脳科学者・茂木健一郎氏(@kenichiromogi)が語る「入試」

脳科学者の茂木健一郎さんが入試について思うことをツイートしたものをまとめました。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

入試(1)日本の大学入試には、さまざまな問題点がある。まず、受験年齢の制限がある。本来、受けたければ15歳でも12歳でもOKのはずである。ハーバードの受験資格に、年齢制限はない。そんなに急いで行かなくてもいい、という人がいても、早く大学に入りたいという人がいても良い。

2011-02-28 08:42:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

入試(2)年齢制限があるから、18歳までは、どんなに優秀な人も、入試の問題に備えるという人工的な競争を強いられることになる。本当は、高校の数学なんて16くらいで終わらせてとっとと先に行けばいいのに、いつまでもぐるぐると同じ範囲に留まることを強制される。

2011-02-28 08:43:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

入試(3)アメリカのSATは、日本の感覚から言えば簡単な問題であるが、これは一つの叡智である。共通して課される問題は、普通に高校生活を送っていれば解ける範囲に制約する。その上で、どんな方向に延ばすかは、個々人の自由とする。

2011-02-28 08:45:04
茂木健一郎 @kenichiromogi

入試(4)高校時代からポアンカレ予想に取り組むような人がいても良い。そのような人を標準的なテストで評価することはできない。だから、共通部分のSATはあの程度にしておいて、あとはどの方向に尖るかは、自由にしてください、ということなのである。

2011-02-28 08:46:08
茂木健一郎 @kenichiromogi

入試(5)日本の大学入試は、高校までの範囲で小難しい問題を出すため、受験生は受験までは一カ所にとどまって足踏みしているような状態になる。センター試験だけで十分であり、さらにどちらの方向に延ばすかは、個々人の自由にすべきである。

2011-02-28 08:47:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

入試(6)そもそも、入試で問われている「学力観」が古いのである。歴史の試験で、細かい年号や人名を聞いても、意味がない。情報はふんだんにある時代だから、それを総合して、どのように自分の見解にまとめるかという能力を見るべきなのである。

2011-02-28 08:48:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

入試(7)和文英訳、英文和訳もナンセンス。大量の文章を読み、大量の文章を書き、たくさん話す訓練だけで良い。日本の英語の大学入試は全廃して、TOEFLを援用すればそれで十分である。

2011-02-28 08:50:12
茂木健一郎 @kenichiromogi

入試(8)無駄に小賢しい二次試験を課しているから、大学教員の採点などの負担が大きくなっている。意味のない二次試験を廃してセンター試験だけにすれば、教員の負担も軽減されて、みんながハッピーになる。

2011-02-28 08:51:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

入試(9)大学入試が大きな抑圧の構造になっている現状を変えるべき。学ぶことの大らかな喜び、それぞれが自分の好きなように尖り、突っ走ることができる青春時代を取り戻そう。

2011-02-28 08:52:42
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、日本の大学入試についての連続ツイートでした。

2011-02-28 08:53:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

例えばさ、今回aicezukiがネット掲示板に書いた「「シカゴでは何度か水辺やその近くの戸外で過ごしたものだ」を英語に訳せなんて問題、ナンセンスじゃないか。こんな意味のない和文英訳をやらせているから、日本の学生は英語やる気なくなるんだよ。

2011-02-28 08:59:09
茂木健一郎 @kenichiromogi

オレが誰かの英語力を見ようと思ったら、和文英訳なんてくだらないことは絶対に課さない。たとえば、Write a short essay on democracy and the webとかテーマを出して、500 wordくらいのエッセイを書いてもらう。

2011-02-28 09:00:41