NHK紅白歌合戦は最強のバズコンテンツ。

澤山モッツァレラ@編集者 @diceK_sawayama

ここ数年見ていて、改めてNHK紅白歌合戦は最強のバズコンテンツだなと。なぜバズってるかといえば、「秒数あたりの情報量の多さ」が一番だろう。大物勢が脱落してるのは代替わりだからでなく、「恒例」「鉄板」みたいなのでは情報量が少ないからでもあろうと、

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宇多田ヒカルにしたって「初出場」「朝ドラ主題歌」「8年ぶり新作」「母に捧げる歌」「スタジオライヴ（宇野維正氏『1998年の宇多田ヒカル』必読）」と山ほど情報量あって、「単なる歌唱」とフラットに見るのは全然楽しめない、ダサい見方なわけですもはや。

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同僚ディレクターに「これからはエクセレントコンテンツしか生き残れない」という話をした。もはや「そこそこいい記事」は飽和状態。しかし、過剰なほど情報が詰まった、一撃必殺なコンテンツは常に不足している。今後の編集者にはその視点が基礎知識として求められる。

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X JAPANが世代を超えて愛されるのも、長年蓄積した情報量。毎回hide、TAIJIの話をする行為も、物語の奥行きを何度も確認する行為。「点で見る」ことはもはや誰の共感も呼ばず、「線／面で語る」ことが共感を産む。

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氷川きよしにしても、ただ歌唱するのではなく九州出身者、被災地支援、実際に熊本城での極寒の歌唱、と複数のコンテクストが絡まっている。単に「大物」「労い」みたいな要素をここ数年の紅白は明示的に排除し、コンテンツとして質の高いものを追求している。もちろん、今回の集計のように（続

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そりゃ悪手だろ、みたいな謎要素もある。しかし出演回数が二桁なのは、2010年で19組→2016年で9組と半分以下。新陳代謝とバズを企図し、若年層が楽しめるコンテンツとして返り咲きを明確に意図している。視聴率は伸びなくともNHKなのでそこは大して問題なく、KPIは別にあると推測。

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個人的に、「有料放送としてのNHK」には視聴料の価値が十二分にある。過去の騒動を真摯に反省し、番組の質を追求し、契約者数の維持と代替わりを同時に達成する意図が、昨年／今年のPerfumeを例に引くまでもなく見られる。今年も、この放送局を積極的に支援したいと思った紅白でござった。

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NHKは、心底SMAPをブッキングしたかったろうな。暗黒しかない騒動のピリオドを、紅白歌唱で締められたら「SMAPという物語」を少しは救えたかも。紅白のブランディングとしても最善手だったし、直前まで水面下で折衝してたであろうことはマツコタモリの中途半端さ見ても想像できる。