2016年11月の#1日1本オススメ映画

小暮 宏 @yapoono6

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド #1日1本オススメ映画 金と宗教というアメリカを作った二大勢力がせめぎ合ってワケわからない状態になっている怪作。映像も音楽もそしてダニエル・デイ・ルイスの猛演も現代版バロックとでもいった過剰さ。 pic.twitter.com/NjQdoh9HBK

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FOCUS #1日1本オススメ映画 #こんな映画もあるよ 盗聴マニアの青年を取材しているテレビカメラの映像で全編通したフェイク・ドキュメンタリーの先がけ('96製作)。事件を取材するのではなく取材が事件を作る。浅野忠信がぼそぼそした調子からいきなりキレる怖さをすでに見せています。 pic.twitter.com/xCLnyEblSS

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テス #1日1本オススメ映画 公開当時ポランスキーはこれまであまりに身近に残酷なことが起きたのでロマンチックな世界に回帰したかったとインタビューで答えていて実際ヒロイン、ナスターシャ・キンスキーをのめりこむよう美しく官能的に描きながら、やはり地が出てしまうのが作家たるゆえん。 pic.twitter.com/PE2gxeBWmX

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死と乙女 #1日1本オススメ映画　独裁政権に弾圧されていた女が立場が変わると有罪かどうかわからない男を薄弱な根拠で拘束拷問して自白を引き出そうとし、「良心的」なその夫はおろおろするばかりで何もできない。弱者強者の立場の論理が意思を上回る人間のグロテスクな面を抉るポランスキー作品。 pic.twitter.com/z6e64Dhsqo

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僕の村は戦場だった #1日1本オススメ映画 原作は保護者の中尉の一人称で書かれていてイワンの回想や夢は映画が付け加えたものだが、そこでタルコフスキーは凄まじいくらい美しく詩的で才能に溢れたシーンを展開し自伝的作品に仕立てた。母親役が当時のタルコフスキー夫人というのも、らしい話。 pic.twitter.com/aUFZnbwXmQ

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アッティカ刑務所大暴動　#1日1本オススメ映画 マーヴィン・チョムスキー監督、チャールズ・ダーニング、モーガン・フリーマン出演のTVムービー。囚人と当局だけでなくオブザーバーとして刑務所に入るジャーナリストたちが第三者としての立場を守るのと扇動するのと分裂し対立するのが痛烈。 pic.twitter.com/e6Lj5mYrxI

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ローズマリーの赤ちゃん　#1日1本オススメ映画　ポランスキーの母親がナチに殺された時も、妻のシャロン・テートがチャールズ・マンソン一味に殺された時も妊娠中。人が生まれてくること自体に根の深い恐怖を持っているみたい。魔族の妙に楽しそうに憑かれた感じも生々しく怖い。 pic.twitter.com/yV2WpLxS0g

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トカレフ　 #1日1本オススメ映画　#追悼荒戸源次郎　極端にセリフが削られた中、 拾われた一挺のトカレフから次々と理解しがたい理不尽な出来事が連鎖していくのを、緑っぽく腐敗したような色彩とノイズィな音響処理で描く、異様に尖った一編。初日に見たのだったな。 pic.twitter.com/lGsVvaKloH

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レーチェル　レーチェル #1日1本オススメ映画　ポール・ニューマン初監督作。35歳まで男性体験なしというヒロインを夫人であるジョアン・ウッドワードに演じさせても、同じ人物の過去と現在が同居する高度な技法を駆使し、キワモノめいた匂いのない知的なコントロールが効いた作に仕立てた。 pic.twitter.com/A0sBOrwomv

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徳川いれずみ師 責め地獄　#映画で印象に残っているコンテスト　#1日1本オススメ映画 クライマックスのいれずみ勝負や、「ブレードランナー」みたいな和洋ごたまぜの長崎の出島のシーンの荒唐無稽ぶりに加え、貞操帯あり、人体真っ二つありの石井輝男ならではのエログロナンセンス。 pic.twitter.com/Z1tTvzrHoy

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マッチ工場の少女 #1日1本オススメ映画　単調な工場勤めを続け、パーティでも壁の花ばかりやってる世にも地味な女の子を、ほとんどセリフなしの淡々とした調子で描いていくうち妙にオフビートな可笑しみが湧いてくる。アキ・カウリスマキの日本初登場作。 pic.twitter.com/3ofuTjpiww

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魚影の群れ #1日1本オススメ映画　カツオの一本釣りの豪快さ危険さをまざまざと描く。カツオが泳ぐ円がだんだん狭まってきてギャフを打たれて船に横付けされるまでの切れ目なしの驚異のワンカット、佐藤浩市が食い込んできたテグスで重症を負う場面と共に、夏目雅子の美しさも目に焼き付く。 pic.twitter.com/mlrpzOWWgw

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奇跡がくれた数式 #1日1本オススメ映画　女神が数学上のアイデア、つまりは宇宙の真理を教えて下さるのですとマジメに言うインドの天才ラマヌジャンと、イギリス人で無神論者のやはり天才ハーディが出会い、人間が作った神の定義や国を超えた真理を探究する者として友情と尊敬を育むドラマ。 pic.twitter.com/dBDKFcZu3B

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揺れる大地 #1日1本オススメ映画　貴族出身のヴィスコンティが貧困層の生活を史上最も重量感溢れるリアリズムで描いているというアイロニー。敗北と零落に美を見出す体質と画面の異様な分厚さは、後年王侯貴族の世界を描くようになっても変わらず。オール素人俳優たちの上手さにも驚く。 pic.twitter.com/hEkXhZrOhU

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博士の愛した数式　#1日1本オススメ映画　数学の話をどう映画で表現するんだ、というハードルを子供が成長して数学教師になって生徒に教える、というシーンを軸にしたのが成功、端正な演出タッチが数学が示す世界の秩序の表現に合っていて、しかも情感豊か。 pic.twitter.com/DZkvNv4Nzt

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LOVE VOCALISM Ai #1日1本オススメ映画 武満徹のテープ音楽Vocalism Aiに久里洋二が動画をつけた短編アニメ。難しそうだった曲にフェリーニばりの大女と小男のドタバタをつけたら途端にユーモラスで官能的になる。 youtube.com/watch?v=3fOeZF…

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デッドマン・ウォーキング　 #1日1本オススメ映画　#死刑をめぐる映画　悪人はぶっ殺せという単細胞な議論の先に踏み込んだ複雑な事情を拾い上げられるのが映画の効用。犯罪被害者の父親役がリー・"フルメタル・ジャケット"・アーメイというキャスティングの妙。 pic.twitter.com/YoT9YOXuTD

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清作の妻　#1日1本オススメ映画　惚れた男は決して渡さない、たとえ相手が国家であっても。若尾文子×増村保造が情念と論理をとことん突き詰めて、正論と狂気が同居する境地に至る。cinemakadokawa.jp/mizoguchi-masu… pic.twitter.com/n31HuyRnNi

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コックと泥棒、その妻と愛人 #1日1本オススメ映画　泥棒が「ハリー・ポッター」の二代目校長マイケル・ガンボン、その妻がヘレン・ミレンという豪華キャスト。色分けされた部屋から部屋にサッシャ・ヴィエルニーのカメラがマイケル・ナイマンの音楽と共に壮麗な回り舞台のように移動する快感。 pic.twitter.com/haY0OL5jm0

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エルム街の悪夢4　ザ・ドリームマスター 最後の反撃 #1日1本オススメ映画 #ピザの日　こういうのは如何でしょう。新進気鋭だった頃のレニー・ハーリンが大いに見せ場を連発させてシリーズを活性化された中の、人間がピザの具になってフレディに食べられてしまうシーン。 pic.twitter.com/Wv6GdpROp6

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男の争い #1日1本オススメ映画　今だとブロマンス映画としての性格がもっと注目されるかも。赤狩りでアメリカからフランスに逃れたジュールス・ダッシンが、おそらく演出家として生き残るべく30分セリフなしの強盗シーンに技巧家ぶりを発揮した'55年作。 pic.twitter.com/LjiXBoEkCO

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ある結婚の風景 #1日1本オススメ映画 #いい夫婦の日 ということで。セリフ＝言葉を武器にしたヴァイオレンス・アクション。えんえんと言い争い続け、しかし完全に縁を切ってしまうということはない逆説的な結びつきの強さと精神的なタフネスがすごい。 pic.twitter.com/1XS6kpSrYo

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(秘)色情めす地獄　#1日1本オススメ映画　ロマンポルノでは撮影所があったから時代劇もやれたのですね。中川梨絵が浄瑠璃の人形を演じるなど時代劇ならではの様式的、耽美的な表現を大胆に取り入れ、一方で猥雑で醜怪な面にも踏み込んでいる。youtube.com/watch?v=TixY4y… pic.twitter.com/PWCaK2HHyd

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我等の生涯の最良の年　#1日1本オススメ映画 　第二次大戦直後、S・ゴールドウィンはもはやアメリカ人は無垢ではいられないと復員兵の市民生活への復帰を描いたこの映画を製作。今見ると甘いけれど甘さも含めて良きアメリカの記録。本物の復員兵ハロルド・ラッセルが素人ながらオスカー助演賞。 pic.twitter.com/Rx4OHbZzrj

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大災難P.T.A.　#1日1本オススメ映画　故伊丹十三がバディ物の一つの典型に挙げていた。ジョン・キャンディの迷惑なキャラクター造形の見事さ。日本ではまだ流行らないけれど懸命にスティーブ・マーティンが家族の元に帰ろうとする姿から、アメリカでは感謝祭がとても大事なことがわかる。 pic.twitter.com/UlkJaZ2mz6

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