『フランケンシュタイン対地底怪獣』の「第3のエンディング」に関する証言と考察
- hoshinoruri16
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中野監督が出席する、シネマノヴェチントにて特撮同好会から帰還中。 大好きな「フランケンシュタイン対地底怪獣」の話を沢山伺うことができて大満足。 大変貴重な話を聞けたから忘れたらいけないので、ここに書いておこう。 pic.twitter.com/IXfqW0a7ty
2016-12-11 22:01:11@venuscrab まず、フランケンシュタインを演じた古畑弘二さんについて、どの資料本にも載っていない事実が判明した。 古畑氏の実家は有名な眼科医院だったようで、撮影で使用された緑色のコンタクトレンズについてアドバイスを受けたという。 pic.twitter.com/PHPGfQm8mW
2016-12-11 22:06:46@venuscrab そもそも緑色のカラコンを使用したのは、円谷英二監督の一言から始まったそうだ。 「白目の部分が気になるなあ。」 この一言をきっかけに海外へ緑色のカラコンを買い付けに行かされたという。 当時はコンタクトレンズの脱着に古畑弘二氏は大変苦労していたそうだ。 pic.twitter.com/6AcKycnA4m
2016-12-11 22:14:02@venuscrab フランケンシュタインが森や岩場を暴れまわる撮影を終えると古畑弘二氏の体は擦り傷や切り傷だらけだったそうだ。 本物の岩や植栽を使用し、ほぼ半裸の状態で果敢に挑んだ古畑氏の俳優根性に脱帽。 pic.twitter.com/m0HTgcxej9
2016-12-11 22:18:18@venuscrab そして、特に興味深かった話はフラバラのエンディングのバージョンについて。 ノヴェチントに来ていたお客さんに聞いたところによると、バラゴンを持ち上げたまま地割れに飲み込まれるエンディングを確かに見たことがあると言う。 事の真偽を確かめるために中野監督に質問。 pic.twitter.com/vbVw0xI3wJ
2016-12-11 22:23:49@venuscrab 中野監督は当時フラバラの助監督を務めており、長年の謎をぶつけてみたところ、 「海外版を用意しなければいけなかった状況の中、バラゴンを持ち上げたまま沈むシーンをパターンの一つとして撮影した記憶がある。」 この発言は大事件だ。 pic.twitter.com/6w6LvPVxvb
2016-12-11 22:30:33@venuscrab 現在販売されている当作品DVDのコメンタリーに参加している有川貞昌氏の証言と食い違うのだ。 有川氏は、そのような撮影をした覚えはないという発言をしている。 もし中野監督の発言が真実ならば、第3のエンディングが存在するならばネガが行方不明の可能性が充分にある pic.twitter.com/F13L3YMsrX
2016-12-11 22:36:49@venuscrab ファンの間で長年論議の的にされてきたフラバラ第3のエンディング論争。 当時の他の撮影関係者にも話を聞き出さなければならない課題ではないだろうか? 関係者のパイプが皆無の俺には何も出来ないのが大変悔しい。 pic.twitter.com/Yzs7pf5XUI
2016-12-11 22:42:37【タイムマシンが1回だけ使えたら】 ① 『ウルトラマン』最終回の音楽テープをとりにいく ②『フランケンシュタイン対地底怪獣』封切ラストシーンを見にいく ③ 円谷英二に会いにいく う~んw
2016-12-11 22:54:47① 『フランケンシュタイン対地底怪獣』のラストはなぜ別版が作られたのか。それは、ベネディクト・プロ側が希望する大ダコのシーンを追加撮影する場合、映画の完成が国内封切に間に合わなくなるからです。だから、国内封切版はタコ撮影抜きで先に完成させ、封切後にタコの撮影をしたのです。
2016-12-12 13:43:29② それについては、本多猪四郎監督、円谷英二特技監督の証言があり、また、当時の日程と照らし合わせても辻褄がぴったりと合います。ふたりの証言は『東宝特撮映画大全集』(ヴィレッジブックス)に書いた「異色のフランケンシュタイン映画」(p.130)で紹介しています。
2016-12-12 13:43:48③ 国内封切版は「封切に間に合わせるための暫定版」で、大ダコの出る海外向け版(脚本の表記に従うなら「外国版」)を作ることは決まっていました。ですから、「海外版を想定してフランケンが地底怪獣を差し上げたまま沈んて行くシーンを撮った」というのは大いに疑問です。つまり、
2016-12-12 13:44:12④ フランケンシュタインがバラゴンと共に沈んだら、大ダコ対決がなくなってしまいます。撮る意味がないですし、「念のため撮っておく」にしてはバラゴンを釣ったりする準備も沈下の撮影もとても大変なはずです。封切が迫って時間が押していた当時の状況でやる事でしょうか。
2016-12-12 13:44:45@perry_lawton 上映できるプリントになっているというなら、それは音楽や効果音までダビングされていなければならないですしね? そんなのあるわけない。もし万が一「撮った」としても(そんなわけないと思うが)、そこから完成プリントになるまでの工程が行われているとは思えない。
2016-12-12 13:52:51⑤ 大ダコ外国版には、バラゴンを釣って、それをフランケンシュタインが頭上にさし上げるポーズをとったカットがあります。このカットは「沈下シーンのセットと似ているが別のセット」で撮影されているので、沈下シーンから日を改めて撮影したのでしょう。ではそれはいつなのでしょうか?
2016-12-12 19:41:57⑥ 「フランケンシュタインが両手を差し上げて単独で沈下していく」撮影と、「フランケンがバラゴンを両手で上に差し上げて立っている」撮影の、両方のカットを組み合わせれば、カット割りの魔術であたかも「バラゴンを差し上げたまま沈んでいく」イメージを構築することも可能ですからね。
2016-12-12 19:42:21様々な憶測が飛び交うフラバラ第3のエンディング問題。 いつか決着がつくことを切に願う。 そして早くBlu-ray化しなさい。 pic.twitter.com/d6ojDjXLnU
2016-12-12 19:42:46⑦ このバラゴン釣りを差し上げているカットが、国内封切の8月8日よりも前に撮影されていればそうした可能性もあったでしょう。しかし残念ながら、このカットの撮影日は8月21日でした。撮影現場でスクリプターを務めた鈴木桂子さんの台本には、そのように記録されています。
2016-12-12 19:42:51⑧ 台本記載内容の出典は、『ゴジラと共に 東宝特撮VIPインタビュー集』(洋泉社)での鈴木桂子さんの頁に掲載された画像です。件の記事には、「撮ったカットは一切漏らさず記録されている」とあり、頭上に持ち上げた姿勢で沈むカットが撮られた形跡はないとも書かれています。
2016-12-12 19:43:33⑨ 同記事の最後には、「ただし現場で撮っていなくても、合成処理で表現された可能性は否定できない。」とあります。私もその可能性は否定できないとは思います。とはいえ、現状では極めて低い可能性と言わざるを得ないですね。
2016-12-12 19:43:57⑩ ただ、何かを「絶対になかった」というのは大変なことなんです。『緯度0大作戦』DVD発売当時に某映画雑誌に掲載された『緯度0大作戦』の記事では、原作となったラジオドラマが放送された事実はないと書かれていました。一体どうしてそんなことが簡単にいえるのでしょうか。
2016-12-12 19:44:53⑪ アメリカで『LATITUDE ZERO』というラジオドラマは放送されています。私は戦時中のニューヨークタイムスを調べてラジオ欄にその題名を発見しました。また、アメリカ在住の友人の協力を得て、ラジオ番組の研究者からその第1回放送の録音も入手して、その内容も確認しました。
2016-12-12 20:06:09⑫ ラジオドラマの内容は、確かに原作と呼ぶにふさわしいものでした。まだあります。その某映画雑誌緯度0記事では、田中友幸さんが渡米して交渉したという新聞記事を取り上げて、「渡米したのは田中ではなく、翌年東宝映画社長となる藤本真澄」と書いています。その主張は誤りです。
2016-12-12 20:06:52⑬ 「翌年東宝映画社長となる」が違っているのはご愛敬として、田中友幸さんが渡米して交渉にあたったのは事実です。私は直接田中友幸さんに取材して確認しました。また製作当時の業界紙でも、田中さんが何月何日に渡米し何日に帰国したかまできちんと報道されています。
2016-12-12 20:07:30⑭ その某映画雑誌緯度0記事では、1968年10月13日の新聞記事をとりあげ、これが後に『緯度0大作戦』と呼ばれる映画の情報が「最初に世に出た記事」だと書いてあります。それ以前になかったとどうして簡単にいえるのでしょうか。それ以前にいくつも報道が出ていますよ。
2016-12-12 20:08:15