ニンジャカタナ!Location#A.D2399 Chapter 7 『旅立ち.04』
こんにちはー!四ヶ月ぶりとなりましたが、今からニンジャカタナ、Location#A.D2399の続きを投下しまーす!久しぶりすぎて文体とか違和感あるかもしれませんが、どうかお気軽に流していただけると幸いです!
2016-12-26 22:57:07:前回までのあらすじ: カタナにとっての師であり、父でもあった男、アレイドは、激闘の末カタナとカーヤの連携の前に倒れた。だが、傷ついたカタナを治療する間もなく、二人を乗せたラピスは次元の狭間で正体不明の物体と遭遇する。生物とも、機械ともつかぬその物体に飲み込まれるラピス。
2016-12-26 23:00:03カーヤは既にアレイドの攻撃によって大破していたラピスのメインブロック放棄を決断をすると、建造途中の自律航行艦、ラピスⅦへと乗り込み脱出をはかる。しかしついに脱出しようというそのとき、ラピスⅦの発艦用ゲートが謎の物体によって塞がれてしまう。
2016-12-26 23:01:18このままでは脱出することもできず、ラピスⅦと共に飲み込まれるのを待つだけかと思われたそのとき。カーヤの耳に、悲壮な決意を秘めたB・Bの声が届くのであった――。
2016-12-26 23:02:08ニンジャカタナ LOCATION#A.D2399 Chapter7 旅立ち pic.twitter.com/gZhX7MpUfc
2016-12-26 23:04:19「このボディは、ジェネレーターを搭載しています。爆発させれば、ゲートを吹き飛ばせます」 愕然とする僕の耳に、無機質なB・Bの声が届いた。それ以外の音がやけに小さく、遠くに感じた。 「私が爆発したら、すぐにラピスⅦを発進させて下さい」
2016-12-26 23:06:20「そんなこと、僕が許可するわけないだろ!?」 鳴り響く警報と、点滅するランプが目に飛び込んでくる。僕は我に返ると、すぐさまB・Bに帰還命令を出す。他のビーンズに比べてたくさんの権限を与えてるとは言っても、B・Bだってビーンズであることは変わらない。僕の指示には逆らえないはずだ!
2016-12-26 23:08:31――なのに、逆らえない、はずなのに――。 「大丈夫です。私が、神様を助けます」 B・Bは動かない。どうして? B・Bは、どうして僕の命令を聞かないんだ――? 「なんでっ!」 焦りと苛立ちに、僕は思わずドンッと、ラピスⅦのコントロールパネルに拳をたたきつけた。
2016-12-26 23:13:12B・B――。 500年前、次元の狭間に逃げ込んでから、B・Bと僕はずっと一緒だった。僕が最初に作った話し相手――。 そして、僕はその間、ずっとB・Bに酷いことをしていたんだ。 「やめて! やめてよB・B! 僕はまだ、ちゃんと謝ってない! これからもずっと、僕と一緒にいてよ!」
2016-12-26 23:15:32激しくなるアラートも耳に入らず、僕はひたすら叫んでいた。僕はこのとき、自分が本当に、どれだけ酷いことをB・Bに、そしてビーンズ達にしてきたかを痛感した。 そして、それと同じ――ううん。比べものにならないほど、僕はB・Bやビーンズ達に助けられてきたっんだってことを思い返した。
2016-12-26 23:18:55「ともだち、なんだ……君は、僕の大切な友達なんだ。だから、お願いだから戻ってきて――」 滲んで何も見えなくなった視界の先、モニターに映るB・Bに必死に呼びかけながら、僕は情けなく涙と鼻水を垂らして懇願する。わかっていたんだ。B・Bはそれでも戻ってきてくれないっていうことが――。
2016-12-26 23:20:59「ありがとうございます。神様。どうか、お元気で」 その言葉を最後に、B・Bの機械の体を構成するパーツの隙間から閃光が漏れ出る。ジェネレーターの暴走。 瞬間、僕の世界は真っ白になって、音も、感覚も、何もかも消えてしまったように感じた。
2016-12-26 23:22:46(――心配すんな。ここにいるみんなは、お前のためならなんだってやってくれる――) 寄り添うような声。停止した時間の中で、僕は確かにカタナの声を聞いた。
2016-12-26 23:28:06目を見開いた僕が見た光景。それは、視界全てを覆う緑色の光――。 「ミドリ……ムシ?」 周囲を見回す僕の視界は、辺り一面ミドリムシが放つ緑色の光に埋め尽くされていた。カタナの姿は見えなかったけど……ただ声だけが、まるで僕の肩に手を置いているように、優しく響いていた――。
2016-12-26 23:29:48(みんな、カーヤのことをずっと守ってたんだ。たぶん、カーヤがここに来る、ずっと前から) 「――ずっと、前?」 驚く僕の脳裏に、色鮮やかにに浮かび上がる景色。 父さんと、アマネ博士と、研究所の人たちや、学校のみんなとの生活――。 もう戻らない、ずっとずっと昔の世界の記憶――。
2016-12-26 23:31:52(きっと、俺なんかじゃわからないくらい昔から、こいつらはお前のこと、守ってくれてたんだと思う) 不思議だった――。 500年前。最初のニンジャ襲撃のときも、その後の500年の暮らしのときも、どうして僕だけがこうして運良く生きていられるんだろうって――。
2016-12-26 23:34:04ミドリムシがカタナの話す通りの存在なら、確かに僕は、僕の気付かない部分でも、大きな部分でも、彼らに守られて、導かれていたのかもしれない。そして、きっとその中には父さんや、アマネ博士の想いも――。 (俺も一緒にやる。やれるだろ? カーヤ) 「ありがとう、カタナ――。もう、大丈夫」
2016-12-26 23:36:19僕は、僕が思っている以上にたくさんの想いに支えられて今ここにいる――。 なら、僕が今やるべきことは泣くことじゃない。 「絶対にB・Bを死なせたりしない。僕も、ラピスⅦも、無事に脱出してみせる。僕たちは、僕たちの世界に帰還する!」
2016-12-26 23:38:37僕のその声と共に、ラピスⅦのスラスターに火がつく。閃光に包まれたB・Bに緑光が収束して明滅し、白い光を押さえ込んで一緒に消える。半壊したラピスを後部から飲み込んでいた艦はそこから漏れ出た光に飲み込まれる。 よどんだ次元の片隅で、緑と白の光が交錯し、ゆっくりと消えた――。
2016-12-26 23:41:58ニンジャカタナLocation#A.D2399 Chapter 7 旅立ち.04 >>>End Next>>> Epilog ――――――――――――――◆
2016-12-26 23:42:43本日の更新は以上になります!長時間TLを利用させていただきありがとうございます!更新が滞っていたものの、ニンジャカタナの過去作はカクヨムにて全て閲覧可能です!もしご興味を持って頂けましたら、読んで頂けると幸いです! kakuyomu.jp/works/11773540…
2016-12-26 23:44:28ニンジャカタナは各部完結型となっており、ボーイミーツガールの#93。スチームパンクの#225。王道SFの#A.D2399となっています。どれから読んでも特に問題ありませんので、ぜひぜひ、ご覧下さいませ!
2016-12-26 23:46:04