから否応なしに感じる「今目の前にあることは幻なのは分かってる、でもこれは本当なんだ、本当にあったことなんだ」という実感そのものが、ありえないノスタルジーを自分に喚起させて、胸が締め付けられるような感動へとつながったのだ
篠房六郎 @sino6
物語で鉄板の「泣き」要素、と言えば誰かが死ぬことなのだが、この世界の片隅に、では全く逆に、すずさんというキャラクターが本当に生きている、生きていたという実感にもう、感動して泣いてしまうのだ。
篠房六郎 @sino6
勿論これは、並大抵の作品に出来るような事ではない。普通じゃ絶対ありえない、キャラクターが死ぬんじゃなくて、逆にキャラクターが生きている、そう実感させる事で観客を感動させて泣かせるなんて芸当は。
篠房六郎 @sino6
終盤にあちこちで起こったすすり泣きは、そういう実感を経た上で、もうそろそろ物語が終わること。全てが幻だったと否応なしに突き付けられる瞬間が訪れる事に皆が気づき始めたからだと思う。
篠房六郎 @sino6
終わった後の観客は、号泣してるか、呆然として、どう感情を整理していいか分からないような様子の人たちが多かった、それはまさしく、あのピカード艦長と同じような心理状態だったのだろうと、今になってみれば分かる。
篠房六郎 @sino6
この世界の片隅に、は見終わった後の感動がこのように極めて複雑なもので あるために、皆それを他人にどう伝えて、オススメしていいか分からない人が感想を検索して見る限り多そうだったので、自分のこの埒もない長文が、その一助になれば、幸いです。
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コメント

どどめ色の何か @shintkt 2016年11月26日
まとめを更新しました。
マケマケ(金田) @k66_1971 2016年11月26日
ネタバレないけど未見の方は見ない方がいい
Ka-Ka @ka_ka_xyz 2016年11月26日
"どう感情を整理していいか分からない"というか、感情を整理してしまうのが勿体無い感。
どん・ぱじゃま @kp_pu239 2016年11月26日
超時空惑星カターンと重ねるのか。
ばなひろ @Hirobananar 2016年11月26日
「よかった」それ以上も以下も無い。ただ、この「よかった」の中に色々なものが詰まっている。幸せ。
おく のぶ @samorou 2016年11月26日
まさかの超時空惑星カターン。TNG屈指の名エピソードで、DVD版ではこの回のメニュー画面のBGMがピカード艦長の笛だったり、この後もたまに、この笛が出てきたりします。
Naruhito Ootaki @_Nekojarashi_ 2016年11月26日
原作の複雑な女心の描写をバッサリ切り捨てた作品なのに「女性客が増えればいい」とか┐( ̄ヘ ̄)┌
よしじまあたる @atr4440 2016年11月26日
例え出でてたTNGのエピソード覚えがある。
星杜@次は4月? @hosimori025 2016年11月26日
このピカード艦長のエピソード、子供の頃に何度となく繰り返された再放送の一環で見たけれど。凄く納得できる。なんでもない日常を生きる幸せってところが共通してるのかな。方や戦時下、方や最新鋭の宇宙探査船の艦長。どちらも一般的な人が生きる日常とは理由や環境は違えどかけ離れざるを得ない生活を送っている。ピカード艦長の心の片隅にあった、普通の人間としての人生への切望がある意味満たされた話だったと思うのだけど、その何気ない時への感慨が似ている気がする。
りょうたき @RyotaTakimoto 2016年11月27日
サムネでこの映画の最大のネタバレをしてるのが辛い…
@crazydogmarket 2016年11月27日
それで #このせかはいいぞ ってハッシュタグが、──あまり見かけないけど存在するのかもな。
yoshida @ysdhryk1972 2016年11月27日
「この世界の片隅に」を観て、溢れてくる不思議な涙の正体はきっとこれだ。
Dolga @dolga0 2016年11月27日
詰まり「フィクションと頭では理解しているが心はリアルと認識している」という事か
むーぴょん(3日目西よ04a) @muupyon 2016年11月27日
作中の大半の部分で描かれた「さりげない日常」が、観てる人がそれと気づかないうちにボディブローのように蓄積して、ラストラウンドの何気ないワンパンチでKOされるので、KOされた側からすると「なぜあんなパンチでKOされたのか分からない」状態に。
むーぴょん(3日目西よ04a) @muupyon 2016年11月27日
泣いてしまったそのシーンに直接的な泣き要素があるわけでなく、作中にたくさんちりばめられた間接的な泣き要素を、ラスト付近のシーンを見ることで洪水が押し寄せるように思い出す。そりゃ涙腺崩壊しちゃうよなあ。
cinefuk 🌀 @cinefuk 2016年11月27日
samorou スタートレックTNG 第125話「超時空惑星カターン」(1993年ヒューゴー賞映像部門受賞エピソード) https://t.co/rSRoiQDUAU 未見だったから #Hulu で視聴しようかと思ったら、配信終了してて涙
R三柴直樹(‘jjj’)/ @naoz0 2016年11月27日
ケイミ、君を憶えてるよ。
ToTo @toto_6w 2016年11月27日
カターンは移住ロケットじゃなくピカード艦長が現実に遭遇した記憶を詰めた探査ロケット1隻飛ばしたのが正しいあらすじ。大好きなエピソードなので訂正しておく。
AJE@それじゃトリアエズナマ同盟 @Pm2010Aje 2016年11月27日
公式PVが原作既読者想定のネタバレだから、サムネは責めてやるなw
しゃーきち @sk_tak 2016年11月27日
新スタートレックの「超時空惑星カターン」
Enlo Baggins @JRRTrollkin 2016年12月1日
TNGの『超時空惑星カターン』だね。
Enlo Baggins @JRRTrollkin 2016年12月1日
『君の名は。』のときにも思ったけど、自己を形作るエピソードとしての過去は、自分の経験でなくとも構わないし、時制を問わないし、事実でなくとも良いわね。特に、描き込まれた作品での愛別離苦や喪失体験は、受け手の追体験に「受け手にとっての本当の過去」足り得る強度を与えるという事かしらん。
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