dy/dxを分数だと見なさないのはトンデモでは無いから

元まとめに追記されていなかったので。なお、後半に前野氏と黒木氏のコメントを追記してあります。
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くるる @kururu_goedel

bit.ly/2h7ksMT 今、すごく時間がないので、数日後にきちんといろいろ書こうと思っているのだけど、今\int(x/\sqrt{x^2+4})dx=(1/2)\int(1/\sqrt{x^2+4}))dx^2+4=sqrt(x^2+4)という答案が(続)

2016-12-16 16:46:06
くるる @kururu_goedel

数日後と言ったのが十日以上前になってしまった。期末テストの点付けと成績の処理と二回延ばしてもらった査読締め切りと学生のインターンへの推薦状の締め切りがあって、私にしてはえらく忙しかったんです。でもこれは放置できないので。

2016-12-30 11:52:03
くるる @kururu_goedel

なぜ放置できないかというと、 twitter.com/genkuroki/stat…@genkuroki さんが「ひでぇおしえかた」と表現しているもののどこがひどいのかが全くわからないので、わかって納得すれば直したいし、納得しなければなぜ納得しないかを書いておきたいから。

2016-12-30 11:55:30
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

Re:RTs balsamicoseさんは現実に行われている「ひでぇおしえかた」をストレートに指摘してくれることがよくある。結構参考にしている。 ∫ f(x) dx の∫とdxがまるで「かっこ、かっことじ」のような扱いになっていると思っている高校生が結構いる?ひどすぎwww

2016-12-14 11:33:54
くるる @kururu_goedel

ちなみに twitter.com/genkuroki/stat… には諸手を挙げて賛成するし、教えるときにもそうやって教えている。わからないのは、それと「∫とdxはかっこ、かっことじみたいなもの」という説明にどういう関係があるかというもの。

2016-12-30 11:59:20
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

df/dx は Δf/Δx の極限で、∫_a^b f(x) dx は Σ_i f(x_i) Δx_i の極限だってことさえわかっていないとすれば、微分積分については何もわかっていないのと同じだよね。

2016-12-14 11:42:47
くるる @kururu_goedel

それと、twitter.com/genkuroki/stat… などで、あたかも微分を分数とみなさないことがトンデモであるかのように @sekibunnteisuu さんに言われているのが納得できないというのがある。

2016-12-30 12:03:29
くるる @kururu_goedel

たびたび書いているとおり、私は研究には多様性が必要であり、明らかに間違っていない限りは多様な見方を認めるべきだと考えている。だから、微分を分数だというのがトンデモとは言わない。でも、そうでない見方がトンデモというならこちらの意見は言う。

2016-12-30 12:05:55
くるる @kururu_goedel

前置き長い。自分が(アメリカの)Calculus Iを教えるときには、ほぼ教科書の方針に沿っている。アメリカの教科書は私が知る限り Stewart とほとんど変わらないので、まあStewart見てもらえればわかると思う。

2016-12-30 12:08:34
くるる @kururu_goedel

順序としては、【瞬間の速度または接線の傾きを求めるのに極限が有用と説明】【極限の定義、もろもろ説明】【もう一度速度と接線に戻って微分を定義】【微分のこといろいろ】【区分求積法で定積分を定義】【微分の逆演算として不定積分を定義】【微積分の基本定理】となる。

2016-12-30 12:14:53
くるる @kururu_goedel

ごめんなさい、妻に呼ばれて日曜大工しているのでしばらく中断します。

2016-12-30 13:31:58
くるる @kururu_goedel

復帰。とりあえず、極限の定義も微分の定義も、区分求積法としての定積分の定義もおろそかにしていませんということです。

2016-12-30 14:27:06
くるる @kururu_goedel

もう一つ前口上。この後数学史っぽいことを口走りますが、基本的に唯一のネタ本はCalculus Galleryなので、この本の不備などがありましたら教えて下さると助かります。

2016-12-30 14:29:12
くるる @kururu_goedel

togetter.com/li/1059561 を読んでいてとても怖いのが、 @sekibunnteisuu さんと @irobutsu さんが、まるでライプニッツの時代のようなナイーブさで微小変位だのを扱っていること。

2016-12-30 14:36:29
くるる @kururu_goedel

と思ったら、お二人とも注釈はいれていますね。twitter.com/sekibunnteisuu… とか twitter.com/irobutsu/statu… とか。でも私はこの論調に全く同意しません。極限なので分数ではないと言った上で、分数と同じような操作が出来ると説明すればよいと思います。

2016-12-30 14:41:11
積分定数 @sekibunnteisuu

極限操作がはいるから、vdt=dxという表記は厳密性を欠くというのならわかるが、微積分を習い始めの直観的な理解の段階では、微分は分数である、ということをむしろ積極的に意識する必要があると思うだが、どうだろうか?

2016-12-14 08:05:27
前野[いろもの物理学者]昌弘 @irobutsu

「分数じゃない」を強調するのは多分「極限操作が入っていることを忘れるな」って言いたいからでしょうけど、厳密な意味で「分数」ではないということと「分母を払う」という操作ができないということは同じじゃないので、強調が効きすぎなのはよくない。 @sekibunnteisuu

2016-12-14 08:34:18
くるる @kururu_goedel

それでも、私はtwitter.com/sekibunnteisuu… には分数でなくなりますと返したいし、mobile.twitter.com/sekibunnteisuu… には積でなくなると言いたい。多項式の極限は多項式とは限らないし、正数の極限は正数とは限らないんだから。

2016-12-30 14:47:03
積分定数 @sekibunnteisuu

読み方も書き順も勝手にすればいいと思うけど、「分数ではない」というのが理解できない。どういう考えなのだろうか? {f(x+Δx)ーf(x)}/Δx この状態だと分数で、Δx→0とすると分数じゃなくなるの?

2016-12-14 07:54:43
積分定数 @sekibunnteisuu

積分の、f(x)dxも、「f(x)とdxの積ではない」という認識なんだろうか? 区分求積で極限取る前は積だけど極限取ると積じゃなくなるのかな?

2016-12-14 07:57:09
くるる @kururu_goedel

っていうか、Aという概念を拡張してA'というのを定義したら、Aで成り立つことがA'でも成り立って嬉しいってことは数学ではよくあると思いますが、そのたびに「A'はAだ、そう教えないのは間違っている」とか言うんですか?順序数は自然数ですか?

2016-12-30 14:50:43
くるる @kururu_goedel

Calculus Galleryの史観では、Newton/Leibnizの素朴な無限小概念→Berkeleyなどによる批判(無限小とかないだろ!)→d'Alembertによる極限の導入の提案→Cauchyによるε-δで定義された極限を使った微積分の開発という流れになってます。

2016-12-30 14:57:22
くるる @kururu_goedel

ここすっ飛ばしちゃっていいんですか、極限で微分を定義しているのに。Leibnizがわけのわからない文章でしどろもどろ弁解していた無限小に戻りたいんですか?

2016-12-30 15:01:52
くるる @kururu_goedel

twitter.com/genkuroki/stat… ご意見はわかりましたが、私は「そういう気分で定義されたひとまとまりの記号」と見ます。だから、ここに黒木さんが書いたとおりの解釈を述べた上で、単なるひとまとまりの記号として定義します。

2016-12-30 15:11:31
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

続き。記号法∫_a^b f(x)dxにおけるf(x)dxは「微小に分割したものの一つ」を表し、∫_a^bは「それを足し上げること」を意味しているというのが普及している積分の記号法の標準的な解釈の仕方だと思います。これがわかっていれば∫とdxを「括弧のようなもの」とは考えない。

2016-12-30 12:57:32
くるる @kururu_goedel

twitter.com/genkuroki/stat… 揚げ足取りのように思われると困るのですが 定積分は【微小に分割して足し上げた結果】ではなく、その直感をリーマン和の極限という形で表現したものと考えます。その差は初学者相手でも、より高度な文脈では無視できても、触れるべきだと思います。

2016-12-30 15:17:32
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

続き~、∫_a^b f(x)dxを「まるで括弧のように使われている∫_a^bとdxによってf(x)が囲まれている」と解釈することは無くなるだろうという程度の話です。積分とは微小に分割して足し上げた結果のことであるというような理解がないと積分については何も理解していないのと同じ。

2016-12-30 12:54:44
くるる @kururu_goedel

togetter.com/li/1059561?pag… 黒木さんのここでの議論は積分定数さんやいろぶつ先生のよりもなじめるんですが、学生が【高次の無限小】をちゃんと把握できるためにはやっぱり極限をとったときどうなるというのしっかりやらざるをえないのでは、と。

2016-12-30 15:30:56

前野[いろもの物理学者]昌弘氏のコメント:

前野[いろもの物理学者]昌弘 @irobutsu

コメントどうも。 このあたりは「私の見える範囲では分数じゃないと習ったのに突然分母を払う話が出てきてパニックな学生さんがいる」という流れの中の発言なので、「極限なので分数ではない」と言う必要は当然感じてます。 @kururu_goedel

2016-12-30 14:55:52
前野[いろもの物理学者]昌弘 @irobutsu

私が授業でどういうふうに話しているかはたとえば phys.u-ryukyu.ac.jp/~maeno/sizensu… なんですが『dyやdxは、二つがペアになって接線の向きを表現している量』という意味で「分数ではないが分数風計算ができるもの」として教えてます。 @kururu_goedel

2016-12-30 15:00:30
前野[いろもの物理学者]昌弘 @irobutsu

「微小変位に対する扱いがナイーブ過ぎる」というのは確かにそうです。「物理屋が使う数学」では「(dy/dx)=f'(x)ならdy=f'(x)dx」の手の計算を多用するので、微分を教える最初からその考え方には慣れておくべきという考えでそうしてます。 @kururu_goedel

2016-12-30 15:04:32