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「生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由(わけ)がある」を読む

まとめました。
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kingstone @king1234stone

「生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由(わけ)がある」岡檀(おかまゆみ)著 これもすごい本だ。 amazon.co.jp/gp/product/406…

2017-01-03 20:12:36
kingstone @king1234stone

岡さんは、もともと戦争被害者の体験について聞き取り調査をされてきてた。 ある時自殺で家族を失った遺族の語りを読む機会があり、いろいろあって取り組んでみたいと思われ2007年4月に慶應大学大学院健康マネジメント科に入りはる。

2017-01-03 20:12:45
kingstone @king1234stone

しかし先行研究を調査した結果、自殺多発地域における「自殺危険因子」についての研究はあっても、自殺希少地域の「自殺予防因子」についての研究はほぼ手つかずだった。

2017-01-03 20:12:53
kingstone @king1234stone

研究意図を説明された人は、反対するか、されずとも「顔を曇らせるか」だった。 「発生したことの原因をつきとめることはできても、"発生しなかった”ことの原因はわからないよ」 (なるほど)

2017-01-03 20:13:04
kingstone @king1234stone

しかし、小さな新聞記事がヒットし、そこから海部町(現在は合併して海陽町)について調べ始める。まずは旧市区町村のデータの精査から。全国の市区町村との比較も。(これがとんでもない数。またデータそのものも無い場合も)

2017-01-03 20:13:12
kingstone @king1234stone

結果、全国で最も自殺率の低い10市区町村の中で「島」でないのは「海部町」だけだった。(島を含めて第8位) そこである程度確信し、関与観察を始める。

2017-01-03 20:13:22
kingstone @king1234stone

2008年の夏から、現地に入る。そして「構造化インタビュー」や「半構造化インタビュー」はせず、とにかくいろんな集まり(ってか、いろんなところで井戸端会議みたいなのをやってたみたい)で話を聞いて、ひっかかってくるテーマを探してゆく、という手法を採る。

2017-01-03 20:13:33
kingstone @king1234stone

2年後には自殺多発地域の研究にも手を広げる。2012年に博士課程修了。博士号取得。第一回日本社会精神医学会優秀論文賞受賞。 この本は2013年7月に出版されている。

2017-01-03 20:13:42
kingstone @king1234stone

いずれにしても、長い時間をかけて取り組まれているのやなあ、というのがわかる。よく1〜2年間の研修で院でちゃちゃっとアンケートをとって「こんなことがわかりました」という「研究」をよく見るけど、ほんとそれは違うよなあ、とよく思ってた。

2017-01-03 20:13:53
kingstone @king1234stone

1.「いろんな人がいて良い。いや、いろんな人がいた方が良い」という考え方。 もともと海部町は大阪夏の陣で大阪が焼け、そのさいの材木需要で外部の人間がやってきて栄えた町。そこでいろいろな人が共存していくためにしみついた考えだろうとのこと。

2017-01-03 20:14:15
kingstone @king1234stone

そのため、学校に特別支援学級はなかなかできなかったそう。推進する立場の人は「障害を差別する気持ちがあるのでは」と思っておられる人もいたが議員さんに尋ねてみると「(通常級に)いろんな個性の子がいていいのでは」という答えだったとのこと。

2017-01-03 20:14:24
kingstone @king1234stone

また赤い羽根共同募金は周囲の町と比べて最低額しか集まらない。募金のお願いをすると、担当者に「どういうふうに使われるの?」と質問がき、またあの方も募金して下さったし、と言うと「あん人はあん人。わしは嫌や」

2017-01-03 20:14:34
kingstone @king1234stone

2.「統制」や「均質」を避ける 昔から「朋輩組」という若者組織があるが、上の命令に絶対服従ではない。ルールも厳しくなく、よそものを入れない、ということもない。年下の者の意見でもよければ採り入れる。

2017-01-03 20:14:44
kingstone @king1234stone

なお、「他人に強制する(例えば選挙で○○さんに入れて、とか頼むのも)」ことは「野暮」「ダサい」とされる。

2017-01-03 20:14:52
kingstone @king1234stone

3.能力主義 年齢が高いからえらくなる、というのではなく、その人が、実質どのくらい能力があるかで評価。(これももともとよそものの集まりだからか)

2017-01-03 20:15:02
kingstone @king1234stone

4.自己効力感が高い 「自分のような者に政府を動かす力はない、と思いますか」 という質問に「そうは思わない」という回答が高くでる。 「どうせ、私なんて・・・」とは考えない

2017-01-03 20:15:13
kingstone @king1234stone

5.「病、市に出せ」 困ったことがあったら、小さいうちに、みんなに言っておけ。 なので、「うつ」による受診率は海部町は高い。

2017-01-03 20:15:24
kingstone @king1234stone

ちなみに地域の精神科医さん曰く。「海部町の人は足音を聞けばすぐわかる。元気な足音だから」(なるほど。ひどくなる前に行くわけだ)

2017-01-03 20:16:50
kingstone @king1234stone

6.他人への「関心」が高い。(「監視」しているわけではない) 著者が高齢者がわいわい話している場にいた時。 「そういやAさん、最近、うつなんやて」 「ほなら見に行ってやらな」(「行ってええんやろか」とか「一緒に行こか」ではなく・・・)

2017-01-03 20:17:09
kingstone @king1234stone

7.(しかし)つきあいは普段は淡泊。挨拶程度。

2017-01-03 20:17:20
kingstone @king1234stone

それに対し、近隣の自殺多発地域では ・働かなく(働けなく)なったら「極道者」になった、と表現する。 ・(近隣の)若衆組は強制的で絶対服従を要求される。 ・赤い羽根募金などはきっちり・・・

2017-01-03 20:17:46
kingstone @king1234stone

・「どうせ、私なんて・・・」と考える ・「うつで精神科に行くなんて」とスティグマ感が強い ・(意外なことに?)住民同士の関係は緊密

2017-01-03 20:17:50
kingstone @king1234stone

なお、岡さんは講演に行くことも多くなっているのだけど、こういう研究をしていると、「自殺は悪いこと」みたいな価値観を持っているように思われがちだけど、「減らしたい」とは思っているけれど、「本人、そして家族を責めない」ということを必ず冒頭で話しはるそう。

2017-01-03 20:18:08
kingstone @king1234stone

あと、講演した後、よく「どうしたら海部町の人たちのように立派な人になれるのでしょう」という質問が出るのだけど、「立派」っていうのとはちょっと違うよな、と思いはるとか。やはりよそもんが集まって生きてきた歴史からか「損得」を考え「賢い」生き方をしてはるというか・・・

2017-01-03 22:07:48
kingstone @king1234stone

このあたりもよくわかる気がする。SSTの時に大事なのは、「道徳」的に伝えようとしたってうまくいかなくて、「どう行動したら自分にとって得か」をできる限り言葉(特に音声言語)のレベルでなく教えてあげることだと思うから。

2017-01-03 22:10:04
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コメント

ベギルスたん @kmgstr 2017年1月4日
岡檀は、徳島の高齢者自殺希少市町村を明らかにした原田寛子の先行研究を博士論文でも本でも挙げていない。四国大学紀要の掲載論文「徳島県における過去18年間…」(1995)とへるす出版の『生活教育』の記事「地域の老いを支える…」(2000)。紀要論文の方はciniiで「徳島」&「自殺」で検索すれば見つかる資料。見落としましたで通るか?
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ベギルスたん @kmgstr 2017年1月4日
岡檀の研究は、海部町と隣接高自殺死亡率町で自殺判定する警察官同一人医師同一人なので、海部町のみで恣意的な死因判定(隠蔽)はないだろうとしているが、自殺と不慮の事故の(隠蔽ではなく)誤分類の方は考慮していない。
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ベギルスたん @kmgstr 2017年1月4日
海外の研究を見ていれば誤分類で自殺が希少に見えていないか調べたはず。(『統計という名のウソ―数字の正体、データのたくらみ』148-155頁のようなもの。)徳島県保健・衛生統計年報で自殺と不慮の事故の数を見ると誤分類の可能性は排除できないのでは。
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ヒロ マサミ @HERO_WOLFDOG 2017年1月4日
地元秋田は自殺率トップなんだけどこの町とほぼ正反対でなるほどと思った。
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対馬守 @enanji 2017年1月5日
少し前の視点論点で、この方の論文を踏まえた話を精神科医の人がしてた。  研究内容自体に検討の余地はあるが、その人も緩く広く色々な人がいる地域のほうが自殺は少ないという話には共感してたね。  少し前の話だから聞き間違いならすまん。
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成瀬京太郎 @yuugekisen 2017年1月5日
心の病も体の病と一緒で小さな時から治療したほうが治りやすい 簡単なことなのに日本では実践されない不思議
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ニヤ @mikeniya 2017年1月5日
日頃の付き合いが淡白ってかなり大事だと思った。ギチギチに詰まってたら一度ハズレたら行き場がなくなりそう
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とびー @tobigitsune 2017年1月6日
幸せでも不幸せでもないほうが良いというのはなるほどと思う。プラスの振れ幅が大きければ当然マイナスへの揺り戻しも大きいと言う訳か
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moheji @mohejinosuke 2017年1月6日
人間関係が緊密であるほど集団からのドロップアウトが取り返しのつかない問題になるんだろうかね。
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ChanceMaker @Singulith 2017年1月6日
なるほど。同調圧力が高いほど生きづらいってことか。日本そのものにもそういう傾向あるねえ。
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風呂メタルP @hurometal 2017年1月6日
大抵のストレスは人間の付き合いが原因だしな。
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さんみり @sanmiriika 2017年1月6日
今まで見てきた個人的な乏しい経験の限りでは、必ずではないけど、観光や何かしらの産業で地域が一体となってる…言い換えたら「緊密に連携してやってかないと、あっという間に潰れる」ような田舎の小さな自治体ないし地区では、事情があって当該地域の主要産業に従事しない(できない)人(犯罪者や露骨に他人を害するほど粗暴な輩等は除く)や多少の変わり者にも概ね寛容で、村養いに近いような形で仕事を融通することもあるので、一概に緊密さと不寛容さが比例するとは言い難いと感じる。
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菌象(牛歩堂) @giwhodaw 2017年1月6日
会いたくない相手にも会わなければならないという【必要】が無ければ、誰にも会わないというのはさほど苦にならない。
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