【視覚過敏対応版】感情に名前をつけることが感情調整の第一歩。子どもの発達を促す言葉のかけ方。(O9Cさんの連ツイシリーズ3)

感情を受け取ってもらえないまま大人になってしまった人のためのツイートも、最後に少しあります。 関連書籍についての紹介ツイートも収録しました。 ・O9Cさんの連ツイシリーズ目次まとめ http://togetter.com/li/1058631
9
まとめ 【視覚過敏対応版】感情コントロールの本質はネガテイブな感情とともに生きる方法の模索(O9Cさんの連ツイシリーズ2) 映画「インサイド・ヘッド」の感情キャラは何故ヨロコビ以外はネガティブな感情ばかりなのか?とか、感情を否定され続けた人に降りかかるリスクとか、ではどうしたらいいのか、とか、そんなお話。 ・O9Cさんの連ツイシリーズ目次まとめ http://togetter.com/li/1058631 3191 pv 21
O9C@算数の本が出ました @OQCeeee

21時を回りましたので、感情調整についての連ツイを始めようかなと思います。一昨日は、感情というものの必要性と役割について書きましたが、今回はその捕捉と、「感情に名前をつける」ことについて書いていきたいと思います。

2016-11-15 21:08:40
O9C@算数の本が出ました @OQCeeee

前回は、ネガティヴな感情もポジティブな感情もどちらにも意味があって大切なものだということを書いたと思います。もっといえば、感情をネガティヴ・ポジティブに分ける必要もなくて、それらは全て生きていくときに必要なものだと思います。さて、ここで考えてみます。感情とはなんでしょうか?

2016-11-15 21:13:49
O9C@算数の本が出ました @OQCeeee

今さらですが、感情って何なのか考えてみます。感情を考えるとき、脳の仕組みが関わってきます。簡単にいうと、私たちの脳はバームクーヘンのように層が積み重なった作りになっています。真ん中の深いところには呼吸など生命の維持に関わる働きをする部分があります。

2016-11-15 21:18:54
O9C@算数の本が出ました @OQCeeee

生命の維持に関わる層の上には、痛み・おそれ・不安という生きるための危険信号を感知するための層があります。そして、一番上の層にはその痛み・おそれ・不安がどのようなものなのかを評価して分析する層があります。ざっくりと説明すると、感情に関わる脳の構造はこんな感じです。

2016-11-15 21:24:35
O9C@算数の本が出ました @OQCeeee

例えば、トイレのドアを開けたらゴキブリが飛び出してきたという時、まずハッとして息を飲むので一番下の層が「命の危険!」と命令を出します。次にその上の層が「危険の程度」を伝え一番上の層が「危険といえば危険だけど、これは倒れるほどではないな」と評価します。

2016-11-15 21:28:22
O9C@算数の本が出ました @OQCeeee

下から上に情報が伝わるので、ボトムアップ処理といいます。こういう働きで、私たちはゴキブリと出会っても逃げ出したり殺虫剤を構えたりできるわけです。なかには捕まえる人もいるでしょう。ゴキブリを素手で捕まえられる人は、ゴキブリに対する感情の評価に危険度が低いのだと思われます。

2016-11-15 21:30:40
O9C@算数の本が出ました @OQCeeee

同じように、ジェットコースターの好き嫌いとか、バンジージャンプが大好きとか、芋虫に素手で触れるとか、犬が怖いとか猫が怖いとかもこの働きが関わってきています。目の前のものを脳が評価しているんですね。年齢が小さいうちは、ほとんどの情報がボトムアップ処理になります。

2016-11-15 21:32:58
O9C@算数の本が出ました @OQCeeee

体の成長に伴い、脳の層の中で一番上の不安やおそれを評価する部分も成長していきます。そうすると、徐々にトップダウンの処理が可能になっていきます。例えば、道で怖そうな犬に出会った時、「怖いけど紐につながれてるしこっちに向かってこないし、命の危険があるほどではない」という判断ができる。

2016-11-15 21:36:44
O9C@算数の本が出ました @OQCeeee

その評価がだんだん下に下りていって「犬、怖そうだけどそんなに危険じゃないぞ」→おそれを感じる層が「了解。おそれレベル2」→生命の維持を司る層が「じゃあ心拍はこのくらい早めればいいか」というようになります。 脳の中に小人がいて、情報を伝え合っているイメージです。

2016-11-15 21:41:16
O9C@算数の本が出ました @OQCeeee

これが、感情が出来上がるメカニズムです。3歳くらいになると、感情を表す言葉と体の生理的な変化がリンクしだすと言われています。 感情を表す言葉と体の生理的な変化について説明すると、心臓がドキドキして足も震える。これが「怖い」だとわかるということです。感情が観測可能になるんですね。

2016-11-15 21:45:23
O9C@算数の本が出ました @OQCeeee

これは実はとても大切なプロセスです。私たちは感情を表す権利がありますが、「怒り」「恐怖」「悲しみ」「喜び」「苛立ち」などの名前を知らなければ表しようがありません。怒りを感じた時に、体の生理的変化のままに暴れるということを続けるわけにはいかなくなっていきます。

2016-11-15 21:48:02
O9C@算数の本が出ました @OQCeeee

では、私たちはどうやって感情を言葉のリンクを獲得していくのでしょうか。これが感情とは何かということ、感情にラベルをつける意味と大きな関わりを持ちます。 感情は、他者に容認され、言葉で返してもらうことで言葉とリンクしていきます。

2016-11-15 21:51:06
O9C@算数の本が出ました @OQCeeee

小さな子がおもちゃを欲しがった。でも今日は買ってもらえない。床に転がってわーんと泣く。この時、買ってもらえない!という感覚が大きすぎて、感情の評価が不能になっています。保護者が「買ってもらえなくて怒れるねー。嫌だったねー」と言葉かけします。でも泣きやみません。

2016-11-15 21:54:02
O9C@算数の本が出ました @OQCeeee

その子の中で、買ってもらえない!ということが大きな危機なんですね。見通しも立ちにくい年齢だと尚更です。ただ、保護者からの「怒れるねー。嫌だったねー」という言葉かけは無意味ではなくて、子どもがごね疲れてきた頃に、子どもの中にストックされます。この気持ちは怒り。嫌な気持ち。

2016-11-15 21:55:57
O9C@算数の本が出ました @OQCeeee

子どもの感情辞典ともいうものの中にそれが加わります。それをゆっくりゆっくり、じっくりと積み重ねて、ほしいけど、泣かないというガマンや、クリスマスに買ってもらおうという展望が出来上がります。ここで大切なのが嫌、怒りという感情が否定されないことです。

2016-11-15 21:58:39
O9C@算数の本が出ました @OQCeeee

その場で伝え返してあげてということではありません。店内でうぎゃーっと暴れられたら保護者の方たちも困ってしまいますよね。車まで抱えてダッシュしたり、場所を変えても構いません。あんまり刺激の多い場所だと、命の危険を感じる部位が刺激されっぱなしになる子も多いです。

2016-11-15 22:02:25
O9C@算数の本が出ました @OQCeeee

ただ、その後、「嫌な気も気持ちだったねえ」「怒れるねえ」などその子が感じてたであろう気持ちを口にしてあげることに意味があります。まだイメージの力が育ちきっていない小さなお子さんには、そっと胸やお腹に手を当てて「ここにムカムカがいたね」など伝えてあげてもいいと思います。

2016-11-15 22:04:43
O9C@算数の本が出ました @OQCeeee

もちろん、毎回じゃなくていいです。これは、保護者の方々にも余裕がないと難しいですし、疲れますよね。今日はちょっと体調もいいという時にできるといいなあという程度です。 それから、嬉しいことやワクワクすることについても同じように伝え返しをすると、感情辞典は増えていきます。

2016-11-15 22:07:13
O9C@算数の本が出ました @OQCeeee

年齢が上がってくると、人からの伝え返しだけでなく、読んだ本やドラマなどから感情と言葉をリンクさせることもできるようになります。思春期くらいになると、ホルモンの影響も相まって多くの葛藤を経験するため、一時的に感情に見合う言葉を失ったり、極端なものに走りやすくなります。

2016-11-15 22:19:14
O9C@算数の本が出ました @OQCeeee

そして、様々なことを経験し、仲間内で愚痴を言い合ったり、感情のラベルをもらったりしながら、闇雲に叫び出したかったり、盗んだバイクで走り出したかったり、校舎の窓ガラスを割って回りたい気持ちと折り合いをつけていきます。 さて、ここまでは子どもの話でした。では、大人は?

2016-11-15 22:26:18
O9C@算数の本が出ました @OQCeeee

私は十分に感情を伝え返してもらえなかったと感じる方もいると思います。どうしたらいいのか不安にもなると思います。 私は以前のツイートで、カウンセラーに話を聞いてもらうといいよとすすめたりしていたのですが、ここにその理由があります。

2016-11-15 22:27:51
O9C@算数の本が出ました @OQCeeee

年齢的に大人になってしまうと、感情の赴くままに暴れたり、泣きわめいたりといったことが社会的に許されなくなります。しかし、私たちの中には、それを許されたい気持ちが眠っています。特に、感情を否定された思い出が多い場合、ふとした拍子に感情を受け止めてもらえなかった経験が顔を出します。

2016-11-15 22:30:12