世界で最も語彙力のない、原始人TRPG「Og」リプレイ。

日本語に翻訳されていない海外ゲームが大好きなGMに原始人TRPG「Og」の卓を立ててもらったので、その体験記。脚色一切なしの本気リプレイです。 PCの名前と台詞だけ色を付けて区別できるようにしました。そうしないと全くわからない。
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中野 @pisiinu

原始人TRPG「Og」やって来た。キャラクタークラスはハヤアシ。動きがすばしこくて回避上手。なので逃げることと身を守ることを優先する原始人という性格に。なので名前は「行く物」に。 最初に使える単語は5つになった。キャラシで丸が付いてる単語しか、使っちゃいけない。 pic.twitter.com/zAf41krOy1

2016-12-05 00:41:12
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中野 @pisiinu

他の原始人は「モノシリ」の「ダテメガネ」。使えるスキルが多い。「ミラクル」の「ないかも知れない」。ゾロ目が出たらなんかの奇跡が起こる。しかしこの二人の名前の単語を持ってないので、呼べません。「オレ」「オマエ」も知らないので呼べません。身振りで表現できる単語は避けた結果。

2016-12-05 00:44:17
中野 @pisiinu

GMが「はい、あなた方は川沿いの集落に」と言った時点で「それなら水を覚えたのにー!」とガッカリ。ルール上ではGMに対して話す時のみ日本語が許される。長老が我々三人の原始人を呼ぶ。なんとこの村長は原始人の持つ20以外の語彙も持つ、まさしく長老にして賢者の原始人なのだ。

2016-12-05 00:47:51
中野 @pisiinu

語彙力が桁外れに高い長老が我々に言う。「オマエ、オマエ、オマエ。水、水水水、食べ物、取ってこい」すごい、さすが賢者。取ってこいなんて高度な概念を使いこなす。伊達に歳は取ってねえな。「」「食べ物」「あるかも知れない」と三人の原始人は川へ向かう。

2016-12-05 00:52:55
中野 @pisiinu

ここでなんとモノシリのダテメガネが「魚獲る」能力を発揮。さすがモノシリ。しかし釣れた魚に向かって「毛深い!毛深い!」と吠える。ないかも知れないは「眠る」と言って寝ようとする。行く物は魚が危険かも知れないので「あるかも知れない!」と叫んで逃げる。原始人なのだ。

2016-12-05 00:55:59
中野 @pisiinu

ダテメガネが獲れた魚を「食べ物!毛深い!」と言いながら長老に渡す。毛深くねえ。長老は「料理」能力を使い、魚を食べられるようにしてくれた。ダテメガネはそれを四つに千切って、長老と行く物ないかも知れないに分けてくれた。怯えてた奴と寝てた奴にも。優しいな、ダテメガネ

2016-12-05 00:58:42
中野 @pisiinu

食った魚から何かが落ちたらしいが、原始人は馬鹿なので気がつかない。すると村人のフレッドが近寄って来た。食べ物が欲しいのかと思って分けてやろうとしたら、魚から落ちたものを拾い「輝く、物」と言う。「輝く、物?」「オレ、眠る」「毛深い」自由だな、原始人たち!

2016-12-05 01:00:59
中野 @pisiinu

行く物がフレッドの拾った輝く物を確認すると、何かキラキラした小さな輪。それを見つけた長老が飛んで来てフレッドと口論。「物!物!」「オレ!オレ!」「棒!殴る!」ひとまず止めに入る「輝く物、あるかも知れない」長老は小さな輪を取って、自分のほら穴に入っていった。ここでこの幕は終える。

2016-12-05 01:04:57
中野 @pisiinu

この幕は終えるはずだったが、ないかも知れないのミラクルが暴発。フレッドがこっそり小さい輪を隠し持っていた。長老には偽物を掴ませたのだ。それを受け取ってみる我々。「物?」「…毛深い?」「いやいや!?(的なうめき声)」「オレ眠る」輪から景色を見てみたり舐めてみたりする、行く物

2016-12-05 01:08:46
中野 @pisiinu

そうこうするうち指を突っ込んでしまう行く物。そう、これは指輪だった。するとどうだろう、行く物は5つの単語しか喋れなかったのに、キャラシにある20単語全てを使えるようになった。「輝く物?…オレ…オレ!?…オマエ!?ダテメガネ毛深い?」「毛深い!?…毛深い!?pic.twitter.com/34v8JMxQwF

2016-12-05 01:11:51
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中野 @pisiinu

ダテメガネも試しに指を入れてみる「…大きい…あるかも知れない!」指輪をはめてる時だけ、語彙力が上がるのだ。ここで三人の中で最も語彙力が低い、行く物はこの指輪が欲しくなる。指輪をはめて「輝く物!オレ!」するとフレッドが突然絵を描いた。

2016-12-05 01:14:14
中野 @pisiinu

「輝く物、ほら穴!」と、どうやらどこかの穴に指輪を捨てろ、という絵を地面に描くフレッド。しかし行く物は手に入れたこの語彙力を手放したくない。フレッドとの間に険悪な空気が。間に割って入るダテメガネ毛深い毛深い毛深い!」なんだその「まあまあまあ!」みたいな毛深いの使い方は。

2016-12-05 01:17:30
中野 @pisiinu

「オマエ!イケナイ!」長老がニセ指輪に気が付いたようだ。その隙に逃げる行く物。追いかけようとするフレッドだが、行く物の「逃げる」がクリティカル成功したので、行方さえわからぬ。深刻な顔の長老は「オマエ、オマエ、オマエ…行く物、追え」ダテメガネないかも知れない、フレッドは追う。

2016-12-05 01:21:39
中野 @pisiinu

長老が言う方向に行くと、そこには指輪をした人影が。しかし行く物とは何やら姿が違う。見れば小さく醜い姿に変わりつつある。これでは原始人でもフローレス原人ではないか。ないかも知れないは「オマエ、行く物?」と尋ねると「オレ、行く物…」と答えた。ダテメガネは「…毛深い?

2016-12-05 01:25:26
中野 @pisiinu

ないかも知れないに手を引かれ水たまりを見る行く物。そこには自分とは違う顔。しかし原始人なのでそれが自分だとわからない。「行く物、オマエオマエ!」「オレ?」なかなか信じない行く物。しかししばらくするうちにようやく事態を把握した行く物。「オレ!?」「オマエ」「毛深い」「毛深い!?

2016-12-05 01:28:34
中野 @pisiinu

そこにドヤドヤと原始人たちがやってきた。先頭は長老だ。しかしここでも行く物、その名の通りに遁走に成功。「行く物…」長老は遠くに見える火を噴く山を指差した。指輪をはめた者は、あの山の頂に導かれるのだ…というニュアンスのことを言って、おそらくダテメガネたちに伝わった。おそらく。

2016-12-05 01:31:37
中野 @pisiinu

三人の原始人は、ここまでで「チカラ」という語彙を得た。あの指輪を見たことで言葉を得た。 行く者は持ち前の逃げ足と隠れる力で、村と火山のちょうど間くらいにある洞窟にいた。ここには現存する恐竜や肉食動物もいるが、行く者は忍び足で道を行く。しかし行く手には谷がある。

2016-12-05 01:35:04
中野 @pisiinu

オレ…大きいチカラ…行く…」とうわごとのようにつぶやきながら歩く異形と化した行く物。谷にかかる一本橋の前に何やら魔物がいるではないか。ひとまず隠れる判定をしたところクリティカル成功。完全に隠れることに成功した。これも指輪の力なのかも知れないが、打つ手はない。「大きいチカラ…

2016-12-05 01:37:38
中野 @pisiinu

隠れていると三人の原始人が来た。追っ手だ。ダテメガネが「オマエ!食べ物!殴る!」フレッド「殴る!」ないかも知れないが襲われて、ウンガーポイント(生命力)が一気に半減。ヤバい、こいつ強い。フレッドとダテメガネもウンガーポイント半減。このまま倒れるのか三人の原始人!

2016-12-05 01:40:49
中野 @pisiinu

追っ手とは言え同じ村で過ごした原始人、本当にヤバくなったら物陰から怪物に不意打ちを仕掛けるつもりでいた行く物だが、フレッドが怪物を押さえつけダテメガネが殴ってなんとか倒したのだ。ないかも知れないは寝ようとしていた。

2016-12-05 01:43:30
中野 @pisiinu

その場で魔物を解体して料理はじめるダテメガネ。良い匂いに思わず足が出る行く物だったが、食べ物に夢中の原始人たちは行く物に気が付かず、行く者は空きっ腹を抱えてこっそりと一本橋を渡った。その頃三人の原始人は魔物料理の匂いに集まって来た肉食動物に追われていた。原始人は馬鹿だ。

2016-12-05 01:46:02
中野 @pisiinu

瀕死の戦いであの世から呼ばれたような目にあった原始人たちは、新たに「呼ばれる」と言う言葉を得た。 行く者は火を噴く山を見ている。その姿はますます変わり果て、もはや面影はない。「大きいチカラ…オレ…呼ばれる…行く物もまた、呼ばれるという言葉を覚えていた。

2016-12-05 01:49:13
中野 @pisiinu

火を噴く山の中腹あたり、行く物を見つけた三人の原始人。もはや指輪でしか確認ができない。「行く物!」「…オレ、呼ばれる!」この山に近付くうち、呼ばれる声はより大きくなっていた。指輪に触ったダテメガネとフレッドは、奴がこのまま山頂に着いてしまうと恐ろしい何かが現れる事に気付いていた。

2016-12-05 01:52:17
中野 @pisiinu

指輪に触ったフレッドは事の重大性に、とうとう行く物に殴りかかる。しかしそこはハヤアシの行く物、当たらない。こんな所で足止めされるわけにはいかん、何か大きいチカラが呼んでいるのだ。「オレ!大きいチカラ!呼ばれる!!オマエ!小さいチカラ!!」その気迫にフレッドは恐れをなして逃げた。

2016-12-05 01:55:52
中野 @pisiinu

同じく指輪に触ったダテメガネは「オマエ…」と声をかける。その隙にないかも知れない行く物に掴み掛かった!捕まえられる行く物!しかし原始人は馬鹿なので、捕まえたけど指輪を取ることを失念していた。結果、ただ警戒心だけ行く物に与えた、ないかも知れないであった。「…オレ、寝る

2016-12-05 01:58:44