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笹本祐一氏によるルビ論

作家笹本祐一氏によるかっこいいルビの例や吹き替え、一人称の使い分け論
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笹本祐一 @sasamotoU1

ところで、翻訳に於けるルビ問題。 togetter.com/li/1063486#c33… 子供の頃、漢字だらけの本にも懇切丁寧にルビが振ってあって、あれは読書の多大なる助けになった。とりあえずひらがな、カタカナ読めれば、漢字読めなくても文章は読めるんだからありがたい。理解はともかく。

2016-12-27 10:50:57
笹本祐一 @sasamotoU1

なんで、出来れば小学生、中学生まで読者対象にする本なら総ルビにしたい作家なんだが、コストとかデザインとか諸般の問題でそうも行かないのが現実である。文庫、ノベルスの場合は、初出の読みにくい単語、読み方が複数ある単語には振るけど、あとはそれ覚えてね、ってのが基本スタイルですねえ。

2016-12-27 10:52:50
笹本祐一 @sasamotoU1

さて、他人の作品で印象的なルビ、と考えて思い出したのがこの使い方だ。他ならぬ野田大元帥の長篇処女作、宇宙からのメッセージのノベライズ角川文庫版。「跳躍航行に入れ(とべ)るな?」おそらくこの辺りから、読み方ではなく台詞の意味の解説というルビの使い方が出て来たんだと思う。

2016-12-27 10:58:17
笹本祐一 @sasamotoU1

余計な解説。本文では、こんな感じにルビ入ってます。  と     べ跳躍航行に入れるな?」  痺れたっけ。

2016-12-27 10:59:37
笹本祐一 @sasamotoU1

なんでこのルビの使い方かっこいい!と思ったのか、解説すると、この台詞が「跳べるな?」だけだとその場でジャンプするのかと思っちゃうかもしれない。そこで跳躍航行に入るという文言に「とぶ」というルビを振ることにより、意味と同時に普段彼らがそう言う言葉遣いで生活してるところまで解るんだ。

2016-12-27 11:01:35
笹本祐一 @sasamotoU1

台詞における日本語の使い方は、だいたいにおいて小説よりもまんがの方が先行してるんで、おそらくルビの読み仮名じゃない使い方もルーツを辿ればまんがに辿り着くんだと思う。印象的なのは北斗の拳で「強敵」と書いて「とも」とルビをふった辺りだが、現役の読者としては戸惑わなかったもん。

2016-12-27 11:04:00
笹本祐一 @sasamotoU1

自分の使い方としては「撹乱膜(チャフ)」なんて使い方ぱっと思い付きますな。これは日本人の軍事に余り詳しくない読者向けに説明としての使い方なんで、英語翻訳ならそのまんまチャフにしてもらって大丈夫なはず。問題は、そんな単純に切り分けられない場合だ。

2016-12-27 11:06:21
笹本祐一 @sasamotoU1

だけど、ふと逆のケースを考えてみる。オーマイゴッドって台詞を同一キャラが何回も言う場合、状況と場合に応じて日本語なら「なんだと?」「なんてこった……」「神さま!」「南無三!」くらいの使い分けしていいはずだよね?

2016-12-27 11:09:10
笹本祐一 @sasamotoU1

んじゃまあ、翻訳する人には「よろしくお願いします」と頭を下げて、我々は自分の表現のさらなる先鋭化に邁進すればいいんじゃないだろうか。その結果出てくる面白いものが、国内に受けても海外に受けないってえんならしょうがない。作品の魅力全部が伝わらないなんてよくあることだ。

2016-12-27 11:11:07
笹本祐一 @sasamotoU1

海外ドラマにしても映画にしても、吹き替えでさんざん慣れてたのが言語聞いてみたら「こんなこと言ってたんかあ」なんてことはある。「なるほどこう翻訳したか」なんてケースもある。具体例を挙げよう。スターウォーズep4、原語はひとつだが日本語版はいっぱいある。

2016-12-27 11:13:35
笹本祐一 @sasamotoU1

スターウォーズには短くても印象的な台詞がいっぱいあるんだが、ここではデススターからレイア姫助け出し、追撃のタイファイターもなんとか振り切ったあとのミレニアム・ファルコンのコクピットでの会話。レイア姫「あなたはお金にしか興味がないのね!」と言い捨ててハンソロ残して操縦席から出てく。

2016-12-27 11:15:26
笹本祐一 @sasamotoU1

入れ違いに操縦室に入ってきたルーク、出ていくレイア姫の後ろ姿を見送りながらシートについて「あの人、すごいね」これに対するハンソロの台詞だ。スイッチ入れながら原語じゃ「そのことについては話したくない」みたいな事言ってるんだが、ルーカス監修版だとこうなる「話題を変えよう」

2016-12-27 11:17:04
笹本祐一 @sasamotoU1

なるほどと思いましたね。ep4は今でもルーカス監修の日本語吹き替え版が最高だと思ってるんだが、なんでもない台詞でもキャラ立てに使える。センスって大事って思い知りましたわよ。

2016-12-27 11:18:36
笹本祐一 @sasamotoU1

というわけで、作家としてはルビに限らずどんな手使ってでも面白いもの作ろうと思いますので、翻訳の方は苦労かけると思いますが、よろしくお願いします。

2016-12-27 11:19:35
笹本祐一 @sasamotoU1

翻訳に於けるルビ問題って、まんがの右開き、左開きに似てるような気もする。いいじゃん、日本語の翻訳してる人が「ルビの発明者を殺してやりたい」なんて、親しくないと、ちゃんと理解してくれるって思ってなきゃ言ってくれないぜ。

2016-12-27 11:24:42
笹本祐一 @sasamotoU1

ルビ以前に、日本語だと一人称が「おれ」「ぼく」「それがし」「せっしゃ」「じぶん」「わたし」漢字カタカナ表記も入れればそれこそ山のようにあるのに、英語だとほぼ全部Iとmeに収束しちゃう、なんて愚痴は聞いたことあるなあ。

2016-12-27 11:27:34
笹本祐一 @sasamotoU1

「わたし」「ワタシ」「あたし」「あたくし」「私」あたりの使い分けなんぞ、そりゃあやれッてったって無理よねえ。

2016-12-27 11:28:24
笹本祐一 @sasamotoU1

しかしまー逆ににこっちが原語でマイフェアレディー見たとして、コックニーとクインズイングリッシュの違いなんぞ解るわけがないんで、この件ってどこにでもある、解決可能だから努力し続けなきゃならない問題だとも思うのである。

2016-12-27 11:32:46
笹本祐一 @sasamotoU1

英語でも男女の言葉遣いの違いはあるらしいんで、たぶんその応用で細かい芸を使いまくるしかないのではないかと。しかし、「つらいぜ!ボクちゃん」のタイトル翻訳を想像するだけでその困難は想像出来ますな。 twitter.com/kasai_sinya/st…

2016-12-27 11:35:16
葛西伸哉 ラノベ作家 @kasai_sinya

@sasamotoU1 ボクっ娘とかも翻訳困難なんでしょうねぇ。

2016-12-27 11:33:21
ささみ @chachamimm

@sasamotou1 日本語は表意文字の漢字、表音文字のひらがなが混ざってる国だから、やろうと思えば、なんでできるけど、ルビに漢字を使うのはいまいち納得はしてない。 海外作品だったら、英語なら微妙な表現があるのは原本で読みたい。だから、外人も翻訳しないで、原本で読んで欲しい。

2016-12-27 11:05:24
笹本祐一 @sasamotoU1

@chachamimm 本文カタカナに漢字でルビ振ったりだって、こちとら必要だと思えばなんでもやるからなあ。

2016-12-27 11:21:55
ささみ @chachamimm

@sasamotou1 そのあたりは日本語が使える日本はいい国だと思うよw

2016-12-27 11:24:34
Shinichi OSHIBUCHI @CptBuchi

@sasamotoU1 眼下の敵かで潜水艦を索敵してるときに、ping!←(英語は自信ありません)本来なら、感アリ!くらいのセリフのはずですが、釣れたっ!って吹き替えに痺れました

2016-12-27 11:25:25