アニメにおいて道路、鉄道、川が意味する表現について
- shimesuhen
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『響け!ユーフォニアム2』の9話、スニーカーが自分で道を歩きたいという思いだというのには気づいていたが、靴紐を結んでもらうことが束縛を受け入れていることだとは気づかなかった。俺も本当にまだまだ全然だな
2016-12-19 22:13:33あすか先輩がユーフォ吹くあたりの川の逆流は時間を戻すということで原点回帰。遠くの列車が逆走から停止するのは運命の流れが(いい方向に)変わる可能性を示す(距離の遠さはたどり着きにくさ)
2016-12-19 22:13:43アニメにおける川、道路、鉄道についての使い方は教科書に載せておいてもいいくらいの基本事項だと思うのだが、この辺の解説って何処もやってない気がする
2016-12-19 22:14:07川の流れは基本的に安定してるから人生における「時間」という意味合いが出て来る。道路や鉄道は信号や駅に流れが止められてしまうものだから「時間」というニュアンスは生まれにくい
2016-12-19 22:14:34鉄道は勝手に進む道を変えられない。ゆえに運命というニュアンスが強い。川の場合に運命という意味になりにくいのは、川全体が進んでいくために特定存在の運命という限定性を持ちえないということだろう。世界全体の運命という意味合いなら川を使うのもアリかもしれない
2016-12-19 22:14:57ついでにいうと鉄道というのは社会規範(レール)を意味することもある。『言の葉の庭』で主人公が学校をサボるのに途中下車するのは社会のレールから外れる行為
2016-12-19 22:15:12『あの花』での快速通過待ちは「他の人に追い越されて先に行かれて置いてけぼりになる」という意味。この場合は運命というよりは人生の方だね
2016-12-19 22:15:59道路の場合は自分で進む道を選べる。ゆえに進路というニュアンスが強めになる。『けいおん』2期マラソン回や『劇場版ラブライブ!』において主人公が道に迷うのは進路に迷っていることを示す表現
2016-12-19 22:16:14歩道橋などから交通の流れを見つめることは自分の人生を見つめ直すことを意味することが多い。自分の人生を見つめ直すのは川でも良いと思うのだがどちらを選ぶかは話の流れ次第ということだろうか
2016-12-19 22:16:39逆に歩道橋自体を道と解釈すれば、回り道や遠回りのようなニュアンスも出てくる。人生を見つめ直すことが回り道だと考えればこちらの方が有効性は高めになるかな
2016-12-19 22:16:54十字路は2つの人生の交錯という意味になりそうな気もするが、十字路自体がありふれたものなので印象に残りにくく表現として使いにくい。だが十字路を俯瞰で映し神の視点にすれば可能か
2016-12-19 22:17:12追記
ちょっと説明が足りなかったかもしれないので
アニメによってはシナリオを映像にするので手一杯でこの手の演出的工夫を織り込めないということもある。そしてシナリオの都合上どうしても描かなければならないものについては演出意図を含まないのが普通である。たとえば電車通学する場面が必要な場合には大抵は人生だの運命だのという意味は持たないということ。
ただ演出家というのはできるだけ演出的な工夫を織り込もうとする場合が多い。それは受け手の表層意識と潜在意識を同じ方向に向けることによって表現というのは強調され、より伝わりやすいものになるからである。
逆にシナリオが難しい場合においては、この手の演出意図をしっかり読み取ることで作品の誤読の可能性を低く出来ることもあり、作品評論をやる上では押さえておいたほうがよいのではというのは俺の考え方。