セイの法則(の陥穽)、生産効率化が生産増加として消化される条件

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望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

技術進歩それだけでは経済成長しない。適切な(再)分配が、技術進歩を成長として消化するための条件になる。 twitter.com/shingekinosyom…

2017-01-05 15:21:08
坂巻 @naka3323

また自分の世界で暴走されると困るけど!比較優位やセイ法則の成り立つ世界で再分配が必要なわけない。 twitter.com/motidukinoyoru…

2017-01-05 15:39:26
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

その意味で、比較優位やセイ法則には論じ落としがある。高度経済成長において、かつて労働者だった女性たちが、専業主婦へと転じていったのには、それなりの意味があるのである。 @naka4403 RT:比較優位やセイ法則の成り立つ世界で再分配が必要なわけない。

2017-01-05 17:01:38
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

もちろん、技術進歩と並行して、きちんとした雇用が創出されるようであれば、技術進歩を成長として消化できる旨も記載されている。(だから、私は『再分配』とは書かず、『(再)分配』とした。通常の労働分配でも成長には十分になり得るからだ) @naka4403

2017-01-05 17:04:27
坂巻 @naka3323

セイ法則すなわち供給は需要を創造するという一般理論が成立するので、長期で失業概念は存在しない。 twitter.com/motidukinoyoru…

2017-01-05 17:11:36
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

セイ法則についてはよく存じ上げているのだがameblo.jp/nakedcds/entry…、問題はセイの表現する「供給」は観念的なものであって、それを現実経済に適応するときは、もう少し慎重になってみないといけないということだ。 @naka4403

2017-01-05 17:16:19
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

セイ法則に従えば、所得を得られない、雇用にありつけないというのは、単に他者から財を引き出せる(他者にとって需要のある)生産を行えていない結果に過ぎない。この命題自体、金融経済では崩れがちなのだが、今回は敢えて貨幣を排除して実物に焦点を絞ろう。 @naka4403

2017-01-05 17:18:36
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

ameblo.jp/shingekinosyom…で話した「農家と演奏家」の設定を流用しよう。この場合、セイ法則上で「他者から財を引き出せる生産」として演奏が定義できる。セイ法則やほとんどの経済理論では、この場合の農業と演奏を全く区別しないし、できない。 @naka4403

2017-01-05 17:23:29
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

しかし、明らかに演奏家業の発生と成長は、この設定では農業’(の発展)に基礎づけられているわけであって、演奏業それ自体のイノベーションは、(あるとしても)そこまで重要ではない。穿ってみれば、演奏業は農業イノベーションを分配するために成長することが求められた。 @naka4403

2017-01-05 17:26:30
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

こういう風に生産と消費を階層化するのは、PK系の作法econdays.net/?p=8844なので、全ての生産と消費を本質的に同質とする主流派的にはあまりなじまないかもしれない。 私はPKの方が現実にマッチする想定をしていると思うが、どう思うかは自由。 @naka4403

2017-01-05 17:28:00
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

生産を階層化して、生活に本質的に重要な分野(衣・医食住系)とそうでない分野に分割したとき、成熟した経済ほど後者の比率は伸びているだろう。それは後者の分野それ自体の技術革新より、生活分野の技術革新がその膨張を支えるに余りあるという要素の方が重要のように思える。 @naka4403

2017-01-05 17:30:54
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

裏を返せば、非生活分野が発展し、生活分野から財・サービスを引き出すことが出来なければ、仮に生活分野に技術革新の種が生じても、それを成長として消化することは出来ないということである。生活分野同士の引出合いで極めて緩やかに成長する可能性もあるが。 @naka4403

2017-01-05 17:33:28
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

生活分野同士の相乗的需要けん引は特殊ケースとして置いておくとして、生活分野の技術革新を成長として消化するためには、その生産を引き出す非生活財・サービスを提供することが必要になってくる。厄介なのは、この非生活財は、その名の通り、全く役に立たないものでも良い。 @naka4403

2017-01-05 17:35:44
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

娯楽分野などは典型かもしれない。射幸心を煽るようなギャンブル産業もその類だろう。そうした分野が、生活分野から財・サービスを引き出す量を増やすことを成長と呼ぶことに、私は大いに賛成するが、おそらく、一般人やポスモダ系の創造する「成長」とはちょっと違うだろう。 @naka4403

2017-01-05 17:38:18
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

この構造を理解すると、生活分野から財・サービスを引き出す方法として、非生活分野が成長する(非生活分野の連中が、生活分野から財・サービスを引き出すのが上手くなる)という他に、単に人々の購買力を底上げするだけというのも有効ではないかと言うことに気付く。 @naka4403

2017-01-05 17:40:58
坂巻 @naka3323

どうも効用や無差別曲線の理解から違うんじゃないかな。生活分野の需要や供給が増えようが減ろうが、そこは問題じゃない。各主体が選択のフロンティアを大きく持つか否か。 twitter.com/motidukinoyoru…

2017-01-05 17:43:27
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

例えば、現行のような所得・付加価値に応じて政府発行通貨を徴収する租税制度の政府なら、それを維持しつつ通貨発行支出(内訳は公共事業だろうが給付金だろうが何でもよい)を行い、民間の購買力を増やしたとき、政府支出の効率性に関係なく生活分野からの財引出を増やし得る。 @naka4403

2017-01-05 17:44:35
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

こうして増加した生活分野の財引出は、当然経済成長として評価される。もちろん、非生活分野の成長によっても同じことができるが、非生活分野が生活分野から財を引き出せるかどうかは多少不確実なので、生活分野の技術革新を確実に消化する方法としては政府支出に分がある。 @naka4403

2017-01-05 17:47:16
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

セイ法則で「生活分野からどうやって財を引き出すか」などが問題にならないのは、セイ法則ではある所与の財の所有の交換の話によって、生産財の交換の話を代替するからである。つまり、セイ法則は、ある財の生産効率化を、即座にある財の生産量増加に置き換えている。 @naka4403

2017-01-05 17:56:27
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

だから、セイ法則の設定の中で農家と演奏家の話をすると、農家における生産効率化は、即座に農家の農産物所有に置き換わっている。だから農家は、余っている農産物がいらない(限界効用の逓減効果)と感じて、それ以外の財やサービスに貪欲になるという構造が描写される。 @naka4403

2017-01-05 17:58:11
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

しかし、農家の効率化が、「その時点での需要量を所与と錯覚して」雇用の縮小として消化されることは十分にあり得ることだ。ameblo.jp/shingekinosyom…では、その帰結は(経済成長などでは決してなく)減らされた雇用分の人口減少である可能性を指摘した。 @naka4403

2017-01-05 18:01:11
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

こう考えると、セイの法則の陥穽は、ある技術革新を、即座に当該財の生産量増加=保有量増加と直結してしまう短絡さにあるのかもしれない。 現実には、技術革新による生産「余力」の増加それ自体が、当該財の存在量の増加としては即座には扱えないのではないだろうか。 @naka4403

2017-01-05 18:04:20
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

生産効率化が単に生産者の財保有量の増加として扱える場合は、等効用線(無差別曲線)のシフトとして扱うことが出来る。この場合、当該財の限界効用逓減に従って、他財の購入(ための当該財提出)が自然に増える。 しかし、技術的失業として消化される場合はこうはならない。 @naka4403

2017-01-05 18:12:55
坂巻 @naka3323

だから、失業が存在しない前提なので。その論証はルーカス教授。 twitter.com/motidukinoyoru…

2017-01-05 18:14:22
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

レギュラシオン理論におけるフォーディズムja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95…、すなわち、労働分配の増加を通じて当該商品の購入者を確保するような資本主義システムが空前絶後の成長を齎したのも、「生産効率化と生産量の乖離」の構造に関係するかもしれない。 @naka4403

2017-01-05 18:18:51