奴隷商人から若い娘を買ってくるのが趣味の汚い金持ちの話。

思ってたより反響があったのでまとめました。
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U @ebleco

「あの、ご主人様……私は一体これから」 「おいおい、もう気付いてるんだろ? お前を買ったご主人様は変態だってよぉ?」 「ひっ」 「そうとも、俺はお前のようなクソみたいな身分の女を買ってきては、十分な教養を身に着けさせ、衣食住を提供する事に興奮する変態なのさ!」 「良い人そうだ!」

2015-05-31 00:07:28
U @ebleco

「げへへ、お前にはまずキレイなお洋服を着せて1年間かけて社交界のマナーをみっちり叩きこんでやる」 「……そんな、奴隷の身分の私に」 「そして一般教養を身に付けさせ、望むならば学問や手芸の分野の専門知識を学ばせ、一人前のレディとして働かせてやるぜ」 「しゃ、社会進出を支援される!」

2015-05-31 00:21:28
U @ebleco

「おっとぉ、お前のご主人様は甘くないぜ? 毎日みっちりと勉強させる上、朝昼晩の食事を欠かす事は許さないし、夜遅くまで起きている事も当然禁止だ。夜更かしは成長とお肌に悪いからなぁ!」 「なんて立派な教育!」 「あいにくお前のような女を好き放題する為の金ならいくらでもあるんだよぉ!」

2015-05-31 00:27:15
U @ebleco

「……一体、そこまでして私を養って、何が目的なんです?」 「ぐへへ、俺のような顔の醜い女にモテそうもない男が考える事なんて、一つしかねぇだろぉ?」 「ひっ」 「俺の目的はなぁ! 立派に育て上げたお前に、最終的に俺を『お父様』と呼んでもらう事さ!!」 「ああああっ!(泣き崩れる)」

2015-05-31 00:31:04
U @ebleco

「……このお屋敷に来てから、もう暫くが経つわ……確かに不自由のない暮らしと勉強をさせてもらっているけど……それでも、たまには屋敷の外に出たいと思ってしまう私は、悪い子なのかしら……」 「そう簡単に屋敷の外に出られるとは思わない事だな。さぁお勉強の時間だ!」 「おと……ご主人様!」

2015-05-31 01:43:10
U @ebleco

「げへへ、お前をそう簡単に屋敷の外に出すわけにはいかないなぁ?」 「……はい、解っています」 「どうしても屋敷の外に出たいと言うのなら、明日の分まで先にお勉強を済ませて、余所行き用の服を着て、お昼ご飯を食べてから晩ご飯の時間までには帰ってくる事だな!」 「解りました、ご主人様!」

2015-05-31 01:48:17
U @ebleco

「……だが、お前に遊ぶ金をくれてやるわけには行かないなぁ? ただでさえお前には金をかけているんだ……金が欲しけりゃ、何をすればいいのか、解るな?」 「……はい、ご主人様……それは……」 「そう言えば、お庭のお花にお水をやるのを忘れていたなぁ」 「お勉強が終わったら行ってきます!」

2015-05-31 01:52:52
U @ebleco

「……ご主人様っ! 痛いですっ! ……もう……許して下さいっ……!」 「げへへへ、そうはいかねぇなぁ? 悪い子にはたぁーっぷりお仕置きをしねぇとなぁ?」 「いやぁっ!」 「お庭のお花に水をやる途中で転んで怪我をしたのに、すぐに言わないような悪い子には、傷口の消毒が必要だよなぁ?」

2015-05-31 02:01:10
U @ebleco

精神的に疲れているので、過酷な境遇に居たかわいい女の子が急にあったかい所に連れて来られて人の優しさに戸惑う話とか読みたい。

2016-03-05 15:09:43
U @ebleco

「……離せ! こんな所であたしをどうする気だ!」 「俺も、お前が居たようなクソみたいなスラム街で育った。当然、そんな所で育った人間の人格は歪んじまうのさ」 「ひっ」 「俺はなぁ! お前のような身寄りの無いガキに出来たての温かい食事を与えて興奮する変態なのさ!」 「良い人そうだ!」

2016-03-05 15:44:09
U @ebleco

「お前、パンを盗んだんだってなぁ?」 「……そ、そうだよ! 生きてく為には仕方ないだろ!」 「お前のような身寄りの無いガキはいいぜぇ。何をされたって、誰も文句なんて言わねぇんだからなぁ!」 「ひっ」 「そうとも、飯を食わせた後はしっかりと眠ってもらうぜ!」 「寝床を提供される!」

2016-03-05 15:56:55
U @ebleco

「……食べるものに、寝床に、服まで……あんた、一体あたしをどうしようって言うんだ? 何が目的だ!?」 「知りたいか?」 「ごくり」 「俺には野望があるんだ。スラムに居た頃には決して叶わなかったような野望がな!」 「そ、それは」 「温かい家庭さ!」 「う、うわぁぁぁ!(泣き崩れる」

2016-03-05 16:01:33
U @ebleco

「まさか、この屋敷に居る女の子って」 「げへへ、生憎、こんな醜い外見の俺でも、お前みたいな身分の女を好き放題する金なんて、腐るほどあるんだよ!」 「じゃあ、この子たちはみんな!」 「そうとも! 全員奴隷さ! その上養子縁組をして戸籍まで与えてやった!」 「まっとうな身分まで!!」

2016-03-05 16:17:43
U @ebleco

「……くそっ……こんなの……もう嫌だ! こんな格好!」 「げへへ、どうした? 口の利き方がなってねぇなぁ?」 「……許して、ください」 「駄目だ」 「そんなっ!」 「一人前のレディになる為には、言葉遣いも上品に! ドレスも着こなせなければなぁ!」 「だって、こんなふりふりの服!」

2016-03-05 16:33:35
U @ebleco

「……屋敷に居た女の子の人数が減ってる……あの子たちはみんな、あたしと同じ、身寄りの無い子供ばかりだったはずだ……」 「気付いたようだな」 「まさか!」 「その『まさか』さ! 居なくなった女は皆、しっかり教育してやった! そして手に職を付けて自立したのさ!」 「しゃ、社会進出!」

2016-03-05 17:09:33
U @ebleco

「どうしたの? そんなに難しいお顔をして?」 「……あ、姉さん。何であの人は身寄りの無い子供の面倒ばかり見てるんだろうって」 「聞いてないの? あの人には目的があるのよ」 「……『目的』?」 「いつか私たちに『お父様』って呼んでもらうんだって」 「う、うぁぁ……!!(泣き崩れる」

2016-03-05 17:22:45
U @ebleco

「身寄りの無い子供ばかりを集めたこの屋敷に、こんなにたくさんの女の人が……しかも、きれいな身なりの人ばかり……一体、何を……?」 「知りたいのかしら?」 「……あ、姉さん! 一体あの人たちは何の為にこの屋敷に!?」 「里帰りよ」 「里帰り」 「ご主人様も喜ぶわ」 「喜ぶといいね」

2016-03-05 17:29:43
U @ebleco

「……スラム街で孤児として暮らしていたあたしが、この屋敷に拾われてから、もう数ヶ月になる……暮らしに不自由はしていない……でも、今のあたしは奴――」 「(ばぁん!)いつまで起きているんだ! 夜更かしは健康にもお肌にも悪いから早く寝なさい!」 「おと……ご主人様! 今寝ますから!」

2016-03-05 18:47:07