2016年に読んだ本 ー「#2016年の本ベスト約10冊」によせてー

備忘用。2016年に読んだ本の中で特に印象深かったものをいくつか紹介します。 #2016年の本ベスト約10冊
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アザラシ提督 @yskmas_k_66

さて、それでは今年読んだ本を振り返っておきます。 #2016年の本ベスト約10冊

2016-12-11 21:57:55
アザラシ提督 @yskmas_k_66

(ちなみにこちら、去年のベストです。) twitter.com/yskmas_k_66/st…

2016-12-11 21:58:49
アザラシ提督 @yskmas_k_66

#2015年の本ベスト約10冊 いろいろなベストが見受けられますが、ワタクシは「2015年に出版された本」に絞って、ひとつまとめてみようと思います。

2016-01-07 02:46:02
アザラシ提督 @yskmas_k_66

#2016年の本ベスト約10冊 (1)チエシュコ, M.『古典ギリシア語文典』白水社 (2)高橋宏幸(訳)『アレクサンドリア戦記 アフリカ戦記 ヒスパーニア戦記』岩波書店 (3)長谷川貴彦『現代歴史学の展望』岩波書店 (4)樋上昇『樹木と暮らす古代人』歴史文化ライブラリー

2016-12-11 22:00:23
アザラシ提督 @yskmas_k_66

#2016年の本ベスト約10冊 (5)神田千里『戦国と宗教』岩波新書 (6)旦部幸博『コーヒーの科学』ブルーバックス (7)宮尾與男(訳)『きのふはけふの物語』講談社学術文庫

2016-12-11 22:01:27
アザラシ提督 @yskmas_k_66

#2016年の本ベスト約10冊 (8)乙野四方字『僕が愛したすべての君へ』ハヤカワ文庫JA (9)前野ひろみち『ランボー怒りの改新』星海社FICTIONS (10)宮内悠介『スペース金融道』河出書房新社

2016-12-11 22:02:43
アザラシ提督 @yskmas_k_66

#2016年の本ベスト約10冊 と、いったところで、これが2016年のマイベストです。 pic.twitter.com/qMz37Y0PCK

2016-12-11 22:12:43
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アザラシ提督 @yskmas_k_66

あ"…、しまった。長谷川先生の本のタイトルを間違えてツイートしてしまいました。すみませんでした…。 誤) 『現代歴史学の展望』 正) 『現代歴史学への展望』 twitter.com/yskmas_k_66/st…

2016-12-12 01:58:46

【補足説明】

アザラシ提督 @yskmas_k_66

先ほど挙げた10冊の本ですが、どんな本だったかをそれぞれ簡単に補足説明をしますね。 twitter.com/yskmas_k_66/st…

2016-12-11 23:50:50
アザラシ提督 @yskmas_k_66

(1)の補足 まず、『古典ギリシア語文典』ですね。今年はこの本以外にも『古代ギリシャ語語彙集』など、古代語に関する本がいくつも刊行されました。なので、古代語に興味を持っている/職業的に使っている人には当たり年だったように思います。 pic.twitter.com/BMnhOnjiG9

2016-12-11 23:53:02
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アザラシ提督 @yskmas_k_66

で、この『古典ギリシア語文典』ですが、中務先生の推薦文にある通り(hakusuisha.co.jp/book/b228929.h…)、「最新の文法理論を採り入れ」、「初めてギリシア語を学ぶ人たちにとって極めて有効」な作り方になっています。

2016-12-11 23:55:12
アザラシ提督 @yskmas_k_66

個人的には数詞の項目がすごく勉強になりました。ギリシア語で帯分数を表記する時はこうすればいいのかと納得した次第です。 また、前置詞の図も良いです。とりわけ、色々な幅の意味をもつ「ἐπί」がわかりやすく整理されています。

2016-12-11 23:56:45
アザラシ提督 @yskmas_k_66

もちろん、この一冊でギリシア語文法の全てをカバーできるわけではありません。高津春繁やスマイスの文法書の方が詳しいところも多々ありますし、方言や小辞はバックやデニストンにあたりましょうという原則は崩れないように思います。

2016-12-11 23:57:53
アザラシ提督 @yskmas_k_66

ただ、なんと申しますか、ギリシア語を読んでいて「なんじゃこりゃ、わからん」となったときに、読み解くヒントをくれる一冊が増えたということに変わりはありません。

2016-12-12 00:00:04
アザラシ提督 @yskmas_k_66

ギリシア人がどういう考え方でもって自分たちの言葉を作り、表現したのかを豊富な例文とともに教えてくますし、これからも折に触れて参考にし続ける本になるだろうと思ったので、今年のベスト10に入れました。

2016-12-12 00:01:19
アザラシ提督 @yskmas_k_66

(2)の補足 古代地中海世界の文学ですが、今年は『アッティカの夜』『ギリシア詞華集(2)、(3)』などが京都大学学術出版会の西洋古典叢書シリーズに加わり、『エジプト神話集成』が文庫化され、『アルゴナウティカ』が復刊しました。 pic.twitter.com/ZoNhH7eUwg

2016-12-12 00:05:13
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アザラシ提督 @yskmas_k_66

(あっ、ごめんなさい…! 『アルゴナウティカ』の復刊は2015年の11月でした。実は、入手に時間がかかったせいか、てっきり2016年に復刊されたものと…)

2016-12-12 00:08:17
アザラシ提督 @yskmas_k_66

(あー、それでは気を取り直して…) 他方で、ヒュペレイデスの新しく見つかった断片、ディオドロスの『歴史叢書』17巻84~118章、アイネイアス『攻城論』29~35章、クレメンス「断片集」といった、文字史料の翻訳が専門雑誌や大学紀要に掲載されました。 pic.twitter.com/8Gm5gaziM8

2016-12-12 00:10:11
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アザラシ提督 @yskmas_k_66

これらはいずれも古代世界を探求する上で重要なものとなるはずですが、「2016年の本でベスト10」という枠で考えるなら、『アレクサンドリア戦記 アフリカ戦記 ヒスパーニア戦記』だったかなと思います。

2016-12-12 00:11:52
アザラシ提督 @yskmas_k_66

この『アレクサンドリア戦記 アフリカ戦記 ヒスパーニア戦記』は、共和政ローマにおいて第一回三頭政治が破綻した後に勃発した内乱の【後半戦】を記録したもので、カエサル『内乱記』のつづきを書いた作品群にあたります。 pic.twitter.com/ncnaQisa8C

2016-12-12 00:15:56
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アザラシ提督 @yskmas_k_66

で、この本には、カエサルとクレオパトラのロマンスとか、そういうお話はちっともありません。あちこちの戦場でカエサルとその兵士がいかに戦ったかを描く、なんとも無骨な文字通りの「戦記」です。

2016-12-12 00:23:02
アザラシ提督 @yskmas_k_66

興味深いのは、兵士の規律の緩みや命令無視が描写されているところでしょうか。ほかの文字史料と照らし合わせて、古代の戦争を検証する上で参考にできそうなエピソードがいくつもあります。

2016-12-12 00:24:14
アザラシ提督 @yskmas_k_66

ベスト本に選んだ理由としては ①紀要に掲載された翻訳ではなく、一冊の「本」であること ②本邦初訳であること ③カエサルの戦いを文章で追えるという、面白さがあること ④古代世界の戦争という、ワタクシの興味関心と合致していたこと といった感じでしょうか。

2016-12-12 00:25:23
アザラシ提督 @yskmas_k_66

(3)の補足 『現代歴史学への展望』は、ここ半世紀の西洋近代史学史おいて重要な研究や概念を解説・検討し、それぞれにどういう批判があって、どのように次の時代の研究に継承されていったのか、さらに今後の歴史学のあり方まで見通したものです。 pic.twitter.com/rOHfiNfjKr

2016-12-12 00:39:16
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