自由や多様性を守る為だけに我々は対話・啓蒙・議論するのではありません

兼光ダニエル真@C99二日目12/31東ヨ06a @dankanemitsu

日本のアニメ・マンガは「単純化されたキャラクターゆえに感情移入しやすい」それに「擬音や擬態語の多用、並びに複雑な心理描写が定着しているので読者は主観の共有しやすい」などの特徴があると思います。私はこれを「主観の肯定」と呼びます。極端に曖昧ではないのに解釈の自由度がかなり広いのです

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例えば同じ金髪碧眼のキャラクターがいても日本人読者は日本人として受け入れ、米国人は米国人として受け入れます。この「単純だが事細かい記号の組み合わせの言語」を学ぶことで作者も読者も一種の視覚的共通言語を築き、対話することが出来ます。しかも国籍や言語に限定されず展開が可能です。

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日本のマンガ・アニメ・ゲームを基点に花開いた萌えの絵柄やBLで切磋琢磨された耽美的美学は世界中に広がっています。今や多くの国において若いクリエーターが日本のマンガ的記号学で新しい作品を続々と生み出しています。

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私の母の実家のミネソタのローカルコミックコンベンションでも若い作家さんはみんな日本の絵柄の影響を受けていました。まさかヒジャブを擁護しイスラム文化について理解を求めている海外の絵師が日本の絵柄を活用する時代が到来するとは以前の私はまったく予想できませんでした。

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しかしこの様な「主観の肯定」と日本の作品において美徳とされる曖昧さ、更には記号と美的感覚の目覚しい進化は外野からはまったく理解不能になりやすい側面もあります。日本国内でも萌えに対して時折発生する強い拒否反応が良い例ですが、記号の意義や虚構への心構えのズレがおきやすいのです。

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陶器ついて詳しくない人からすれば、古物商の価格設定が理解不能になりやすいように、日本のアニメ・マンガの世界の住民ではない人間からすれば虚構に心血を注ぎ、かなりどぎつい外連味も含む妄想の万華鏡に熱中する人は異質に見ます。しかも万華鏡の中に移る幻影の意味もまったく意味が異なります。

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日本のマンガ・アニメにおける「主観の肯定」は虚構（作品）の意義をあまり強く主張しません。見るものがそれを決めれば良いと考えるからです。作者もそれをあまり自己主張することを躊躇います。ところが欧米の感覚すれば作品は作者の半身であり、存在する意義を主張することが美徳とされます。

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虚構の嗜みの本質だけではなく、虚構の意義、そして虚構を構築する記号の解釈もかなりの自由度があるゆえに、対話を難しくさせる「解釈のズレ」が発生しやすいことも意識しなくてはなりません。例えば日本の絵柄を巡ってかなり面倒くさい事案が発生しています。年齢が極端に低く見えるのです。

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「幼いは聖域」とする見地からすると日本のアニメやマンガは大きな暗部を抱えています。我々オタク文化の住民からすれば慣れ親しんだ絵柄で人生のあらゆる側面を題材とすることは当然であり、虚構という共有された妄想領域において自由に思いをめぐらせるのに抵抗はほとんどありません。

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しかし「幼いは聖域」の人からすると日本で一般化している萌えの絵柄で「大人の関心」を追求することは良心の呵責を起こすべき汚らわしい事柄であると結論できます。国連の委員会や国際団体の見立てにおいて「読者が未成年者キャラクターに性的関心を寄せる」こと事態が由々しきとされているのです。

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このような幼さを聖域化する批判に対して私は「マンガ児童ポルノなどと言うものは存在しない。児童ポルノは児童が関わっているから対処しなければならない。日本では男女両方の間で幼いキャラクター的絵柄が浸透しているがゆえに件の批判は絵柄への攻撃である」と海外メディアに対して発言しています。

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日本においても児童の待遇について反省せねばならない点は色々あります。しかし同時に世界中に受け入れられている文化と自由を発信していることも忘れていはいけません。外国が唱えることだからと言う事だけで拒絶や服従するのではなく、その議題をよりよく理解し対話することが大事です。

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日本のクリエーターが謳歌している自由や多様性を守る為だけに我々は対話・啓蒙・議論するのではありません。日本からの発信された作風や自由に魅了され、新たな世界を切り開こうとする世界中のクリエーターの為にも我々はこれをなさねばならないのです。