問題「国名が由来の元素は全部でいくつあるか?」

2016年11月30日、113番元素に対する、日本という国名を由来とした命名「ニホニウム(Nh)」が正式に受理されました。その際に飛び出したひょんなツイートを受けての一連のツイート備忘録です。
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ニホニウム命名のおり、Twitterで見かけた「国名がつけられた元素は初めてではないだろうか」というツイートをうけて。

元素学たん@8年目です! @gensogaku
では問題。国名が由来の元素は全部でいくつあるか?(答えは諸説あります)
キキ @a19911
@gensogaku ガリウム、フランシウム、アメリシウム?
去散(藤原) @poripuropiren19
@gensogaku アメリシウム ゲルマニウム フランシウム ポロニウムの4つですかね…
沙臣 慎治/SAOMI Shinji @saomium
@gensogaku Cu, Ga, Ge, Ru, Po, Fr, Am, Nh…とりあえず思いついたのは8つ
のりまき @zya_zi611
@gensogaku アメリカ、フランスx2、ポーランド、ドイツ、日本で6つですかね。


答えはひとつに定まらない?

元素学たん@8年目です! @gensogaku
3,4,6,8などの答えが出てるね。さーて、出題したところ申し訳ないけど、この問題は正直、悪問だよね。どこまで考慮して答えるかによって答えがぶれる。
元素学たん@8年目です! @gensogaku
まずは現在も存在している国名(古名でないということ)から考えてみると、今回の目玉であるニホ二ウム(Nh・日本)、それからアメリシウム(Am・アメリカ)、フランシウム(Fr・フランス)、ポロニウム(Po・ポーランド)などがあるね。
元素学たん@8年目です! @gensogaku
ややこしいのが古名から取る場合で、ゲルマニアからゲルマニウム(Ge・ドイツ)、ルテニアからルテニウム(Ru・ロシアの古名)、ガリアからガリウム(Ga・フランスの古名)などが挙げられる。
元素学たん@8年目です! @gensogaku
そうそう、(Cu)を挙げてくれた人もいたね。Cuはキプロス島という土地名から命名されていて、現在キプロス島の面積の大部分はキプロス共和国が治めているから、名前を挙げてくれたんだね。この辺からちょいちょい判断が微妙になってくるけど、うーん、私ならCuは国由来とはしないかな。


「アメリシウムは国名由来ではない」

ハチマキくろだ @hatimaki_kuroda
アメリシウムは大陸名では(テルル-セレンと同じでユーロピウムとの対比) twitter.com/gensogaku/stat…
元素学たん@8年目です! @gensogaku
アメリシウムは大陸名由来であって国名由来ではない、という主張があるのはめっちゃわかる。周期表で見ればAmの上にEuがあるのが分かると思うけど、これはEuがヨーロッパ大陸から命名されたことに張り合う意図でアメリカ大陸から元素名を名付けた、という言説がある。
エビフライ@どう森プレイ中の宇宙の人 @kiruria281
私も初めて知りましたが、どうやら言説ではなくほぼ確定な模様。はっきりと"after the Americas"と書いているようです。 twitter.com/gensogaku/stat…
エビフライ@どう森プレイ中の宇宙の人 @kiruria281
【PDF】 Seaborg, G. T.; James, R.A. and Morgan, L. O. "The New Element Americium (Atomic Number 95)" osti.gov/accomplishment… pic.twitter.com/ViEGxQ82Kf
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元素学たん@8年目です! @gensogaku
うーむそうか、何かの本で大陸由来だと読んだんだけど、シーボーグがそう書いてたか……
エビフライ@どう森プレイ中の宇宙の人 @kiruria281
@gensogaku Non! "Americas"は大陸名ではなく地域名です。南北アメリカ大陸および周辺の島や海を含む「アメリカ州」の事です。これが「ヨーロッパ州」に対抗してつけられたと。
元素学たん@8年目です! @gensogaku
【訂正】アメリシウムの由来は「アメリカ大陸」ではなく「アメリカ州」、アメリシウムの命名は"after the Americas"と示され、"America"ではなく"Americas"という表現であることが今回は重要ということだそうです。不勉強で、大変失礼しました。
元素学たん@8年目です! @gensogaku
とにかく確からしいことには(いや、正直あまり把握できてないのだけど)アメリシウムは少なくとも国由来ではなさそう、ということです。…こういうところで社会学的な理解や文化・言語への無知が響いてきます。何が文系理系じゃー全部いるわぼけぇー!(泣き顔)


「こんなのはありですか?」

𝓐𝓢𝓣𝓡𝓞 @ASTRO_ErlKoenig
@gensogaku カリフォルニウムはどうでしょう(カリフォルニア共和国が短期間だけ存在した
元素学たん@8年目です! @gensogaku
真面目に検討すると。その元素名が国名由来かどうかというのは、命名者が「国名に由来させよう」という意図で命名したかどうか、で決められるべき、だよね。そうするとAmはやはり不適だし、先ほどのカリフォルニア共和国の言も不適になる(カリホル二ウムは研究施設があるカリフォルニア州が由来)。
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コメント

マスクドとくがわ(継続中) @psymaris 2016年12月6日
国の定義による! どちらかといえば歴史学案件かも。
やし○ @kkr8612 2016年12月6日
国や地域の定義があいまいなので国名や地域、地名に因むものとして括ったほうがよさげ。
Yoshiteru Kawai @yoshikun2009 2016年12月6日
仮にみずほからミズヒウムと命名したらどういう扱いになるのだろうか
CD @cleardice 2016年12月6日
政治的な事情からそのものはつけられないので古名や別名に思いを込めたって話もなんかで見た気がする。元素名じゃなかったかな・・・?
エ レ キ た ん @空間絶縁 @ElekiTan 2016年12月6日
国名と地名の区別とか、いろいろあるよね()
齶田荏苒 @jinse_akita 2016年12月6日
タイワニウムとかできたら発狂しそう
CD @cleardice 2016年12月6日
cleardice そういうめんどくさいのポーランドだろうなと思ったらポーランドだった(自己解決)
お猿さん@轟驫麤 @mamachari3_Jpn 2016年12月6日
俺が命名権ゲットできたら大洋州にちなんでOceaniumにするんだ。。。
kartis56 @kartis56 2016年12月6日
ガリアって国として統一されたことあったっけ?
こーもとなつひこ @NatsuhikoAloha 2016年12月6日
カリフォルニア州と日本では表記されているけど、本来「州」は国と訳されるべきではないだろうか?政治の形態としては十分に国として独立してやって行けるレベルで、ソビエト社会主義共和国連邦の「共和国」より独立性は高い。
のしめ @n0sime 2016年12月6日
地名に絡めると,イッテルビウム,テルビウム,イットリウム,エルビウムは全部スウェーデンのイッテルビー村が語源だし,ホルミウムはストックホルムのラテン語名からきているし。
亜山 雪 @ayamasets 2016年12月6日
オスミウムは大隅国が由来である。
KITI @KITI_TW 2016年12月6日
元素学たんが理系も文系も大事と言ってくれてるのが嬉しい。
@mouth0717 2016年12月6日
フランス由来はフランスとガリアで2コあるのか。ってことは次に日本で新元素が作り出せたらヤマトイウムとか倭イウムとかつけられるわけだな。まあ元素発見者が沖縄とか北海道の人間じゃない前提の話だけど。
新薬たん @ShinHiroi 2016年12月6日
アメリシウム、、、。知らなかったわ。
junichi_suzuki @junichi_suzuki 2016年12月6日
それでも自分はスペシウムを推す。
Shouji Ebisawa @Ebi_floridus 2016年12月6日
カリフォルニア共和国で噴いた
ハチマキくろだ @hatimaki_kuroda 2016年12月6日
収録されませんでしたが、スカンジウムとかどれに当たるのかめんどくさそうです。 https://twitter.com/hatimaki_kuroda/status/804332100832763904
うまみもんざ @umamimonza 2016年12月7日
新元素にまた日本由来の名前がつくとしたら、次は「ハンシニウム」か「ロッコウオロシウム」のような気がする
叢叡世Степин Будимир @kusamura_eisei 2016年12月7日
kartis56 ギリシャ人がフランスを指して言う言葉が「ガリア」
ならづけ @nara_duke 2016年12月7日
カリフォニウム=カリフォルニア共和国由来説を定着させよう(ゲス顔)
ぉざせぃ @hijirhy 2016年12月7日
ルテニアって、国か地域かとかいう問題じゃなくて、元素名はラテン語が基本だからロシアに相当するラテン語としてルテニアを用いたってことだろう。元素番号113番の名前として初めジャポニウムが取りざたされてたのも同じ理由で、ジャポンと言う国は未だ嘗て存在したことがないからそれは国名由来ではないという理論にはならない。つまりはもし仮にラテン語話者が現在存在していればその国をなんと呼ぶかという発想で考えられるので、昔そう呼ばれていたかとか国だったかとかいう歴史上の事実にこだわると論点を見誤る。
ぉざせぃ @hijirhy 2016年12月7日
北欧では幾つも元素が発見されているのに国名に由来して名付けられたものがないのが意外。
元素学たん@8年目です! @gensogaku 2016年12月7日
hijirhy 元素名はギリシャ語が最多で、基本ラテン語という姿勢はない。実際使われたかどうかは重要でないというのは同意。
ハチマキくろだ @hatimaki_kuroda 2016年12月7日
hijirhy 上で書いたスカンジウムがスカンジアで、スウェーデンと言えないこともないのです。
ととっと @xyrLuoihI9vhuex 2016年12月7日
umamimonza 次こそジャパニウムにしてマジンガーを作ってもらいたい。
ぉざせぃ @hijirhy 2016年12月7日
gensogaku 語源はギリシャ語でも言葉としてはラテン語化したものにしてると思ってたんですけど違うんですかね?〇〇iumってのがラテン語っぽいので。
ぉざせぃ @hijirhy 2016年12月7日
hatimaki_kuroda スカンジアがスウェーデンを指しているというのは流石に反発を呼ぶところではないですかね?
nekosencho @Neko_Sencho 2016年12月7日
いくつあるって、原子を一つ二つって数える気力はおいらにはないぞ
jpnemp @jpnemp 2016年12月7日
結局「元素名で唯一使用されていない「J」がついに使用される」は果たされなかったのね
ハチマキくろだ @hatimaki_kuroda 2016年12月7日
ロシア→ルテニアとスウェーデン→スカンジアに差はあるんだろうか...
元素学たん@8年目です! @gensogaku 2016年12月7日
hijirhy 語尾の ium はラテン語からきていますが、それをもって元素名はラテン語からとられるとは普通は言いませんから、それをもってルテニアがラテン語からとられたのだという理屈はずれています(語尾に ium をつけるからといってラテン語を由来にしなければならない慣習はありません)。
ぉざせぃ @hijirhy 2016年12月8日
gensogaku 「ラテン語を由来にしなければならない」というのはどこから出た話ですか?ニホニウムは明らかにラテン語由来じゃないですよね?
姓名 @nityonityo 2016年12月10日
今から数百年先の未来、文明が移り変わった後、元素の周期表が発掘されたとしてニホニウムが日本列島由来という説と、日本国という説が学者たちの間で議論になることがあるかもね。。。
計量たん🤐 @Keiryo_tan 2016年12月10日
(ひとり言〜)ナトリウムが名取からというネタを見て、あらためて周期表を見てみるとsodiumでした。でもナトリウムで習ったはずと思って調べると、日本化学会が決定している日本語名なんですね。ナトリウムはドイツ語Natriumの転写。既知の元素は慣習的な呼称があれば優先して、新発見の元素は国際名に合わせている…?
元素学たん@8年目です! @gensogaku 2016年12月10日
Keiryo_tan 利用の歴史が古い元素で起きがちなことです。よく考えると鉄や銅は日本ではそう言うのが普通ですし、カリウムもドイツ語の転写で英語だと potassium 、分かりにくいところだとチタンもドイツ語の転写ですね(英語だと titanium )。タングステンは日本だと英語準拠ですが、ドイツでは記号の由来である wolfram を今も使うのだとか。
ニコラス☆鮭児 @yomoyamasaka 2016年12月10日
エビフライは、星名や太陽活動で雑なWikipediaの更新を散々やらかしたから、全く信用しない。
ニコラス☆鮭児 @yomoyamasaka 2016年12月10日
ブログでも太陽系外惑星でデタラメな記事を書きやがって。迷惑極まりないんだよ。
那珂川美奈(RT多め) @nakagawamina37 2017年4月11日
ところで銅は「Cuprum」からきてると思ったんだけど、キプロス島由来だったの? 何かの参考書に「Cuはラテン語の銅(Cuprum)」由来って表記があったんだけど…或いはキプロス島でとれる鉱物が「Cuprum」と命名されて、んでもって銅の元素記号Cuになったとか?
江頭和宏@『現代化学』連載中 @egashiraelement 2018年3月28日
ルテニウムの発見者がどこの人かについて: まずシニャデツキは、『化学元素発見のみち』にも書いてある通り、ポーランド人です。ただ彼が「発見」した1807年にはポーランドはロシア・プロイセン・オーストリアによって分割されていました。
江頭和宏@『現代化学』連載中 @egashiraelement 2018年3月28日
オーザンは、ヴァイマールで生まれヴュルツブルクで亡くなっており、ドイツ人といっていいでしょう。ルテニウムを「発見」したときはデルプト(ロシア語名)にいました。ここは現在のエストニアのタルトゥ(ドイツ語名:ドルパト)です。
江頭和宏@『現代化学』連載中 @egashiraelement 2018年3月28日
13世紀以降、エストニアは、デンマーク・ドイツ・スウェーデン・ロシアに支配されてきました。オーザンが在籍した当時のデルプト大学は、ロシア帝国領にありましたが、主力をなしたのはドイツ人であり、大学での講義はドイツ語で行なわれていました。
江頭和宏@『現代化学』連載中 @egashiraelement 2018年3月28日
クラウスは、上述のデルプトで生まれて亡くなっています。彼のようにバルト海東岸に住んでいたドイツ人を「バルト・ドイツ人」といいます。
江頭和宏@『現代化学』連載中 @egashiraelement 2018年3月28日
オーザンがデルプト大学を転任して後、クラウスが同大学に着任しました。そこでクラウスは、オーザンによるルテニウムの話を知ったようです。但し、ルテニウムの単離に成功したのは別の場所です(現在のタタールスタン共和国の首都カザン)。
江頭和宏@『現代化学』連載中 @egashiraelement 2018年3月28日
この当時の、ドイツとロシアのどちらに当たるのかが複雑であるのは、イマヌエル・カントがよい例です。彼は生涯ケーニヒスベルクを離れることはありませんでした。彼はドイツを代表する哲学者ですが、ケーニヒスベルクは現在、ロシア領のカリーニングラードです。
江頭和宏@『現代化学』連載中 @egashiraelement 2018年3月28日
なおオーザン(Osann)のカタカナ表記は、私が知る限り、『化学元素発見のみち』以外の全ての本で「オサン」となっていますが、①ドイツ語では母音が後続するsは[z]と発音すること、②ロシア語ではОзаннと綴り、これをラテン文字に翻字するとOzannになること、からオーザンが適切であると考えます。
江頭和宏@『現代化学』連載中 @egashiraelement 2018年3月28日
そんな訳で、ルテニウムの発見者達の中に、我々が想像するようなロシア人はいません。そのため、ロシアの地理にあまり詳しくなく、ルテニアに因んだ名前を付けたのかと想像しています(あくまでも想像ですが)。
江頭和宏@『現代化学』連載中 @egashiraelement 2018年3月28日
古地図を見ると、ヨーロッパ・ロシアに該当する辺りには"Russia"や"Moscovia"と書かれており、もしロシア(の古名)に因んで命名するのであれば、ルシウムかモスコビウム(115番元素に使われている)のどちらかになっていたはずです。