年越し文化に見る不思議さ

高山直人(💉×4)(魔法天使、軍事好き、車バイク鉄道&オタク&サブカル&左翼が死ぬ程超好き) @naobotaka_magi

韓国での取材中にネットサーフィンでいろいろ調べたけど、どうやらマイカーでの帰省はアメリカでは非常識らしいよう。列車の混雑はまだ想定内だが、いかにも日本的な韓国での帰省文化との遭遇はほんとにユニークだった。

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日本の都会人にとっては車は完全にホビーなイメージなのである。公共交通が十分に整備され、駐車場のスペースが少ないので日用品として使いづらいということ。休憩施設が少ないというのも、趣味体験感を満喫することができてとてもいいものだ

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しかしアメリカは、今でも昔ながらの車社会の流れを引きずっている。アメリカ人にとって車は逆に日用品であり、鉄道は多くは旅行時に使う交通機関で、定期券は殆ど売れていない。しかし、日本産の公共交通文化をも受け入れてもいる

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彼らにとってすれば「鉄道」は自分たちのふるさとのシンボルであり、私たちが古い町並みに慣れ親しむような感覚がある。自動車を偶像崇拝する日本人にこそ違和感があるわけで、一方で、最近の日本人は面倒臭くなって使わないファーストクラスを旅行時に利用する人も結構いるわけだ。

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日用品とは何なんだろうなあ・・・とか考えちゃう。オートバイや電動自転車が復権しているようなものは、公共交通のイメージ悪化という現代日本の現実に対する裏返しであったり、逆に現実離れしたものでしかなく、これらと文化的なものとはまた異なるものだ。

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また、現在の日本は2000年代に均一化を進めた関係で、固有の土着的地域性を持つ人はほとんどいない。2000年代前半まで全国各地に寝台列車が残っていたのだが、では東京駅や上野駅にその名残はあるだろうか。

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現代は非常に合理的な社会だ。現代人というと悪く言えばわがままでルーズなようで、それゆえ法律や規則・契約といった決まりとなる仕組みが事細かに設計されていて、その決まり事さえしっかり履行すれば個人の自由度がものすごく高いし、異なる立場の人同士の交流や協力も盛んなように見える

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だからこそ不思議なのは、本来ならば時代遅れになった時点でやる必要のない伝統を、当時を経験していない人たちがしっかりと続けていることだ。オタク文化を捨てた日本人も多いはずだがオタク性の性質が強いサブカル文化がなぜ持続できたのだろうか？

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その一方で、歴史が古いがゆえに旧態依然に陥りやすい人は、意外にもこういうことに縛られない。帰省しない日本人も多いし、たとえば「漫画家輩出高校を出た」私やその妹も彼の漫画を読んだことがない。文化と現代性がかなり途切れていると思う

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私のネット友達が学生時代にお世話になったという渋谷では年の変わり目に若者が歩くという風物詩があるが、このような習慣は若者のサブカル文化で作り上げられてきた偶像であり、これすら「文化社会の産物」であり伝統的なものではない

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調べてみるとインターネットでもカウントダウン文化はあるが、性質はちょっと異なるようだ。ニコニコ動画で行われる年越しイベントは、動画サイトの運営者の好みによって作られたものらしい。つまり、自然に作られた渋谷のカウントダウン文化とも違う

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私は課金サービスを使った経験がないので勘違いもあるかもしれないが、ニコニコ動画は近年さびれていると聞く。外国系と違ってアフィリエイトの敷居が高くオタク系の人がかなり離れてしまったようで空洞化してしまうようだ。その課題もあってイベントで盛り上げるわけだ

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日本の鉄道には大晦日における終夜運転の習慣がある。神社や寺院で年を越す習慣もある。しかし外国には24時間運転はあってもそこでの年越しはなく、それどころか正月文化という概念すらない鉄道もある。

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そう考えていると、サブカルは歴史的な事情により偶像の実体を持たないが（オタク世代は別）、文化的流れに継続性があり、実体を持っていても断絶しているオタク系とは異なる。サブカルは、世代交代が継続できたことで独自性を保てたのだろうか

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鉄道趣味はサブカル文化。ニコニコ動画文化はオタク文化だがそれは過去形。もちろんどちらも非メイン文化であるが、しかしそういう人たちほど日本的伝統に疎いように見える。もはや「日本人」はひとくくりにできず、人が違えば文化的特性も異なるのかもしれない

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渋谷などのカウントダウン文化の場合、完全な世襲サブカル世代であるがゆえに「異世代文化としてのそれ」ということでカウントダウン文化が注目される傾向があり、それは当事者性を引き継いでいないオタク文化のニコニコ動画とは違う。これをヒルビリーに解り易く置換して考えると、

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日本人がよく評価する都市鉄道文化は、外国人の中では異文化という認識で、その異質性を現実として認識する日本人と意見の相違があったりする。親世代に限らず地方人の同年代経験者と接していてもそれは感じる。こう考えると、サブカル世代で表現される年越し文化の感覚は私にはしっくりくる

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サブカル世代集団の中にオタク精神を引き継ぐ人間がいるのが渋谷人の年越しの風景なら、オタク世代がそのまま年をとって同じスタイルの年越しを続けるのがニコニコ動画や秋葉原人という、似ているようで逆なもの、ものすごく興味深い。

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オタク人たちは表面印象であれば不愛想に感じるが、一方で打ち解けることのできる相手には結構親しいところもある。よく考えるとこのサブカル人は世代にもよるが私と彼らとの隔たりに似ている。オタク人は今や完全に生きる化石だ。彼らは思いのほか、同じ世代の人たちの集まりのような感じかも

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私はSkypeでよく、オタク世代と親しい話をする機会に恵まれる。初回は若いアニオタと、その次の時は初期オタク世代で機械ネタを話し込んだりし、今回はカップルを作った痛車・痛単車マニアで、忘れたけど他にもいろいろあったっと思う。いい意味で想定外の出会いだ

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やはりオタクやサブカルって私たちにとって一番親近感があり、かつ異なる文化を認める存在だと思うんだよ。以前、オタク文化が1980年代まで不良扱いされていたという事実にビックリしたけど、こういうを文筆のネタにしたいなあ

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世界では今、あのような若者が乱立し、ニヒリズム的な動きが加速している。日本のメディアからも拝金文化と切れたサブカルが過去10年くらいで一気に激減していて、過激思想が復権しているからこそ、それを埋める文化を愛おしく思う